ニギスは細長い体をした深海魚です。
主に漁獲される日本海側の地域では、スーパーに並ぶことも珍しくありません。
クセのない味わいをしており、刺身や塩焼き、干物、天ぷらと言った白身魚らしい調理法がよく合う美味しい食材です。
犬猫はニギスを食べても大丈夫!
ニギスは犬猫に毒性のある成分を含んでいない魚です。
一部のメーカーからはニギスを使った犬猫用のフードなども販売されています。
本記事では、
- キスと似ている?ニギスについて
- ニギス犬猫に食べさせるメリットや注意点
- 犬猫用のニギスを使った手作りフードのレシピ
などについてお話していきます。
ニギスってどんな魚?
ニギスはサケ目ニギス科の海水魚で、全長は約20cm、体は細長い円筒状で目が大きく口は尖っています。
西日本海側の地域以外では生のニギスをあまり見かけませんが、その理由はとても足が早いからです。
脂と水分の量がとても多いので、酸化と腐敗がすぐに進行してしまいます。
そのため、漁獲域から遠い地域に生のニギスが流通することはとても珍しく、ほとんどの場合干物に加工されています。
ニギスとキスは似ている?
ニギスは漢字で「似鱚」と書き、字の通り鱚(キス)に似ていることが名付けの理由となっています。
しかし実際に見比べてみると、サイズや形状は近いものの、目の大きさや色合い、ウロコの形などの違いがありあまり似ているようには思えません。
分類上もニギスが「サケ目」なのに対してキスは「スズキ目」となっています。
ちなみに「メギス」とはニギスのことを指し、北陸地方でのみ呼ばれているそうです。
ニギスの主な栄養素表
ニギス(生)100gあたりの主な栄養素
栄養素 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 84kcal |
たんぱく質 | 15.5g |
脂質 | 0.9g |
カリウム | 320mg |
レチノール | 75μg |
ナイアシン | 6.9mg |
ビタミンB6 | 0.15mg |
ビタミンB12 | 3.4μg |
DHA | 200mg |
EPA | 81mg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
ニギスは白身魚らしく低カロリー低脂質高たんぱくな食材です。
その他の栄養素ではビタミンB12やナイアシンの含有量が多くなっています。
ニギスのもつ栄養素がもたらすメリットをお話していきます。
ニギスを犬猫に食べさせるメリット
ビタミンB12による貧血予防や細胞の増殖効果
ニギスの中で特に含有量の多い栄養素です。
ビタミンB12は同じビタミンB群の葉酸と合わさり、貧血予防や細胞の増殖、たんぱく質の合成などを行います。
ニギスの葉酸含有量はあまり多くないので、ブロッコリーやそらまめ、ほうれん草といった葉酸の多い食材も一緒に食べさせるといいでしょう。
ナイアシンによる代謝促進と脳のサポート
ナイアシンはビタミンB群の一種です。
体内に入ると補酵素として機能し、糖質や脂質の代謝を促進しエネルギーへと変えます。
これ以外にも脳の神経伝達物質の生成に不可欠で、脳神経のサポートも行っています。
たんぱく質が豊富!ダイエット中の食事として
既に触れていますが、白身魚のほとんどは低カロリー低脂質高たんぱく。
ニギスもその例に漏れず、ダイエット中の食事に向いた食材のひとつです。
たんぱく質は臓器・皮膚・血管など体作りに必須の栄養素であり、筋肉作りにも重要な栄養素です。
筋肉量が増えることは基礎代謝の増加に繋がり、痩せやすい体になります。
レチノールによる目の健康維持
レチノールは動物由来のビタミンAです。
目のビタミンとも呼ばれ、目の健康維持には欠かせません。目の粘膜の成分となり、視力を正常に保つ働きがあります。
また、粘膜の形成にも深く関わっています。
犬猫にニギスを食べさせる時の注意点
骨はなるべく取り除くように
ニギスには太い中骨と、細くて固い小骨があります。
中骨がついたまま与えるのはよくありませんが、小骨も体内で刺さり思わぬ怪我の原因となることがあります。
ニギスの小骨は非常に数が多いですが、加熱処理を行うと身と骨を分けるのが容易になります。
アニサキスの処理のため加熱処理を
ニギスは水深150mほどの深海に生息しているため、アニサキスを体に宿している可能性は低いと考えられます。
しかし、絶対に居ないとは言い切れません。
アニサキスは熱に弱く、60度で1分程度加熱することで死滅します。
前項でお話した骨を取りやすくなりことも踏まえ、ニギスを犬猫に食べさせる時は加熱処理を行った方がいいでしょう。
ニギスの干物は与えないように
既にお話していますが、西日本海側以外の地域ではニギスは干物として流通していることがほとんどです。
ニギスの干物は非常に美味しいのですが、犬猫に食べさせるのはやめましょう。
干物は文字通り魚を干して作られるものですが、その際に塩水によく浸されています。
当然、塩分含有量も高くなっていますので、犬猫にとって干物は塩分過剰となる恐れがあります。
ニギスを使った犬猫用レシピ
「ニギスとほうれん草の雑炊」
材料
- ニギス
- ほうれん草
- プチトマト
- ごはん
- 水
作り方
- ほうれん草を犬猫に合わせたサイズに短くカットします。
- 鍋に水を入れて火に掛け、沸騰してきたらごはん以外の材料を入れて煮込みます。
- ニギスによく火が通ったことが確認できたら一度取りだし、身と骨を分離します。
- 鍋にごはんを入れ、軽く煮込んだら器にもり、最後にニギスの身を乗せれば完成です。
ニギスや野菜類から栄養を摂取できるご飯です。
ニギスから出た出汁が他の食材やご飯にも染みこむため、犬猫の食欲を促進します。
余った分には塩や醤油で味付けすることで私達も美味しく食べることができます。
【まとめ】犬猫はニギスを食べても大丈夫!
犬猫はニギスを食べても大丈夫です。
たんぱく質・ビタミンB12・ナイアシンなどが豊富です。
貧血予防、代謝促進、脳の働きやダイエットのサポート効果などに期待が持てます。
本記事で紹介した注意点は3点です。
- 骨は取り除くようにしましょう。
- 加熱処理を十分に行ってください。
- 干物は犬猫に与えるのをやめましょう。
深海魚ながらクセがなくシンプルで美味しいニギス。
西日本海側以外の地域で生のニギスを見かけることはあまりないとは思いますが、新鮮なものが購入できた際は犬猫の食事に与えてみてはいかがでしょうか。