サランラップやクレラップなどの食品用ラップは私たちが生活するうえで無くてはならないアイテムのひとつです。
犬猫に手作りのごはんやおやつを作るときや、作ったものを保存する際にも食品用ラップを使用しますよね。
この記事では食品用ラップの成分や誤飲してしまった場合の危険性・注意点などについて解説していきます。
食品用ラップの成分と危険性
食品用ラップは一般的にポリエチレンやポリプロピレンなどのプラスチック製品です。
これらの材料は一般的に食品包装に使用され、加工食品や生鮮食品の保護や保存に使用されます。
犬や猫がこれらの材料を誤って飲み込むと、いくつかの健康上のリスクが発生します。
窒息や消化管閉塞:ラップは柔軟で薄いため、動物がそれを誤って飲み込むと、窒息や消化管閉塞の危険があります。これは特に小型犬や猫の場合に起こりやすいです。
付着した毒性成分の摂取:ラップは食品と接触するため、人間は食べられるが犬猫には食べられない食材の成分が付着している可能性があります。これらの成分がペットの体内に入ると、中毒症状を引き起こす可能性があります。
プラスチックの毒性:プラスチック製品には、加工中に使用される化学物質や添加剤が含まれる場合があります。これらの成分は、摂取されると毒性を引き起こす可能性があります。
※2000年以前にはポリ塩化ビニル製のラップから食品に溶出する化学物質が問題となったこともありますが、その後食品衛生法にもとづいて一定の規格基準が定められています。
現在販売されている日本製食品ラップには毒性のある添加剤は使用されていないといわれていますが、海外製には注意が必要です。
中国製ラップからは使用が禁じられている可塑剤のアジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)が検出されたという報告もありますので、心配な場合は日本製ラップの使用をおすすめします。
犬猫が食品用ラップを誤飲した際に考えられる症状
犬猫が食品用ラップを誤食した場合、以下のような症状が現れる可能性があります。
ただし、ここではあくまで有害成分の入っていない日本製ラップを飲み込んだケースを想定してお話します。
- 嘔吐: ラップが消化器系に詰まることで、嘔吐が起こる場合があります。これは、ラップが食道や胃で詰まったり、消化が妨げられたりした結果として起こる可能性があります。
- 不安や興奮: ラップの誤飲により、犬猫が不安や興奮を示すことがあります。これは、消化不良や腹痛などの身体的な不快感によるものか、精神的なストレスからくるものかもしれません。
- 腹部の膨満感: ラップが消化管に詰まると、腹部が膨れて膨満感を感じる可能性があります。これは消化管閉塞の兆候であり、重篤な状態を示すことがあります。
- 消化不良や下痢: 犬猫がラップを摂取した場合、消化不良や下痢が起こることがあります。これは、消化器系に異物が存在することによるものであり、消化器の正常な機能を妨げる可能性があります。
- 食欲不振: 犬猫がラップを摂取した場合、食欲が低下することがあります。これは、身体的な不快感や消化器系のトラブルによるものです。
- 異物摂取による全身の症状: 犬猫が異物を摂取すると、全身的な症状も現れる場合があります。これには、体温上昇、元気のなさ、異常な行動、呼吸困難などが含まれます。
これらの症状が現れた場合、犬猫の状態を評価するために速やかに動物病院に連絡し、適切な治療を受ける必要があります。
異物誤飲は早期の治療が重要です。
食品用ラップの誤飲を防ぐために
犬猫が食品用ラップを誤って飲み込むことを防ぐために、以下の方法が有効です。
- ラップの保管場所を見直す: ラップやラップをかけた食品は、ペットが触れることのない場所に保管するようにしましょう。キッチンの高めの棚や扉が閉められる場所にしまうように心がけ、犬猫がアクセスしやすい場所には置かないようにしましょう。
- 食事中の観察: 犬猫が食事をしているときは、そのそばにいて様子を見守ることが大切です。ラップや食品の包装が床に落ちたり、テーブルの上に残ったりしないように注意しましょう。
- ラップを適切に廃棄: 使用済みのラップや食品の包装は、直ちに廃棄し、犬猫の届かない場所に捨てるようにしましょう。また、ラップを何かに包んだり、小さく切ったりしてから廃棄すると、誤飲を防ぐことができます。
- 食品の保存方法を見直す: 食品をラップで包むのではなく、再利用可能なフードカバーや密閉容器を使用することを検討してみてください。これにより、誤飲を防ぐだけでなく、環境にもやさしい選択肢になります。
- トレーニング: 犬や猫に対して、ラップや食品の包装に触れないように訓練することも有効です。食品が包まれたものに近づくときは「待て)」などの指示を使って訓練しましょう。
誤飲してしまった際の対処法
飲み込んだラップの状態や量、種類によっては緊急を要する状況です。
飲み込んでしまった場合は症状がなくてもすぐに獣医師に連絡し、適切な処置を受けるようにしましょう。
自分で吐かせたり取り出そうとすることは危険なので絶対に避けてください。
獣医師の指示に従い、必要な検査や診断を受けることが重要です。これにより、適切な治療法が選択されます
【まとめ】犬猫の食品ラップの誤飲に注意!
現在販売されている日本製ラップには毒性のある添加剤は使われていないといわれていますが、毒性がなくても胃や腸で留まってしまったり腸閉塞などを起こす危険があります。
犬猫に毒性のある食材に接触していたラップの場合は食材の成分が付着している可能性もあります。
ラップの保管やラップをかけた食品、食材の保存場所には十分配慮し、誤飲を未然に防ぐことが大切です。
万が一誤飲してしまった場合はすぐに獣医師に相談しましょう。