お正月やお盆など、おうちでお酒を飲む機会は度々あります。
中には毎晩おうちで晩酌をしている方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
お酒を飲む方からするとその楽しさを犬猫とも共有したい気持ちがあるかもしれません。
はたして犬猫はお酒を飲んでも大丈夫なのでしょうか。
犬や猫にアルコール飲料は絶対だめ!
犬や猫にアルコール飲料を与えてはいけません。
犬猫のアルコール摂取は非常に危険で命に関わる場合もあります。
犬や猫はアルコールを分解できない
犬や猫は人間と違い体内にアルコール分解酵素を持ち合わせていません。
通常、人間の場合はアルコールを摂取したとき胃や小腸から吸収され肝臓でアルコール分解酵素によって分解が行われます。
犬や猫の場合はこの分解酵素を持っていないため血中のアルコール濃度がなかなか下がらず人間よりも酩酊状態が長く続いてしまいます。
そして体内に長い間とどまり続けたアルコールは脳をはじめ体の様々な器官に害を及ぼしてしまいます。
犬猫がアルコール飲料を飲むとどうなるのか
アルコール分解酵素を持たない犬猫がアルコール飲料を飲むことによって考えられる症状や危険性は以下のようなものがあります。
- 嘔吐や下痢
- 足元がおぼつかず上手く歩けない
- 意識障害(意識が朦朧とする)
- 心肺機能の低下
- 昏睡
基本的には人間が過剰に飲酒した場合のリスクに近いものがあります。
人間の場合、嘔吐や千鳥足で済めばかわいいものですが、嘔吐には窒息のリスクもあり、犬猫の足元がおぼつかないと高いところから落ちて大怪我をする可能性もあります。
体の小さい犬猫はこのような症状が人間よりも早く顕著に表れるので犬猫にはアルコール飲料を飲ませてはいけません。
日本一有名な猫の死因もお酒?
みなさんは夏目漱石の「吾輩は猫である」を読まれたことがありますか。
「吾輩は猫である。名前はまだない。」という有名な書き出しで始まる小説ですが、実はこの「吾輩」は物語のラストで亡くなってしまいます。
吾輩は我慢に我慢を重ねて、ようやく一杯のビールを飲み干した時、妙な現象が起った。始めは舌がぴりぴりして、口中が外部から圧迫されるように苦しかったのが、飲むに従ってようやく楽らくになって、一杯目を片付ける時分には別段骨も折れなくなった。もう大丈夫と二杯目は難なくやっつけた。ついでに盆の上にこぼれたのも拭ぬぐうがごとく腹内ふくないに収めた。
(中略)
前足をぐにゃりと前へ出したと思う途端ぼちゃんと音がして、はっと云ううち、――やられた。どうやられたのか考える間まがない。ただやられたなと気がつくか、つかないのにあとは滅茶苦茶になってしまった。我に帰ったときは水の上に浮いている。
「吾輩」はコップに残ったビールを飲むうちに気分が良くなって千鳥足のまま水瓶に落ちて抵抗むなしく溺死してしまいます。
夏目漱石が伝えたかったのはそんなことではないかもしれませんがやはり猫がアルコールを飲むと危険だと感じさせられます。
犬猫がアルコール飲料を飲んでしまわないために
おうちでお酒を飲むときは必ず片付けまでしっかりしましょう。
犬猫がお酒の匂いを好むかはわかりませんがグラスやコップに残ったお酒をそのままにして寝てしまうと「吾輩」のように興味本位で犬猫が舐めてしまうかもしれません。
除菌グッズにも注意
近年では新型コロナウイルスの影響もあり日常的に除菌グッズを使用している方も多いと思います。
除菌グッズにはアルコールが含まれているものもあるので犬猫を飼っているご家庭では少し注意が必要です。
例えば除菌アルコールスプレーを使用した場合、しっかりと乾いて揮発すると安全だと言われていますがその前に犬猫が舐めてしまわないようにしましょう。
また、犬猫の体を綺麗にしてあげたい場合は除菌アルコールシートではなく専用のペットシートを使用すると安全です。
もしも飲んでしまったら
注意をしていても目を離した隙に犬猫がお酒をなめてしまう可能性はあります。
気づいたときにすぐ犬猫の様子をチェックしましょう。
前述したような飲酒による症状が見られた場合はすぐに動物病院で獣医に診てもらいましょう。
その際にいつ・なにを・どのぐらいの量飲んだかを分かる範囲で説明できるようにしておくと良いでしょう。
【まとめ】犬猫にアルコール飲料を与えてはいけない!
犬猫はアルコール飲料を飲んではいけません。NGポイントをおさらいしましょう。
- 人間と違い犬猫はアルコールを分解する酵素を持っていない
- 犬猫は酩酊状態になるのが早く、長く続く
- 家庭でアルコールが含まれている除菌グッズを使用する際は犬猫が舐めないように注意
今回は犬や猫がアルコール飲料を飲んだ際の危険性について解説しました。
犬猫にとってアルコールを摂取することはリスクしかありません。
面白半分で与えたりするのは絶対にやめましょう。