アーティチョークとは
アーティチョークはアザミの一種で、その花の萼の付け根と、つぼみの芯の部分を食用としている野菜です。
欧米諸国では人気野菜として日常的に食べられる野菜ですが、日本ではレストラン等で見かける事がある程度の認識かもしれません。
しかし、昨今ではアーティチョークの健康効果や美味しさなどが知られてきたことにより、日本でも販売する店が増えてきました。
犬猫はアーティチョークを食べても大丈夫
アーティチョークには犬猫にとって有害となる成分は含まれていないので、中毒症状を引き起こすようなリスクはありません。
ビタミン類はあまり多く含みませんが、ミネラルは比較的多く含まれています。
犬も猫もアーティーチョークを食べても大丈夫ですが、猫は消化の観点からも積極的には与えなくてもいい食材です。
アーティチョークの代表的な栄養素
食品成分表(可食部100gあたり)
含有量 | |
---|---|
エネルギー | 39kcal |
たんぱく質 | 2.3g |
脂質 | 0.2g |
炭水化物 | 11.3g |
カルシウム | 52㎎ |
鉄 | 0.8㎎ |
β‐カロテン | 6μg |
ビタミンC | 15㎎ |
水溶性食物繊維
アーティチョークには水溶性食物繊維が豊富に含まれていて、便秘の予防や解消に役立ちます。
また水溶性食物繊維は糖の吸収を抑制する働きや血糖値の上昇を緩やかにし、コレステロールの排出をサポートする効果が期待されています。
カルシウム
アーティチョークには骨の生成に必要なカルシウムが多く含まれています。
カルシウムは骨の生成だけではなく、
- 神経を安定させる
- 血液を固めて止血する
- ホルモンを分泌させる
- 細胞分裂を促す
- 胃液の分泌を調整する
- 鉄の代謝を補助する
など実にさまざまなな働きをする栄養素です。
マグネシウム
マグネシウムは骨の成長や強化、維持に重要な働きをするミネラルの一種で、アーティチョークにはマグネシウムも豊富に含まれています。
マグネシウムはおよそ300種類の酵素の働きをサポートし、カルシウムと密接に関わりながら、筋収縮の制御や血栓を作りにくくするといった役割があります。
カリウム
アーティチョークにはカリウムが多く含まれているので利尿作用が期待でき、ナトリウムを排出する事で塩分の摂り過ぎを調節する重要な役割や血圧を下げる効果が期待できます。
しかし腎臓病等の疾患がある犬猫は、カリウムの摂取制限が必要な場合があるので注意が必要です。
犬猫にアーティチョークを与える際の注意点
加熱して細かく刻む
犬猫は食事を丸のみしてしまう習性があるため、アーティチョークをそのままかじらせたり大きいカットで与えてしまうと喉に詰まらせるなどの危険性があります。
特に猫や子犬・超小型犬など体が小さい個体はとくに注意を払い、細かく切ったものを与えましょう。
またアーティチョークはアクが強いので、生のままではなく熱湯で茹でたものを用意してあげるといいでしょう。
糖質が多めなので与えすぎはNG!
アーティチョークは野菜としては珍しく糖質が多めです。
アーティチョークは頻繁に食べるような野菜ではないので、犬にもたくさん与えようと考える方は多くないと思いますが、与えすぎは糖質の過剰摂取となり肥満の原因となるので注意しましょう。
味付けNG。中毒のリスクがある食材とは調理しない
アーティチョークは茹でたり焼いたりするのが一般的な調理方法です。
人間が食べるものには塩などで調味され、ニンニクやタマネギなどと一緒にグリルされているものが多くありますが、犬猫に与える場合には、塩やドレッシングなどの調味は一切不要です。
またニンニクや玉ねぎは中毒症状を起こす食材なので、絶対に一緒に調理したものを分けて与えることの無いように気をつけましょう。
まとめ
アーティチョークは犬猫にとって有害な成分は含まれていません。
犬も猫も食べられる食材ではありますが、猫は消化の観点からも積極的に与えなくてもよいでしょう。
アーティチョークにはミネラルや食物繊維が豊富に含まれているので、骨の健康維持や腸内環境改善などの健康的メリットが期待されます。
ただし野菜としては糖分が多めなので、与えすぎは肥満の原因となってしまいます。
加熱したものを細かく切り、普段の食事のトッピングや手作りごはんの食材の一部程度に控えるといいでしょう。
参考:Can Dogs Eat Artichokes? Yes… But With Some Caveats!
参考:Can Cats Eat Artichokes? Are Artichokes Harmful To Cats?
参考:食品成分データベース
参考:食材大全(NHK出版)