ビール酵母は酵母の一種であり、ビール造りには欠かせません。
栄養の宝庫とも言われビール造りに使われたあともなお栄養があることから、栄養を補佐する食品として注目が集まり薬局などで粉末やカプセルが販売されています。
犬猫はビール酵母を食べても大丈夫!
「ビール」と付くので驚いてしまいますが、アルコールが含まれておらず犬猫も口にすることができます。
一部のメーカーからはビール酵母を使ったペットフードや、犬猫用のビール酵母サプリメントが販売されています。
本記事では、
- ビール酵母ってどんなもの?アルコールはなぜないの?
- 犬猫にビール酵母を与えるメリットや注意点
- ビール酵母の適量や犬猫の食事への取り入れ方
と言ったことをお話していきます。
ビール酵母は腎臓に良い?
ビール酵母を摂取することで犬猫にも様々な健康効果が期待できますが、その中の1つに「腎臓や肝臓の機能を助け負担を軽くする」ものがあります。
健康効果の詳細は後ほどお話します。
ビール酵母に副作用はある?
適量の範囲で摂取している分には特に副作用は無いと考えられます。
与える時の注意点などは後ほどお話します。
ビール酵母ってどんなもの?
ビール酵母は単なる粉ではなく、実は微生物です。
これを麦汁に入れると栄養を取り込み増殖、そしてこの際に糖を炭酸ガスとアルコールに分解することでビールができあがります。
ビール造りを終えたあとの酵母にはまだ栄養が残っており、これを加工・乾燥させたものが薬局などで売られている「市販のビール酵母」となります。
残りかすのようですがまだまだ栄養を含んでいるので、口にすると人間はもちろん犬猫にも様々な健康効果が期待できます。
アルコールは大丈夫?
薬局などで取り扱われているものや、ペットフードに使われている市販のビール酵母にアルコールは含まれていません。
ビール造りを終えた後丁寧に洗浄・加熱・殺菌処理が行われているのでアルコールは除去されています。
また、既に発酵を終えた状態なので体内で新たにアルコールを生成することもありません。
小さなお子さんや妊娠中の方が口にできることからも、アルコールの心配が無いことがお分かりになるかと思います。
「ビールそのもの」にはアルコールが含まれていますので、犬猫にはもちろんNGです。絶対に飲ませないでください。
アルコール飲料の危険性についてはこちらの記事で詳しくお話しています。
犬猫にビール酵母を与えるメリット
食事に様々な栄養素をプラスできる
- ビタミンB群
- ビタミンC
- 食物繊維
- 亜鉛
- 鉄分
- 銅
- クロム
- セレン
- カルシウム
- マグネシウム
- 核酸
これらはビール酵母の持っている栄養素の一部です。
こうしたビタミンやミネラルに加え様々なアミノ酸も豊富に含んでいるのがビール酵母の特徴であり、犬猫にも様々な健康効果があると考えられます。
考えられる主なメリットを簡単にお話していきます。
身体を動かすエネルギー作りと疲労回復効果
ビール酵母にはビタミンB群が豊富に含まれています。
これらは糖や脂肪をエネルギーに変えるほか、疲労回復効果も持っています。
身体を健康に美しく保つ
カルシウムやマグネシウムは骨や歯の構成に重要であり、鉄や銅は血液作りに深く関わっています。
核酸は新陳代謝を活発にし、アンチエイジング効果に期待が持てます。
また、アミノ酸の一種グルタチオンは愛犬愛猫の毛並みや毛艶の改善に効果を発揮します。
腸内環境を整え、便秘を改善する
製品にもよりますが、ビール酵母には100gあたり約28gと食物繊維も豊富に含まれています。
食物繊維には整腸作用があるので、便秘の改善効果に期待が持てます。
食欲促進
胃腸の消化機能を助ける乳酸菌や善玉菌を増やす働きがあるので、胃とお腹の調子を良くし食欲を促進させる効果が考えられます。
ビール酵母は良い香りがするので、犬猫によっては匂いを好んで食いつきがよくなる可能性もあります。
腎臓と肝臓のサポートに
ビール酵母を摂取することで、腸から便へ老廃物の排出を促進し、腎臓の負担を経験することが出来ると考えられています。
また、アミノ酸のグルタチオンは強い抗酸化作用と解毒効果を持っているので肝臓機能をサポートすると言われています。
犬猫にビール酵母を与える時の注意点
たくさん与えすぎない
ビール酵母は様々な栄養を含んでいますが、どのような栄養素も過剰に摂取すれば身体に悪影響を及ぼしてしまいます。
与える時は適量の範囲で少しだけにしましょう。
アレルギーに気を付ける
ビール酵母が特に危険な訳ではないのですが、一般的な食べ物同様に食物アレルギーを犬猫が発症する可能性は考えられます。
初めて食べさせる時はごく少量からにし、様子を見るようにしましょう。
ビール酵母で犬猫が胃捻転になる?
ビール酵母と胃捻転の関係を気にされている方が多いようですが、直接的な原因になるとは考えづらいです。
胃捻転の原因はまだハッキリとしておらずいくつもの理由が推測されているのですが、その内の1つに「発酵しやすいものを口にしガスが体内に溜まること」が挙げられています。
確かにビール酵母は発酵し炭酸ガスを発生させるので、胃捻転の原因になるように思えてしまいますが、人や犬猫が口にするビール酵母は既に発酵を終えており、体内でガスを発生させることはありません。
したがって、ビール酵母が犬猫の胃捻転を引き起こす原因になるとは考えづらいと言えます。
犬猫に与えるビール酵母の適量
粉末の場合、
- 体重5kg以下の犬猫:11g以下
- 体重5kg~10kgの犬猫:11~18g
- 体重10kg~20kgの犬猫:18~33g
ほどの量が目安として考えられています。
しかしあくまで目安ですので、実際に与える量は愛犬愛猫の体格や状況などに合わせて調整しましょう。
愛犬愛猫へのビール酵母の与え方
直接与える場合は、普段のフードに混ぜ込んだり、おやつのヨーグルトなどにかけてあげると犬猫も食べやすく摂取できます。
給餌量に不安な時は「バランスをしっかりと考えた上でビール酵母が材料に含まれたペットフード」を与える手段もあります。
【まとめ】犬猫にビール酵母を与えても大丈夫!
ビール酵母は犬猫に与えても大丈夫です。
ビールとありますがアルコール分は含んでいません。
酵母と麦汁の栄養素を持っており、エネルギー作り・疲労回復・便秘改善・食欲促進・腎臓や肝臓のサポートなど、様々な健康効果に期待が持てます。
注意点を2つ紹介します。
- 栄養の過剰摂取になるので、適量の範囲で与えましょう。
- アレルギーを発症する可能性を考慮し、初めて与える時はほんの少量にしてください。
粉末やサプリメントで犬猫の食事にも取り入れやすいビール酵母。
ご家庭で取り入れることが難しいと感じる場合は、ビール酵母が使われたペットフードもぜひ検討してみてください。