犬猫はまぐろを食べても大丈夫!刺身でもいい?腎臓に負担はある?注意点を解説

愛犬・愛猫に与えるまぐろについて

お刺身やお寿司の主役と言っても過言ではないまぐろ。子供から大人まで幅広く愛されていますよね。

赤身魚の代表的な存在で、人間にとって嬉しい栄養がたくさん詰まった魚ですが、犬猫にとってはどうなのでしょうか。

今回は「犬猫はまぐろを食べて大丈夫なのか?与える際の注意点」などについて解説していきます。

犬や猫はまぐろを食べても大丈夫!

犬猫はまぐろを食べても大丈夫です。愛犬や愛猫と一緒にまぐろを楽しむことはできます。

ですがまぐろには犬猫に与える際に注意しなければいけないポイントがあります。

生で食べてはいけない

お刺身はもちろんお寿司や海鮮丼など人間の場合、普通にまぐろを生で食べるかと思います。

でも犬猫に生のまぐろは与えないでください

まぐろにはチアミナーゼという酵素が含まれています。チアミナーゼは体内でチアミンを破壊してしまう酵素です。

チアミンと聞くとあまり聞き馴染みのない言葉かもしれませんが、チアミンとはビタミンB1のことです。ビタミンB1は体内で神経系の機能を正常に保つために欠かせない栄養素です。

人間の場合、ビタミンB1が欠乏することによって起こる代表的な症状に「脚気(かっけ)」があります。

犬猫の場合、チアミナーゼを過剰に摂取するとチアミン欠乏症(ビタミンB1欠乏症)になってしまう可能性があります。

症状はまさに人間でいう脚気に似ており、運動機能の低下やふらつきなどがあります。最悪の場合死に至ってしまうケースもあります。

江戸時代~明治時代のまだビタミンの研究が進んでいなかった日本では脚気で多くの死者が出ていたそうです。

まぐろに含まれるチアミナーゼは加熱することで死滅するので犬猫にまぐろを与える場合は必ず加熱処理してから与えましょう

アレルギーの危険性は?

まぐろに含まれるたんぱく質によりアレルギー反応を示す犬猫も稀にいるようです。犬猫に初めてまぐろを与える場合は少量にして様子を見ましょう

また、今までまぐろを食べても大丈夫だった犬猫でも突然アレルギーを発症することもあります。注意しましょう。

愛犬や愛猫がまぐろを食べて下痢や嘔吐、皮膚の赤みやかゆみが見られたらすぐに与えるのを辞め症状がひどくなる場合は動物病院へ行きましょう。

まぐろに含まれる代表的な栄養素

きはだまぐろ 生 可食部100g当たり

栄養素含有量
カロリー102kcal
たんぱく質20.6g
脂質0.6g
炭水化物3.4mg
カリウム450mg
ビタミンB60.64mg

参考資料:八訂 食品成分表 2022

たんぱく質

まぐろは100gあたり20.6gとたんぱく質がとても豊富に含まれています。
他の食材と比べてみましょう。

可食部100g当たりのたんぱく質含有量

食材たんぱく質含有量
大豆(全粒 黄大豆 国産 乾)32.9g
サーモン(養殖 皮なし 生)16.7g
牛肉(もも 赤肉 生)17.8g
豚肉(もも 赤肉 生)18.0g
鶏肉(むね 皮なし 生)19.7
鶏卵(全卵 生)11.3g

参考資料:八訂 食品成分表 2022

上記の表を見てみると、まぐろに含まれるたんぱく質量はサーモンやお肉よりも多いです。

たんぱく質は人間だけでなく犬猫の皮膚・内臓・骨・被毛などをつくるうえで欠かせない栄養素です。しかし、過剰に摂取すると肥満の原因にもなりますので注意しましょう。

タウリン

アミノ酸の一種であるタウリンですが、特に猫にとって重要な栄養素になります。

なぜかというと犬や人間はこのタウリンを体内で生成することができますが猫はできません。つまり猫にとってタウリンは必須アミノ酸の一つなのです。

「タウリン○○mg配合」と書かれた人間用の栄養ドリンクがあるようにもちろん人間にとっても大切な栄養素です。

血圧・視力・肝機能の維持など、タウリンは体内で様々な働きを担ってくれます。

EPA / DHA

魚に多く含まれているイメージのあるEPAやDHA。名前ぐらいは聞いたことがある方も多いんじゃないでしょうか。

EPAやDHAはオメガ3脂肪酸と呼ばれる不飽和脂肪酸の一種で健康維持にとても良い成分なのですが人間も犬猫も体内で生成することはできません。

実際にどのような働きをするのか一つずつ見ていきましょう。

EPA(エイコサペンタエン酸)

青魚に多く含まれているEPAは血管の中を掃除したり血液を固まりにくくしてくれます

他にも皮膚や関節の健康維持のためにも重要な栄養素です。

DHA(ドコサヘキサエン酸)

EPAと同じく青魚に多く含まれているDHA。このDHAは記憶を司る脳の海馬に影響してきます。つまり記憶力に関して重要な役割を担っているのです。

日本人の子供が頭がいいのは家庭で普段から魚を食べているからという説があるのもこのDHAが関係していると言われています。

まぐろは魚の中でもDHAの含有量が最も多いとされています。

犬や猫にまぐろをあげる際に注意する成分

カリウム

カリウムは犬や猫だけでなく多くの生物にとって欠かせないミネラルです。カリウムはナトリウムと共に体液の浸透圧の調整や細胞機能の維持をしています。

総合栄養食のペットフードを与えているとカリウムが不足する心配は基本的にはありませんが、体調不良や老化により食欲不振や嘔吐が続くとカリウム不足になり「低カリウム血症」を発症する恐れがあります。

低カリウム血症になると筋量低下や歩行不全などの症状が現れます。

ではカリウムはできるだけたくさん摂取した方が良いように思えますが例外があります。通常、摂取しすぎたカリウムは尿と共に体外へ排出されます。

しかし、老化などで腎機能が低下した犬猫はカリウムの排出が上手くできず「高カリウム血症」になってしまう恐れがあります

人間の場合でも腎臓病患者はカリウム制限をしないといけません。高カリウム血症は最悪の場合死に至る恐ろしい病気です。腎機能が低下している愛犬・愛猫には普段から気を配ってあげてください。

ヒスタミン

冒頭で生のまぐろを食べさせてはいけないという話をしましたがこのヒスタミンにも注意してください。

保存環境が悪く、細菌が増殖したまぐろを食べるとヒスタミン食中毒になり、下痢や嘔吐や蕁麻疹などを引き起こす可能性があります。

ヒスタミンは一度生成されるとチアミナーゼと違い加熱しても分解されません。細菌が増殖したかもしれないまぐろは犬猫に与えず飼い主様も食べないでください。

水銀

まぐろにはメチル水銀という水銀を多く含んでいる可能性があります。

水銀と聞くと思い浮かぶのが熊本県で発生した水俣病ですが、水俣病は工業災害が原因となっているので通常のまぐろは健康な人間が食べる分には水銀摂取量は心配するほどではありません。

しかし、人間の場合でも胎児へのリスク回避のためにまぐろの摂取を控えることが推奨されていたりもするので油断はできません。

念のため子猫や子犬には与えないほうがよいでしょう。

犬や猫にあげるまぐろのレシピ

基本のまぐろフレーク

基本のマグロフレークです。他の料理に使ったり普段のフードにふりかけて使うこともできます。

まぐろと豆苗の胡麻和え

上記の基本のマグロフレークを使ったレシピです。
豆苗の下処理後に和えるだけなので、お手軽に与えられるのも魅力です。

【まとめ】犬猫はまぐろを食べても大丈夫

犬猫はまぐろを食べても大丈夫ですが以下の点には注意しましょう。

・チアミナーゼやヒスタミンの危険性があるので生では与えない
・水銀の危険性があるので子猫や子犬に与えない
・成猫や成犬にも与えすぎはよくない

今回はまぐろについて紹介しました。まぐろは注意点を守れば犬猫が食べても大丈夫な食材です。
普段のフードにちょい足しで与えてみてください。

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鈴木 利奈

鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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