犬猫はブリを食べても大丈夫!血合いは食べられる?生でも大丈夫?与え方や注意点を解説

愛犬・愛猫に与える鰤(ブリ)について

12月から2月頃の寒い時期に旬を迎えるブリ。お刺身、照り焼き、ブリしゃぶ、ブリ大根など様々な料理の主役になります。

一般的なスーパーで簡単に手に入り、調理もしやすいので犬猫が一緒に食べられたら嬉しいですよね。

この記事では犬猫は鰤を食べても大丈夫か、与え方、注意点などがあるかを順番に解説していきます。

犬や猫はブリを食べても大丈夫!

犬猫はブリを食べても大丈夫です。

ブリには犬や猫に必要な栄養素が含まれている魅力的な食材といえますが、たくさん与えると良いかというとそうではありません。

愛犬愛猫に合った適度な量で上手に食事に取り入れましょう。

生で食べても大丈夫?

犬や猫がブリを生で食べるのは大丈夫とは言い切れません

生のブリには「チアミナーゼ」という酵素が含まれていて、チアミナーゼという酵素は体内のビタミンB1を分解してしまいます。

犬猫が急性ビタミンB1欠乏症になると炭水化物を消化できなくなり歩行障害などの症状が現れることがあります。

お刺身の美味しさを共有できないのは残念ですが、犬猫にブリを与える際は加熱してから与えたほうが良いでしょう。

アニサキスの危険性は?

天然物のブリで気になるのが寄生虫のアニサキスです。生魚に見られることが多いアニサキスですが、

人間の場合アニサキスに気づかず魚を食べてしまうと激しい胃痛や嘔吐などの症状が現れ、犬猫が食べてしまった場合も同様です。

しかし、養殖のブリにはほとんどアニサキスは見られず、適切な冷凍処理や加熱調理すれば死滅します。

寄生虫の面からも加熱調理がおすすめです。

血合いは食べられる?

ブリの中でも血合いの部分にはアニサキスがよく寄生していると言われています。

アニサキスは加熱すると死滅するので大丈夫ですが、どうしても生で与えたいという場合は血合いの部分は与えないようにしてください。

また、血合いを見るとブリの鮮度がわかります。鮮度が良いブリの血合いは鮮やかな赤色をしています。

逆に鮮度が落ちているブリの血合いは黒ずんだ色をしています。

鮮度が落ちているブリは加熱したとしても絶対に犬猫に与えないでください

ブリに含まれる代表的な栄養素

成魚 生100g当たり

栄養素含有量
エネルギー222kcal
たんぱく質18.6g
炭水化物7.7g
脂質13.1g
1.3mg
ビタミンD8μg

参考資料:八訂 食品成分表 2022

成魚 焼き100g当たり

栄養素含有量
エネルギー260kcal
たんぱく質22.7g
炭水化物9.7g
脂質14.5g
2.3mg
ビタミンD5.4μg

参考資料:八訂 食品成分表 2022

ビタミンD

ブリにはビタミンDが豊富に含まれています。ビタミンDはリンやカルシウムの代謝において重要な役割を果たします。

人間や草食動物はこのビタミンDを日光を浴びることで生成することができますが、犬や猫はそれができません。

なので犬や猫にとってビタミンDは食事から摂らなくてはならない重要な栄養素の1つといえます。

タウリン

ブリにはタウリンというアミノ酸が多く含まれています。タウリンは特に猫にとって重要なアミノ酸です。

猫は人間や犬と違い、体内でタウリンを生成することができません

しかしタウリンは猫にとって必要なアミノ酸で、不足すると眼の障害や心臓の疾患を引き起こす可能性があります。

普段与えているキャットフードの栄養バランスを確認しながら食事でしっかり与えてあげましょう。

DHA、EPA(不飽和脂肪酸)

青魚には、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸が豊富に含まれています

DHAやEPAは脳や神経組織の機能を高める働きや、血液をサラサラにする効果があり、健康や美容に効果があると言われています。

しかし、不飽和脂肪酸は分解する時にビタミンEを大量に消費するといった性質があります。

そのため過剰に摂取するとビタミンE不足になり、黄色脂肪症という病気なってしまいます。

黄色脂肪症になると、下腹部や胸部の皮下脂肪に炎症やしこりが生じ、痛みが生じるので触られるのを嫌がります。特に猫に多い病気です。

犬や猫にブリをあげる際の注意点

犬や猫にブリをあげる際には、いくつかの注意点があります。

骨には気をつけて

犬や猫は人間と違い食べ物を何度も噛んですり潰すといったことはしません。たいていの場合は数回噛む程度か丸呑みです。

なのでブリの骨には十分注意してあげてください。もしブリの骨を飲み込んで喉に刺さってしまった場合はすぐに動物病院で看てもらいましょう。

脂肪分が多い

ブリはとても脂肪分が多い魚です。この脂肪分が肥満の原因になってしまう可能性もあります。

調理過程でしっかりと脂肪分を落としてあげることが重要です。おすすめは茹でて調理することです。

ヒスタミン食中毒

ブリなどの青魚の鮮度が落ちるとヒスチジンというアミノ酸がヒスタミンという化学物質に変換されます。

このヒスタミンが原因で起こる食中毒がヒスタミン食中毒です。

ヒスタミンは熱に強く、加熱調理をしても無くなりません。鮮度が落ちたブリは犬猫に絶対に与えないだけでなく飼い主様も絶対に食べないでください。

アレルギー

ブリによるアレルギーの危険性には注意してください。

ブリだけに限った話ではありませんが、初めて与えるときは少量にして様子をみましょう。

下痢・嘔吐・口の周りや顔を痒がる・皮膚が赤くなるなどの症状が出た場合には早めに獣医師に相談してください。

犬や猫にあげるブリのレシピ

基本のぶりフレーク

ブリを茹でてほぐしただけの簡単レシピ。

この基本のぶりフレークは他のレシピでも活用できます。

ぶりの納豆和え

動脈硬化の予防に期待ができる納豆。

栄養価は豊富ですが大豆アレルギーには注意してください。

【まとめ】犬猫はブリを食べても大丈夫

犬猫はブリを食べても大丈夫ですが以下の点には注意しましょう。

・生では極力与えない(与える場合はごく少量)
・ビタミンB1欠乏症や黄色脂肪症の恐れもあるので与えすぎはNG
・アレルギーの心配もあるので初めて与えるときは少量にする

正しく与えると犬や猫にとても良い栄養が摂れる食材です。適量を守って与えてあげてください。

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鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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