犬猫に与える豚ハツについて
ハツはホルモンの一種で心臓のことを指します。ハートが徐々に訛ってハツと呼ばれることが定着したそうです。
牛ハツ、鶏ハツ、豚ハツとありますが、今回は豚ハツについてお話します。
豚ハツは比較的クセや臭みも少ない食材。焼き肉店で食べる他にもスーパーで安価で売られているのでよく購入される方もいるのではないでしょうか。
犬猫の中にはお肉のにおいが大好きな子もいますので、リーズナブルな豚ハツを与えてもよいのか気になりますよね。
この記事では犬猫が豚ハツを食べても大丈夫か?メリットは?注意点は?などを解説していきます。
犬猫は豚ハツを食べても大丈夫!
犬猫は豚ハツを食べても大丈夫です。
犬用猫用の「フリーズドライ豚ハツ」、「ジャーキータイプの豚ハツ」、「ふりかけタイプの豚ハツ」なども販売されています。
普通の豚肉とはまた違った味と匂いにより犬猫の食欲をそそりますし、タンパク質やビタミンB1なども摂取することができる食材です。
豚ハツのフリーズドライ?
犬猫用に豚ハツをフリーズドライにした製品が市販されています。
- ジャーキーのようにそのまま与える
- 細かくして普段のフードに振りかけて食欲をそそらせる
- 少し水で戻すことで食感を戻し、食いつきをよくする
といった与え方ができます。
生の豚ハツよりも長持ちしますので、ごほうびとして与えるために用意しておくのも良いかも知れません。
豚ハツおやつとしてはどうなの?
豚ハツはたんぱく質やビタミンB群などの栄養素を持ち、犬猫の好む風味や味をしていますのでたまのおやつとして与えるのに適しています。
ただし、脂質は低いですがカロリーは高いのであげ過ぎに注意。
心臓病に効果あり?
中国の薬膳には「同物同治」という言葉があります。これは身体の中の不調な部分を治すには調子の悪い所と同じ物を食べるとよいという考え方。
ハツは心臓のことですが、心臓の働きを助けたり、心臓病の予防をする効果があります。
心臓の働きは全身に豊富な酸素を供給すること。
ハツには酸素を運びエネルギーを作り出すのに必要な鉄分、血行をよくするナイアシンなどが豊富に含まれています。
また、ハツ100gには100mg前後のタウリンが含まれています。タウリンは犬猫の心臓の健康維持において非常に重要な役割を持っており、心臓病を予防します。
ただ、やみくもにハツを摂取すればよくなるというものではありませんので、実際に心臓にトラブルを抱えてしまった場合は動物病院で適切な指導を受けましょう。
豚ハツの栄養
ぶた 心臓 生 100g当たり
栄養素 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 118kcal |
たんぱく質 | 13.4g |
炭水化物 | 4.8g |
ビタミンB1 | 0.38mg |
ビタミンB2 | 0.95mg |
鉄 | 3.5mg |
ナイアシン | 9.5mg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
豚ハツを与える主なメリット
血行促進・心臓の働きを助ける
既に記していますが、豚ハツには血行を促進し心臓の働きを助ける効果があります。
- 鉄分:酸素を運び、貧血予防
- ナイアシン:血行を促進する
- タウリン:心臓の健康維持に使われ、心臓病予防にもなる
豚ハツを摂取することで、これらの栄養素が心臓に良い効果をもたらします。
疲労回復・成長促進
豚肉全般に言えることですが、豚ハツにはビタミンB群が豊富に含まれています。
ビタミンB1には疲れの元となる乳酸菌が体内に蓄積するのを防止する働きが。筋肉や神経の疲労も取り除いてくれます。
ビタミンB2には成長を促進し、代謝を支える効果があります。
犬猫に豚ハツを与える時の注意点
豚ハツは生で与えないで!
豚ハツは豚肉の部位の一種。私たち人間にとって豚肉の生食は感染症や食中毒の危険があり、よく加熱して食べることが常識ですよね。
それは犬猫にとっても同じことが言えます。
元々犬猫は野生で過ごしていた肉食動物だから生でも大丈夫と考えてしまう人も中にはいるそうですが、現代の犬猫は野生動物ではないので事情が違います。
細菌や寄生虫、ウィルス感染などの危険性がありますので、生で与えるのは絶対にやめましょう。
あげすぎにに注意
ハツは比較的脂質の少ない部位ですが、カロリーは高めです。
一度味を好むと犬猫がよく食べたがることもありますが、あくまでもおやつや副食として、主食(総合栄養食)の10%ほどに留めることをおすすめします。
アレルギーに注意
豚肉はアレルギーが出にくい食材ですが、絶対に大丈夫とは言えません。
豚ハツを含む豚肉を食べたときに、
- 下痢・嘔吐
- 皮膚の赤み・痒み
といった症状が見られた際は、アレルギーの疑いがあります。早めに動物病院に連絡しましょう。
味付け品などに注意
豚ハツ自体は大丈夫ですが、味付きのハツなどは犬猫の身体によくない糖分や塩分が大量に含まれています。
場合によっては絶対に与えてはいけないネギが含まれていることもあるので、犬猫に豚ハツを与える際には要注意です。
豚ハツを犬猫に与える時は…?
愛犬愛猫が食べやすいように1cm~2cm角程度にカットした上で、必ず加熱したものを与えましょう。
加熱方法に関しては焼く・茹でる・蒸す、どの方法でも大丈夫です。
焼いたものをそのまま与えたり、野菜と豚ハツを一緒に煮込むことで栄養価が高く味と匂いで食欲をそそるスープにするなど与え方は色々。
塩や醤油での味付けは厳禁です。愛犬愛猫に与えた後、人が食べる時にだけ味付けをしましょう。
まとめ
犬猫は豚ハツを食べても大丈夫。普通の豚肉とはまた違った味と匂いを好む犬猫も中には居ます。
- 心臓の働きを助ける効果
- ビタミンB群による疲労回復効果
などが期待できます。
生で与えること、たくさん与えることはNG。
しっかりと火を通すか、犬猫用に加工されたものを少量与えるようにしましょう。