犬猫はカモミールを食べても大丈夫？
カモミールは世界中で親しまれているハーブの一種で、抗酸化作用や鎮静作用、消炎作用がある事が知られ、古くから薬効の高いお茶としても親しまれています。
一般的にカモミールは適切に投与されれば犬猫にとって安全であると考えられ、メディカルハーブとしてペットフードなどに使用されることも多々あり、食べても大丈夫だと言えます。
この記事では犬猫にカモミールを与えるメリットや注意点について解説していきます。
カモミールの種類について
カモミールにはさまざまな種類があり、種類がとても多いことから、花の形や香りが似ている植物をカモミールと総称しています。
ハーブや精油として使われているカモミールは「ジャーマンカモミール」と「ローマンカモミール」の2種類です。
カモミールを与えるメリット
カモミールは適量を摂取することで様々な健康効果が期待されます。
過剰摂取に繋がらないように注意は必要ですが、カモミールに期待される効能を解説します。
歯周病や歯肉炎の予防
カモミールは古くから薬草として用いられてきました。
その薬効に殺菌作用や消炎作用があり、これらの作用が歯周病や歯肉炎の予防に役立つといわれています。
そのため、カモミールの成分を含むデンタルケア用品も多く販売されています。
もちろん、カモミールの摂取だけで完全な予防は難しいので、日々の口腔ケアが大切です。
鎮静作用・抗炎症作用
犬猫は環境の変化やその他にも様々なストレスから、消化器系の不調を多く起こすことがあります。
カモミールのもつリラックス効果で、不安やストレスを和らげることや、抗炎症作用で消化不良の問題を抑えるのに役立ちます。
抗炎症効果は消化器系だけではなく、皮膚の健康維持にも役立つと考えられています。
犬猫に対するカモミールの注意点
カモミールを与える際にはいくつかの注意点があります。
犬猫に日常的に多量に与えない
カモミールは通常、犬猫が少量摂取する程度であれば健康被害を起こすことはないといわれています。
しかし、一度に大量に摂取したり、長期間に渡って多量の摂取をしてしまうと犬猫に重篤な影響を与える可能性があります。
総合栄養食のドライフードにカモミールが使用されている場合、それにプラスしてカモミールの摂取をしてしまうと過剰摂取に繋がる可能性があります。
今与えているペットフードにカモミールが含まれる場合は、別途カモミールを与える必要はないでしょう。
精油成分に注意
カモミールには、精油成分のビサボロール、カマズレン、タンニン酸、揮発性油が含まれていますが、猫の場合そもそも精油成分の代謝が苦手です。
さらにカモミールに含まれる精油成分、揮発油が原因となる犬猫の健康被害の懸念が報告されています。
揮発性油、ビサボロール、カマズレン、タンニン酸の多量摂取による症状
- 接触皮膚炎
- 嘔吐
- 下痢
- 食欲不振
- アレルギー反応
- 長期間使用すると出血傾向が生じる可能性
エッセンシャルオイル、アロマオイルはNG
前述の通り、猫が精油の代謝が苦手であることは広く知られており、エッセンシャルオイルやアロマオイルの香りを吸引しただけで健康被害を起こす可能性があるといわれています。
犬は猫ほど代謝が苦手ではありませんが、それでも人間と全く同じように代謝できるとは言い難いでしょう。
エッセンシャルオイルは一滴抽出するために、大量の原料を使用します。
そのため成分はかなり濃縮されており、ほんの少し舐めただけでも重篤な症状を引き起こす可能性がありますので誤飲などには注意しましょう。
犬猫が大量にカモミールを食べてしまった場合は
犬猫がカモミールを食べた場合でも、一般的には慌てて動物病院に駆け込む必要はないと考えられていますが、飼い主の方は食後の様子に注意し、しっかりと観察してあげましょう。
万が一、大量に食べていることがわかったり、中毒症状、重篤な症状が現れている場合は速やかに動物病院へ相談しましょう。
受診の際は食べてしまったカモミールの種類や部位、量などを書き留めておくと良いでしょう。
カモミールティーは犬猫が飲んでも大丈夫？
カモミールティーは犬猫が飲んでも大丈夫とされる情報が多くありますが、本記事では十分に希釈したものを稀に適量であれば犬猫が飲んでも大丈夫と考えます。
カモミールが犬猫に対してどのような影響を与えるかについて行われた研究はあまりなく、犬猫共に個体差によるところが大いにあると考えます。
カモミールの薬効は様々な研究で明らかにされていますので、愛犬愛猫へ与えるかどうかは飼い主の方の判断に委ねられます。
嗅覚の優れる犬猫は香りが強いものを苦手とすることが多くありますので、健康効果を期待したとしても、嫌がる犬猫へ無理に与える必要はないということでしょう。
まとめ
カモミールは古くから薬草として用いられており、メディカルハーブとしてもっとも有名なハーブの一種です。
犬猫に適量与えるのには問題がないとされる一方で、カモミールを多量に長期的に摂取することは、カモミールに含まれる精油成分が犬猫にとって有害となるとも言われています。
犬猫の紹介した注意点や愛犬愛猫の体格･体質を考慮した上で判断することが大切です。
