スーパーフードの代表とも言われることのある「チアシード」。
食物繊維やオメガ3脂肪酸などを豊富にもち、美容や健康意識の高い方から注目され、日本でも海外輸入商品を取り扱っているスーパーや一部の薬局、ネット通販などで比較的容易に購入することができます。
ヨーグルトやデザートに使うほか、サラダやスープ、ハンバーグ、クッキーなど意外と様々な料理で活躍する食材です。
犬猫はチアシードを食べても大丈夫!
そんなチアシードは犬猫も食べて大丈夫です。
栄養価を持ちながらも無味無臭かつごま程度のサイズなので、フードへのトッピングとしても取り入れやすいです。
アメリカやオーストラリア、ドイツなどではペットフードにも用いられていますし、犬猫用のチアシードも販売されています。
本記事では
- そもそもチアシードってなに?
- チアシードの持つ栄養やそれを犬猫の食事に取り入れるメリット
- チアシードを食べさせる時の注意点
- チアシードの与え方や適量
についてお話ししていきます。
そもそも「チアシード」ってなに?
「チアシード」は中南米を原産地とするシソ科のチアという植物の種子で、見た目は小さなゴマを思わせます。
味は無味無臭ですが、水に漬けると水分を吸収して膨らみジェル状になるという面白い特徴を持っています。
食感はプチプチ・プルプルとしており、ドリンクやデザートなどにアクセントとして用いられることが一般的です。
冒頭で述べたように栄養面で非常に優れており、「スーパーフードの代表」とも言われています。
チアシードの効果・効能は?
- 血圧のコントロール効果
- 血糖値を抑える作用
- 腸内環境の改善
などに期待が持てます。
栄養価やより詳しいメリットについてはこの後説明していきます。
チアシードの代表的な豊富な栄養素
チアシード 乾燥100gあたりの主な栄養素
乾燥100gあたり | |
---|---|
エネルギー | 446kcal |
オメガ3脂肪酸 | 19.43g |
たんぱく質 | 18.0g |
食物繊維 | 36.9g |
カリウム | 760mg |
カルシウム | 570mg |
マグネシウム | 360mg |
リン | 820mg |
ビタミンB1 | 0.97mg |
ビタミンB2 | 0.25mg |
葉酸 | 84㎍ |
ビオチン | 24㎍ |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
チアシードを犬猫の食事に取り入れる主なメリット
オメガ3脂肪酸であるαリノレン酸による健康効果
オメガ3脂肪酸(αリノレン酸)がチアシードには含まれています。
オメガ3脂肪酸は青魚など限られた食材にしか含まれていないので、チアシードは魚以外の供給源として貴重な存在です。
このリノレン酸はを摂取することで
- 血栓予防
- 中性脂肪値の低下
- 血液をサラサラにし、血圧を下げる
- 抗炎症作用により皮膚などのトラブル対策
- 神経伝達をスムーズにする
といった様々な健康効果が期待できます。
グルコマンナンによるダイエット効果
チアシードは水に浸すと膨らみジェル状の膜を作りますが、これは水溶性食物繊維グルコマンナンによるもの。
膨らんだグルコマンナンは消化に時間がかかるので、お腹が減るスピードもゆるやかになります。
またグルコマンナンには腸内環境を整える作用も持っているため、満腹感が長く続く効果と便の排出を促す効果により、ダイエットに向いた食材であると言えます。
このほか、グルコマンナンには食後血糖値を低下させ糖尿病を予防する効果も期待されます。
換毛期の猫にもおすすめ
換毛期の猫は毛を飲み、それが消化器の中で固まってしまいヘアボールになることがあります。
グルコマンナンはヘアボールを巻き込みながら便とともに排出しやすくしてくれるので、換毛期に取り入れると効果を発揮してくれるかも知れません。
普段の食事に取り入れやすい
チアシードはほぼ無味無臭かつゴマ程のサイズで給餌料の調節も簡単なので、犬猫の食事にトッピングなどで取り入れやすい食材です。
リノレン酸やグルコマンナンをはじめとした様々な栄養素の効果を、手軽にフードにプラスできます。
チアシードを犬猫に与える時の注意点
水で戻してから食べさせる
チアシードは水に数分間漬けて戻してから犬猫に食べさせましょう。
乾燥状態のチアシードは水分を吸収する性質があるので、体内で胃や腸の水分を吸って消化などになんらかの悪影響を及ぼす可能性が考えられます。
加熱する時の注意点
チアシードに含まれるαリノレン酸は酸化しやすく熱に弱いですが、種に包まれていればあまり大きな影響を受けず多少の加熱処理は大丈夫だと言われています。
種をすり潰してから加熱することは避けるようにしましょう。
過剰に与えない
チアシードを犬猫に食べさせる時は適量を守りましょう。
水で戻した時8~14倍になりますので戻す前の量で計算して過剰摂取とならないように気を付けましょう。
様々な栄養を持っているとはいえ全ての栄養を賄うことは出来ず、これだけでお腹いっぱいになると栄養が偏ってしまいます。
また水溶性食物繊維が含まれるチアシードを過剰に摂取すると、下痢や軟便を起こしてしまう可能性も高まります。
発芽毒は大丈夫?
インターネット上で「チアシードには犬猫に危険な発芽毒があり、水に12時間浸すと無毒化できる」という話がありますが、これは正確とは言えない情報です。
確かにチアシードには発芽毒と言われる植物ホルモン「アブジジン酸」が含まれていますが、人間の場合1300gほどチアシードを摂取しないと影響はないそうです。
犬猫は人間より身体が小さいとはいえ人間の影響する量から考えると、適量をほんの少し摂取しただけで発芽毒の影響が出るとは考えづらいです。
また水に長時間浸すと無毒化できるという話も根拠が確認できませんでした。
参考
内閣府 食品安全委員会:米国環境保護庁(EPA)、植物調節剤、S-アブシジン酸の残留基準値設定免除に関する規則改定
株式会社ファイン:「ファインスーパーフード チアシード」の発芽毒に関する見解
犬猫へのチアシードの与え方・適量
乾燥状態のものを水に数分浸して戻してから与えましょう。
摂取量目安は乾燥状態で
- 体重6kg以下:1g
- 体重12kg前後:2g
- 体重20kg前後:4g
となっています。
非常に少ないように感じますが、チアシードは戻し率8~14倍なので実際に口にするときはもっと量が増えています。
この量はあくまで目安ですので、実際に与える時は愛犬愛猫に合わせて調整してください。
水で戻した状態のチアシードをフードやヨーグルトにトッピングしてあげると犬猫も食べやすくなります。
【まとめ】
犬猫はチアシードを食べても大丈夫!
「スーパーフードの代表」とも言われており、オメガ3脂肪酸であるαリノレン酸や水溶性食物繊維のグルコマンナンをはじめとした様々な栄養素を含み、血圧のコントロール効果や、血糖値を抑える作用、腸内環境を改善といった健康効果に期待が持てます。
- 水で戻してから食べさせる
- 加熱するときはすり潰さない
- 過剰に摂取させない
といった部分に注意し、愛犬愛猫への手作りごはんやトッピングに取り入れてみてはいかがでしょうか?