犬猫にコーヒーは絶対に飲ませてはダメ!カフェオレも同様。危険性や致死量について解説

良い香りとで苦みが楽しめ、私達に身近な飲み物コーヒー。

美味しいことに加え、飲むとリラックス作用や脳の覚醒効果もあるので毎日常飲している方も多いですよね。

犬猫にコーヒーは絶対にNG!

よく聞く話なのでご存じの飼い主さんも多いと思いますが、コーヒーに含まれる「カフェイン」が犬猫に危険なので絶対に飲ませてはいけません。

玉ねぎやチョコレートと肩を並べるほど危険な存在で、場合によっては命の危険もあります。

本記事では、

  • コーヒーのカフェインはなぜ犬猫に危険なのか
  • 犬猫がカフェインを摂取することで考えられる症状や危険な量
  • 誤飲が発生した時の対応方法

といった内容をお話していきます。

カフェオレやコーヒー豆は大丈夫?

どちらもカフェインが含まれているので危険です。

詳細は後ほどお話します。

犬猫にコーヒーのカフェインが危険な理由

カフェインが犬猫には働きすぎてしまうことが危険な理由です。

人間がコーヒーなどからカフェインを摂取した場合、適量であれば中枢神経や自律神経に働きかけ「脳の覚醒」や「集中力の上昇」、「リラックス効果」などの良い作用をもたらしてくれます。

しかし、過剰摂取となるとカフェインの作用が効き過ぎてしまいカフェイン中毒となり、体は様々な異常をきたしてしまいます。

犬猫は人間より体が小さいので少量でもカフェインの作用が強く働き、中毒になりやすいのです。

犬猫がカフェイン飲料を摂取することで考えられる症状

症状が現れはじめるまでの時間

犬猫の個体による差はありますが、カフェインを摂取してから1~2時間程度が症状の現れはじめる目安です。

初期症状

  • 興奮状態になり呼吸が速くなる
  • ふらつき
  • よだれが多くなる
  • 喉の渇き

中期症状

  • 下痢・嘔吐
  • 元気がなくなる

重篤な症状

  • 痙攣を起こす
  • 不整脈
  • 呼吸困難
  • 筋肉の硬直

症状がひどくなると命の危険も考えられます。

犬猫に危険なカフェイン量の目安

  • 中毒症状を起こす量:体重1kgあたり約20mg
  • 致死量:体重1kgあたり100~200mg

ただし、こちらの量はあくまで目安です。

犬猫の種類・年齢・体質・健康状態など様々な要因によって、少ない量で異常が現れる可能性があります

コーヒーに含まれるカフェイン量

コーヒーなどの飲料100mlあたりのカフェイン含有量

カフェイン量浸出条件
レギュラーコーヒー60mg粉末10gを熱湯150mlで浸出
インスタントコーヒー60mgインスタント2gを熱湯140gに溶解
紅茶30mg紅茶5gを熱湯360mlで1.5~4分浸出
煎茶20mg茶10gを熱湯430mlで1分浸出
ウーロン茶20mg茶15gを熱湯650mlで30秒浸出

参考:八訂 日本食品標準成分表

一般的なコーヒーカップ1杯は120ml~150mlで、カフェイン量は72g~90g程度。

体重3kgの犬猫が中毒症状を起こす目安は約60mgなので、カップ1杯分弱程度のコーヒーでその量に達します。

カップ1杯飲むような事態はなかなか起きないとは思いますが、目安量に達していなくても中毒症状を起こすことはあるので、少量の誤飲さえも起きないようにしましょう。

また、一口にコーヒーと言っても種類によってカフェイン量には違いがあり、エスプレッソは100mgあたり約212mgもカフェインを含んでいます。

一部メーカーからはカフェイン増量を売りにしたコーヒーも販売されていますので注意しましょう。

「デカフェ」「カフェインレス」も犬猫には危険

  • カフェオレ:コーヒーにミルクを加えたものです。薄まっているもののカフェインが含まれているので危険です。
  • カフェラテ:エスプレッソにミルクを加えたものなので、カフェオレよりカフェイン含有量が高くなっています。
  • デカフェ:本来カフェインのあるものからカフェインを取り除いたもの。カフェイン含有量はかなり減っているものの、0ではないので注意が必要です。
  • カフェインレス:「カフェインを90%以上除去したコーヒー」を指します。こちらもデカフェ同様に注意が必要です。
  • ノンカフェイン:カフェインを一切含まない飲料です。犬猫にも飲ませることができますが、砂糖など他によくない成分が入っていないか?濃さは犬猫に飲みやすいか?と言ったことは配慮してください。

コーヒーやお茶以外のカフェインが含まれる飲料にも注意を

その他ココア、コーラ、エナジードリンクなど、コーヒーやお茶以外にもカフェインは含まれています。

眠気覚ましドリンクや栄養ドリンクは特にカフェイン量が多く、製品によっては100mlあたり300mgもカフェインが含まれるものもあります。

誤飲が発生した時の対応方法

状況が分かるようにメモを取る

  • どの程度の量誤飲したのか
  • 誤飲したのはいつ頃か
  • 飲んだ飲料の種類は
  • 犬猫の様子は

と言ったことをメモすると状況の把握に繋がりますし、病院へ連絡した時の伝達がスムーズになります。

明らかに大量に飲んでしまった、今現在とても苦しそうだという時は状況のメモより病院への連絡を優先しましょう。

動物病院へ連絡する

動物病院へ連絡し状況を伝え、家で様子を見るべきなのか、すぐに病院へ連れていくべきなのかなど指示を仰ぎましょう。

自宅で吐かせてはいけない

犬猫が危険物を口にしたときは塩やオキシドールを使い吐かせましょうという話を一部で見かけますが、絶対に行わないでください。

一般家庭の判断で無理に犬猫を吐かせることは大変危険です。

コーヒー豆やコーヒーかすも危険

一般的なコーヒー豆に含まれるカフェイン量は6粒で約1g。少量ならカフェイン量も少ないとは言え誤食は避けるべきです。

「コーヒーかす」にもカフェインは含まれています。

除草や害虫駆除の目的で庭にまく活用方法もありますが、それを行う場合は犬猫を庭に出さないなど誤食が起きないための対応をしてください。

【まとめ】犬猫にはコーヒーは絶対にNG!

犬猫にコーヒーは絶対に飲ませてはいけません。

コーヒーに含まれるカフェインが犬猫に重い中毒症状を引き起こす可能性があります。

重篤な場合は痙攣や呼吸困難といった症状が現れ、死に至ることも考えられます。

犬猫に危険なカフェインの量は、

  • 中毒症状を起こす量:体重1kgあたり約20mg
  • 致死量:体重1kgあたり100~200mg

こちらが目安となっていますが、個体差によりこれより少ない量で危険となるケースは無いと言い切れません。

少しの誤飲も起こさないように注意してください。

カフェオレやコーヒー豆などにもカフェインが含まれるので犬猫には危険です。

万が一誤飲が起きてしまった場合は、状況のメモを取り動物病院へ連絡しましょう。

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鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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