犬猫はフェンネルを食べても大丈夫!
フェンネルとは、古代ギリシャ・ローマ時代から食用や薬用に利用されてきたハーブで、和名のウイキョウと呼ばれることもあります。
甘い香りが特徴で葉・茎・花・種子と全草利用できるフェンネルは、犬猫が食べても大丈夫な食材です。
魚料理やサラダ、ピクルスにスパイスとして活用され、日本ではあまり一般的な食材ではありませんが、昨今ではスーパーで並ぶことも増え、家庭菜園で楽しまれる方も増えてきています。
フェンネルを与えるメリットや注意点について解説します。
犬猫にフェンネルを与えるメリット
フェンネルはセリ科の植物で、食物繊維やビタミンが豊富に含まれています。
また、古代から薬草として活用されてきた効能などがあります。
フェンネルに含まれるポリフェノール
フェンネルにはポリフェノールの一種であるケルセチンやルチンが含まれています。
ケルセチンはタマネギなどの野菜に多く含まれることで知られていますが、フェンネルはセリ科ウイキョウ属の野菜なのでタマネギのような犬猫に対する中毒成分は含まれていません。
このケルセチンは血液をサラサラにする効果や、コレステロール値を下げる効果などが期待されています。
また、抗炎症作用を持つことから関節の痛みを和らげる効果も。
ルチンには血管強化作用が期待され、フェンネルに豊富に含まれているビタミンCとの相乗効果で毛細血管を強化する効果にも期待されています。
胃の健康維持や抗炎症効果に期待
フェンネルにはアネトールという精油成分が含まれており、消化促進効果が期待されています。
アネトールの効果で消化のサポートがされることで、胃腸に溜まったガスの排出や、消化不良・便秘の解消にも役立ちます。
またフェンネルの精油成分には抗炎症効果が期待されており、古くから咳止めの薬として使用されているほどです。
整腸効果効果に期待
フェンネルは古代からダイエット効果で注目されていた野菜です。
フェンネルの利尿作用や発汗作用、更に豊富に含まれる水分や食物繊維による整腸効果から、便秘解消が期待されています。
これらのことから、体の中の老廃物の排出に役立ち、ダイエット効果があると注目されてきたようです。
ダイエット効果については人に関する報告であるため、犬猫に対してどの程度の効果があるのか明確ではありませんが、水分や食物繊維が摂取できるフェンネルによる整腸効果は犬猫にも期待できるでしょう。
フェンネルを与える際の注意点
食べ過ぎはNG!
犬猫はフェンネルを食べても大丈夫ですが、食物繊維も豊富なフェンネルを食べ過ぎれば、お腹を冷やしたり消化不良を起こし下痢や嘔吐を伴う体調不良を引き起こす原因となります。
フェンネルは、葉、茎、種全てにおいて犬猫にとって危険な成分は含まれていないといわれていますが、どちらも少量を時々食べる程度であれば安全であると覚えておきましょう。
またまれにではありますがセリ科の植物にアレルギー症状を起こす犬猫もいますので、初めて与える場合にはごく少量に留め、食後の様子に異変がないか観察しましょう。
異変がある場合には動物病院へ相談することをおすすめします。
妊娠中の犬猫へ与えるのは控えましょう
フェンネルには授乳期に摂取すると母乳の出を良くすることで知られていて産後の犬猫に与えるメリットは考えられますが、妊娠中の犬猫に対しては注意が必要です。
それはフェンネルが子宮を刺激する可能性があるといわれているからです。
現時点では妊娠中に摂取してはいけないという明確な研究報告はなく、精油成分に女性ホルモンの一種であるエストロゲンの作用に似た成分が含まれているからではないかととのことですが、妊娠中のトラブルに繋がる危険の可能性がある以上は避けた方が安全でしょう。
フェンネルオイルで起こる皮膚炎
フェンネルは犬猫が食べても大丈夫なハーブですが、フェンネルオイルは別です。
フェンネルオイルは皮膚に対して刺激が強い事でしられており、犬猫の皮膚に付着すると痛みを伴う皮膚炎を引き起こす可能性があります。
また、精油は一滴のオイルを抽出するのに大量の原料を使います。
フェンネルの濃縮バージョンともいえるフェンネルオイルを少しでも舐めたり吸引することで、健康被害を起こす可能性も十分にあります。
犬猫がフェンネルを食べても大丈夫だからといって、フェンネルを使用した精油やアロマオイルを犬猫の手が届く、口にできる状況で使用や保管することは大変危険ですので十分に注意しましょう。
参考:アロマテラピー・マッサージは、何らかの望ましくない有害事象を引き起こすか?
まとめ
フェンネルは犬猫が食べても大丈夫なハーブです。
フェンネルは豊富に含まれるビタミンや食物繊維、古くから薬草として親しまれ消化促進や抗炎症効果が期待されています。
ただしフェンネルから抽出される精油のフェンネルオイルは、皮膚への刺激が強いことで知られ、犬猫の皮膚に付着した場合、痛みを伴う皮膚炎を起こす可能性があります。
フェンネルが含まれる精油やアロマオイルの取り扱い、保管には十分に気をつけましょう。
参考:食材大全(NHK出版)