カワハギはおちょぼ口が特徴的な海水魚です。
漁獲量が少ないので、名前は聞いたことがあるけど食べたことがないという方も多いと思います。
シンプルに刺身でそのまま食べても美味しいですし、鍋や唐揚げ、煮付けなど魚らしい調理方法がどれも適しています。
犬猫はカワハギを食べても大丈夫!
カワハギに毒性の成分は含まれていません。
カワハギを使った犬猫用のおやつも一部のメーカーから販売されています。
本記事では、
- ふぐと似ている?カワハギについて
- カワハギを犬猫に食べさせるメリットや注意点
- 犬猫用のカワハギを使った手作りフードのレシピ
などについてをお話していきます。
肝は犬猫に食べさせて大丈夫?
カワハギの肝も犬猫に食べさせることができます。
「海のフォアグラ」とも呼ばれており、濃厚な味わいと豊富な栄養を兼ね備えています。
食べさせる時の注意点などは後ほどお話します。
ふぐと似ている?カワハギってどんな魚?
カワハギは、フグ目カワハギ科カワハギ属の海水魚です。
全長は30cmほどで、菱形で平べったい特徴的な見た目をしています。
おちょぼ口でとぼけた印象を受けますが、口の中には頑丈な歯が付いていて、貝などの硬いエサを噛み砕いてしまいます。
フグ目であり、身が白身で脂肪が少なく、歯ごたえがあるところがふぐに似ています。
目をつぶって両方の身を食べたら違いがわからないと感じる人も居るほどです。
しかし、ふぐとは違い毒を持っていないので比較的安心して食べることができます。
名前の由来
カワハギの名前は、「皮を簡単に剥ぐことができる」点に由来しています。
皮自体は硬くて丈夫なのですが、
- ツノとひれと口先を包丁で落とす
- 口先の切り口から、皮を尾びれに向けて引っ張る
こうすると簡単にスルスルと皮を剥ぐことができます。
肝を傷つけず、見た目にも美しく処理が可能です。
カワハギの主な栄養素表
カワハギととらふぐ、生・100gあたりに含まれる主な栄養素
カワハギ | とらふぐ | |
---|---|---|
エネルギー | 77kcal | 80kcal |
たんぱく質 | 16.3g | 15.9g |
脂質 | 0.3g | 0.2g |
カリウム | 380mg | 430mg |
リン | 240㎍ | 250㎍ |
セレン | 35㎍ | - |
ビタミンD | 43.0㎍ | 4.0㎍ |
ナイアシン | 6.6mg | 9.6mg |
ビタミンB6 | 0.45mg | 0.45mg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
カワハギとふぐの主な栄養素を比較すると、どちらも低脂質低カロリーで高たんぱくで、その他の栄養素も似通っていることがわかりますね。
ビタミンDに関してはカワハギの方が圧倒的に優れており、食品全体で見てもかなり上位に位置する量です。
カワハギの栄養素は犬猫にもたらすメリット
カワハギに含まれる主な栄養素と、考えられる健康効果を簡単にまとめます。
- たんぱく質:筋肉や内臓など体作り全般に関わる必須栄養素です。カワハギは脂質とカロリーも低いのでダイエット中の食事にも適しています。
- カリウム:過剰な塩分を排出するので、高血圧予防に繋がります。
- リン:カルシウムと同じく、丈夫な骨や歯を作るの欠かせないミネラルです。さらに、糖質・脂質・たんぱく質の代謝も促します。
- セレン:活性酸素を分解し体を酸化から守ります。がんを始め様々な難病予防が期待され研究が進んでいる栄養素でもあります。
- ビタミンD:カワハギが特に多く持つ栄養素です。カルシウムとリンの吸収を促すので丈夫な骨作りに欠かせない栄養素です。
- ナイアシン:糖質・脂質の代謝を促進する補酵素として機能します。さらに、皮膚や粘膜の保護や脳神経の働きをサポートする効果もあります。
- ビタミンB6:たんぱく質の精製や分解に不可欠な栄養素です。また、脂肪肝の予防にも役立ちます。
カワハギは低脂質・低カロリーでダイエット中や肥満予防の食材として適した食材です。
たんぱく質やビタミンDにより体作りにも効果的です。
肝にはビタミンB群が豊富で、疲労の回復・代謝の促進・目の健康保持などの効果に期待できます。
犬猫にカワハギを食べさせる時の注意点
肝は美味で栄養豊富だけど食べ過ぎと生食に注意!
冒頭で述べたように、カワハギの肝は「海のフォアグラ」とも呼ばれ、濃厚な味わいを楽しめ栄養豊富です。
しかし脂肪が蓄えられた結果そのようになっているので、当然脂質の高い部位です。食べ過ぎは肥満や脂質過剰による嘔吐に繋がります。
また、肝にはアニサキスが潜んでいる可能性があります。
生きているアニサキスを犬猫が口にしてしまうと食中毒となり、激しい腹痛などの症状を起こしてしまいます。
犬猫にカワハギの肝を食べさせる時は、加熱したものをほんの少量のみ与えるようにしてください。
必ず食べさせないといけない食材ではありませんので、不安であれば食べさせるのを控えましょう。
骨は小さくて硬い!必ず処理するように
カワハギには小さくて硬い骨が無数に存在します。
私達人間であれば骨を除けながら食べたり、誤って口に入った骨を取り出すことができますが、犬猫は身に骨が残っているとそのまま飲み込んでしまう可能性があります。
体内に入った骨は消化器官を傷つけたり、刺さって取れなくなったりしまうことが考えられます。
こうなるとよだれの増加や嘔吐、口周りを気にするなどの異常が現れることがあり、当然犬猫の体にはよくありません。
カワハギの骨は必ず処理をし、取り除くようにしましょう。
万が一骨を飲み込んでしまった場合はすぐに動物病院へ連絡し、指示を仰ぎましょう。
食物アレルギーに注意
アレルギー面で特に危険という訳ではありませんが、初めて食べさせる時は食物アレルギーの可能性を考慮しましょう。
まずはほんの少しから与え、様子を見るようにしてください。
目や皮膚が赤らんで痒がったり、下痢や嘔吐などの症状が現れてしまった場合はアレルギーの可能性があります。
愛犬・愛猫に食べさせるカワハギを使った手作りレシピ
「カワハギと小松菜の鍋」
材料
- カワハギ
- 小松菜
- しめじ
- まいたけ
- 水
作り方
- カワハギはしっかり処理をし、身のみにします。
- 材料をそれぞれ愛犬愛猫の食べやすいサイズにカットします。
- 鍋にカットした材料を入れ、ひたひたになる程度に水を注ぎます。
- 中火で煮込み、具材全体によく火が通す
- 火を止め、犬猫が食べられる温度まで冷めたら完成
カルシウム豊富な小松菜に、ビタミンDが豊富なカワハギを合わせることで吸収効率を高めたレシピです。
お好みでごはんをプラスしておじやにすることも出来ます。
実際に食べさせる量は愛犬愛猫の体格や状況に併せてください。
【まとめ】犬猫はカワハギを食べても大丈夫!
犬猫はカワハギを食べても大丈夫です。
フグ目の魚であり、味や栄養素はふぐに似ていますが毒は持っていません。
低脂質・低カロリー・高たんぱくな魚で、ダイエット中の食事にも適しています。
このほかビタミンDやカリウムなども豊富に含んでいます。
注意点を3つ紹介します。
- 肝は栄養豊富ですが、必ず加熱しほんの少量のみ食べさせるようにしましょう。
- 骨は小さくて硬いので、処理を行い犬猫が飲み込まないようにしてください。
- 初めて食べさせる時は食物アレルギーに気を付けてください。
簡単に皮を剥ぐことができるカワハギ。
お店で見かけることはあまり多くないとは思いますが、新鮮なものが手に入った時はぜひ愛犬愛猫の食事に取り入れてみてください。