犬猫は黒糖を食べても大丈夫。ただしごく少量に抑えて。体調不良時に与えるケースも

黒糖は主に沖縄や鹿児島で生産されている黒い砂糖のこと。

普通の砂糖よりミネラルなど栄養を豊富に含むので、美容や健康面から注目している方も多くいます。

そのまま食べても美味しい他、クッキーやパンの味付けや、お肉や魚料理の隠し味にと様々な活用方法が考案されています。

犬猫は黒糖を食べても大丈夫!

犬猫が中毒になるような成分は含まれていませんので、少量であれば犬猫に黒糖を与えても大丈夫です。

本記事では

  • 黒糖と砂糖の違い
  • 犬猫は甘い物が好き?
  • 黒糖を積極的に与えるべきではない理由
  • 甘みを代用できる他の食材と愛犬愛猫用おやつのレシピ

などについてお話ししていきます。

黒糖パンや黒糖かりんとうを食べちゃったけど大丈夫?

少しかじった程度であれば大きな心配はありませんが、様子をよく観察し、異常が見られるようであれば動物病院へ連絡してください。

どちらもカロリーの高い食品であり肥満などに繋がることが考えられるので、積極的に与えるようなことは避け誤食には気を付けましょう。

黒糖パンはレーズンの入っている製品もありますが、こちらは大変危険です。

レーズンは犬猫に重い中毒症を引き起こしてしまいます。

レーズン入り黒糖パンの誤食が起きた際は、すぐに動物病院へ連絡を取り指示を仰ぎましょう。

黒糖と白い砂糖の違い

砂糖は「含蜜糖」と「分蜜糖」の2種類に大きくわかれ、黒糖は前者・普通の白砂糖は後者にあたります。

含蜜糖:さとうきびの絞り汁を煮沸濃縮し、そのまま加工せずに冷却して製造したもの。

分蜜糖:さとうきびの絞り汁から糖蜜を分離したもの。

黒糖は白砂糖と見た目が違うほかに、以下のようなメリットがあります。

  • 白砂糖が精製の過程で失うミネラルやビタミンB群を持ち、栄養面で優れている
  • 白砂糖より若干カロリーが低い
  • 黒糖に含まれるオリゴ糖がビフィズス菌を増やし、腸内環境を整える

犬猫は甘いものが好き?

犬は人間ほど味覚が発達していませんが「甘み」は感じることができ、好物な子も多くいます。

猫は「苦み」「酸味」「塩味」しか感じることが出来ず、甘い味には惹かれません。

もし猫が甘いものに興味を示すとしたら、その食品の発する「香り」に惹かれている可能性が高いです。

黒糖には「甘さ」と「香り」の両方があるため、興味を示し食べたがる犬猫も居るかも知れません。

しかし、犬猫には黒糖を積極的に与えるべきではありません。

犬猫に黒糖を積極的に与えるべきでない理由

肥満や糖尿病に繋がる恐れ

黒糖は100gあたり356kcalと高カロリーなうえ、砂糖なので当然糖類量も88.9gとそのほとんどを占めているので、肥満や糖尿病に繋がる恐れが考えられます。

普段バランスの良い食事をしっかりと食べていればカロリーも糖質量も十分間に合っていますし、黒糖の持つミネラルやビタミンB群も同様に賄われていますので、敢えて黒糖を与える必要性は低いでしょう。

犬猫が糖分を大量に摂取すると下痢や嘔吐を引き起こしてしまうことや、高血圧になってしまう可能性も考えられます。

犬猫の肥満についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

犬猫の肥満について。肥満の目安や影響、予防法について解説

嗜好性が高いため普段のフードを食べなくなってしまう可能性

黒糖はその甘さと香りにより興味を示し食べたがる犬猫も居るかも知れないと既にお話していますが、その嗜好性の高さが他の食事に響くことも考えられます。

犬猫が自分の好みに合うものを食べた際、それを大変気に入り他の食事を拒否するようになる事があるかもしれません。

食事の偏りはエネルギーや栄養の不足を招いてしまいます。

もし与える場合はほんの少量に抑え、普段からしっかり普通の食事も食べるためのしつけをしましょう。

犬猫に黒糖を与えても良いケース

どちらの方法も実際に行う際は獣医師に相談した上で、慎重に判断してください。

たまのごほうびとして

愛犬愛猫が黒糖を好む場合、ごほうびとして黒糖を与えると犬猫も喜びますし飼い主さんとのコミュニケーションにもなります。

しかしあくまで犬猫の体格や状況に合わせたごく少量のみにし、月1~2回程度と頻度も抑えるようにしましょう。

食欲不振や低血糖の疑いがある時に

病気などで体調が悪く食事を食べてくれないというケースの時に、黒糖をほんの少しだけかけることで食いつきをアップできることがあります。

また、犬猫に低血糖の疑いがある時は、砂糖類を溶かした砂糖水を舐めさせ血糖値を正常に戻すという対処方法もあります。

甘みは他の食材で代用を

愛犬愛猫に甘いものを食べさせてあげたいという時は、砂糖類ではなく食材そのものの持つ甘みを活用する手段もあります。

「かぼちゃ」や「さつまいも」は甘みと良い香りがする上に、様々な栄養を持ち、黒糖ほどカロリ-も高くないので犬猫の食事にも取り入れやすい食材です。

かぼちゃで甘みを味わえる愛犬・愛猫用おやつのレシピ

米粉のかぼちゃクッキー

かぼちゃの甘みで犬猫を喜ばせつつ、ビタミンCやβカロテンを摂取させることができます。

【まとめ】

犬猫は黒糖を食べても大丈夫ですが、頻繁に与えることは避けごく少量にしましょう。

カロリーの高い糖類なので肥満や糖尿病に繋がる恐れがあり、嗜好性の高さから他の食事をあまり食べなくなってしまう可能性も考えられるので、普段から頻繁に与えるべきではありません。

黒糖を与える時は、

  • たまのごほうびとして
  • 食欲不振の時に食いつきをアップさせるために
  • 低血糖の疑いがあるときに砂糖水として

などといった限定的な状況でごく少量のみにしましょう。

食欲不振や低血糖の時に与える際は必ず一度獣医師に相談し、他の方法や実際に行う是非をしっかりと相談してからにしてください。

愛犬愛猫のおやつなどに「甘み」を与えたい時は、「かぼちゃ」や「さつまいも」など素材そのものに甘みがあるものを選びましょう。

参考
沖縄県黒砂糖協同組合「黒糖について」
環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」

鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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