三大だしの一角、昆布
昆布は海で育つ藻、海藻の仲間で、煮干し、鰹節と並び、日本のおだしには欠かせない食材です。
主にだし汁として使われるのは真昆布、羅臼昆布、利尻昆布の三種類。煮昆布や炊き出しご飯など、昆布自体を直接食べるものには日高昆布が使われています。
乾燥昆布はうま味成分であるグルタミン酸とアスパラギン酸が豊富ですが、これらは両方ともアミノ酸で、昆布にとって重要な栄養分です。
今回はそんな昆布について、犬猫が食べても大丈夫なのか、注意点などを解説していきます!
犬猫は昆布を食べても大丈夫!
犬猫は昆布を食べても大丈夫です!ミネラルやヨウ素が豊富な食材です。
昆布の香りは犬猫にも食欲をそそるものとして感じられるようですし、昆布から取れるだし汁も犬猫の食事と健康のサポートとしてぴったりです。
昆布茶、昆布水はいいの?
昆布には犬猫の身体に良くない成分は含まれていないので食べさせて大丈夫ですが、昆布茶は控えた方がいいです。
なぜなら昆布茶には食塩や調味料が加えられているから。梅昆布茶は犬猫に良くない梅も使われていますので特に注意。
昆布水は昆布を数時間水に浸して作るもので、水と昆布以外の成分は含まれていません。ですので昆布水は問題ありません。
塩昆布・昆布のつくだ煮・とろろ昆布は大丈夫?
塩昆布と昆布の佃煮は塩や調味料を加えて作られているので、味付けされた物は食べさせるべきではありません。
とろろ昆布は昆布と同様に少量食べさせる分には問題ありませんが、ものによっては犬猫の身体によくない添加物が加えられていることがあるので、成分表示をよく確認しましょう。
昆布100gあたりの代表的な栄養素
素干し昆布 | 刻み昆布 | |
---|---|---|
グルタミン酸 | 1500mg | 1100mg |
アスパラギン酸 | 1000mg | 660mg |
エネルギー | 170kcal | 119kcal |
食物繊維 | 32.1g | 39.1g |
カルシウム | 780mg | 940mg |
鉄 | 3.2mg | 8.6mg |
ナトリウム | 2600mg | 4300mg |
カリウム | 6100mg | 8200mg |
ヨウ素 | 200000μg | 230000μg |
素干し昆布:まこんぶ 素干し 乾
参考資料:八訂 食品成分表 2022
昆布のもたらす効果・効能
食いつきの良さ
うま味成分であるグルタミン酸とアスパラギン酸が豊富な昆布。
だしの香りはもちろん食欲をそそりますが、昆布自体やそのうま味が溶け出しているだし汁は犬猫にとっても美味しいものです。
普段のフードや他の食材と昆布のだし汁を合わせると愛犬・愛猫の食いつきがアップします。
水溶性食物繊維による腸内環境の改善やコレステロールの低下
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類がありますが、昆布に含まれている食物繊維は水溶性です。
まず食物繊維共通の働きとして、腸内細菌のエサとなり腸内環境を改善したり、ナトリウム・塩素・水の吸収を促進するといった効果があります。
水溶性食物繊維はこれに加え、胃に留まり満腹感を持続、下痢の改善、コレステロールを低下させる効果があります。
ミネラルが体を整え、骨を太くする
昆布にはカルシウム・鉄・ナトリウム・カリウム・ヨウ素などの体を作り整える上で非常に重要なミネラルが大量に含まれています。その含有量はなんと牛乳の約23倍です。
これらは新陳代謝を活発にし、骨を丈夫にします。
ヨウ素による甲状腺ホルモンの働き促進
ヨウ素のほとんどは甲状腺に取り込まれます。そして体の新陳代謝を調節する甲状腺ホルモンの働きを促進します。
犬猫に与える時の注意点
乾燥昆布をそのまま食べさせないように
乾燥昆布は固く鋭利なので、犬猫にそのまま食べさせてしまうと口の中や喉、消化器官を傷つける可能性があります。
また、食べさせた量は少なく思えてもお腹の中で何倍にも膨らんでしまい、消化不良を起こす可能性も。
食べさせる時は少量を細かく刻んで
昆布を直接食べさせる時は、水で戻したものを細かく刻んであげましょう。
細かく刻むことで犬猫が食べやすく、消化しやすくなります。
甲状腺や腎機能への影響
昆布にはナトリウム・カリウム・ヨウ素といった体に良いミネラルが大量に含まれていますが、摂取のしすぎはよくありません。
ミネラルを過剰摂取すると腎臓病や尿路結石の原因になってしまいますので与えすぎには注意が必要です。
またヨウ素は甲状腺の働きを助けますが、摂取のし過ぎは甲状腺機能を低下させたり中毒症を引き起こしてしまいます。
甲状腺機能低下症や腎臓病を抱える犬猫に昆布を与えるのは控えましょう。
昆布の適した与え方
昆布を直接食べさせる場合は、
- 乾燥昆布を与えず水に戻す
- 細かく刻んだり粉末状にしたものをおやつやトッピングとして
- 食べさせる時は食事全体の10%以下の量を数日おきに
といった点に注意しましょう。
昆布だしも食欲を刺激するので、
普段のフードにかけたり、犬猫があまり好まない野菜をだしで煮込むことで食いつきを良くする効果が期待できます。
鰹節と昆布の合わせだし
当サイト掲載のレシピを紹介させていただきます。
鰹節と合わせることで昆布の持つヨウ素の摂取量を抑えつつうまみを倍増させた出汁になっています。
犬から昆布の匂いがする…?
余談ですが複数の犬の飼い主さんから、ウチの子のおでこや足の裏から昆布や磯の香りがするという話をお聞きすることがあります。
これは人知れず昆布に触れているから…ではなく、犬の汗による体臭が昆布の香りに似ているのです。
犬からなんだか昆布みたいな匂いはするな~という時は汗が皮脂と混ざり雑菌が繁殖しているかもしれません。
月に1度程度のシャンプーで身体を綺麗にしてあげましょう。
【まとめ】
昆布は犬猫に食べさせても大丈夫です!
昆布自体を食べさせても、昆布のだしを飲ませてもどちらでも大丈夫です。
風味と味で食欲を刺激するだけでなく、ミネラルやヨウ素が新陳代謝を活発にします。
ただし
- 乾燥昆布は固いのでそのまま食べさせない
- 細かく刻んで食べやすく消化しやすい状態にし、少量にする
- 昆布茶・塩昆布・昆布の佃煮など塩分が含まれるものは食べさせてはいけない
- 甲状腺や腎機能に問題のある犬猫には与えない
このような注意点があります。
今回は昆布について紹介・解説致しました。
昆布だしは手作りフードで重宝するのでぜひ作ってみてください。