犬猫はラムを食べても大丈夫?骨は?アレルギーが起こらない肉?栄養や注意点を解説

犬猫に羊肉(ラム肉、マトン肉)を与えても大丈夫

ジンギスカンでおなじみの羊肉は犬猫が食べても大丈夫。

最近ではスーパーでもラム肉、ラムチョップを見かけるようになり家庭でも気軽に調理して食べる事ができるようになりました。

ラム肉は羊肉の中でも生後1年未満の子羊の肉を指し、これを過ぎたものをマトン肉と呼びます。

良質なたんぱく質や、ビタミンB群、カルチニンを豊富に含み、その脂は融点(脂が溶け始める温度)が高く体に吸収されにくいので、犬猫に与えるのに有益な食材。

最近ではその栄養価の高さに注目が集まり、ラム肉を使ったペットフードや、犬猫のための手作りごはんを多く見かけます。

この記事では羊肉(ラム肉、マトン肉)の栄養や与える際の注意点を解説します。

ラム肉の栄養

たんぱく質

たんぱく質は三大栄養素(ほか2つは脂質、糖質)のひとつで、血液や筋肉、内臓、皮膚などの体の土台となる主要な成分

牛肉、豚肉、鶏肉と同様に羊肉(ラム肉、マトン肉)にも豊富に含まれています。

生命の維持に欠かせない酵素や、消化器官、脳神経の機能を調整するホルモン、免疫抗体を作るなど重要な働きをしています。

カルチニン

体内の脂肪を燃焼させ、エネルギーに換えることができる成分です。

このカルチニンはラム肉よりマトン肉の方が多く含まれており、その含有量はマトン肉はラム肉の倍以上といわれています。

羊肉の含有量は牛肉の約3倍、豚肉の約9倍ともいわれており、ダイエットに効果的な食材として注目を集めるほか、脳の機能を高める効果などアンチエイジング効果も期待されています。

非必須アミノ酸(体内で合成されるアミノ酸)ですが、年齢と共に分泌量が減ってきますので、カルチニンが含まれる食材を食べて摂取する事は有効的であると考えます。

羊肉(ラム肉、マトン肉)は鉄分を多く含み、含有量は牛肉や豚肉と比べて倍以上といわれています。

鉄は赤血球中のヘモグロビンに結合し、全身に酸素の供給を行い、体内の老化を促進したり正常細胞を傷つける過剰な活性酸素を分解する働きを持ちます。

ビタミンB12

羊肉(ラム肉、マトン肉)に含まれているビタミンB12は水に溶けやすい水溶性ビタミンで、悪性の貧血に有効なビタミンとして知られており、葉酸と協力して赤血球中のヘモグロビン生成を助けています。

また、脳から指令を伝える神経を正常に保つ役割もあり、認知症の人の脳にはビタミンB12が少ないことが報告されています。

野菜にはほぼ含まれず、貝類、魚、肉など動物性食品に多く含まれていますが、こちらも牛肉や豚肉に比べて羊肉(ラム肉、マトン肉)の方が含有量が多くなっています。

ビタミンB1、B2

B1とB2は疲労回復、被毛、爪、皮膚などの健康を保つ効果があります。

また、脳の働きを活発にする効果も認められており、代謝を促す作用もあるため肥満防止にもつながります。

羊肉(ラム肉、マトン肉)がダイエットに向いているといわれる理由のひとつになるビタミンです。

ビタミンE

羊肉(ラム肉、マトン肉)には強い抗酸化作用を持つビタミンEが100gあたり0.4~0.6mg程度含まれています。

ビタミンEは『若返りのビタミン』とも呼ばれ、強い抗酸化作用を持つ脂溶性のビタミンです。

体内の脂質の酸化を防ぎ、動脈硬化や血栓の予防、血圧の低下、悪玉コレステロールの減少などの働きがあります。

羊肉(ラム肉、マトン肉)を与えるメリット

吸収されにくい脂肪、脂肪燃焼効果があるカルチニン

肉には脂肪分が含まれていますが、種類によって消化吸収されるときの温度が異なります。

その脂脂が溶け始める温度を融点といい、羊肉(ラム肉、マトン肉)の融点は44℃程度、牛肉の融点は約40℃、豚肉は約28℃、鶏肉は約30℃であるといわれています。

融点が40℃以上である羊肉(ラム肉、マトン肉)は他の肉より体に脂肪が吸収されにくいと考えられます。

さらに羊肉(ラム肉、マトン肉)には体内の脂肪を燃焼させ、エネルギーに換えることができる成分であるカルチニンが豊富に含まれています。

この効果で犬猫の体内の余分な脂肪の燃焼促進が期待されます。

また、ビタミンB1、B2にも代謝を促し肥満を防止する効果が期待されます。

また、羊肉(ラム肉、マトン肉)には不飽和脂肪酸も多く含まれているため、酸悪玉コレステロールを減らす効果も期待できます。

疲労回復

羊肉(ラム肉、マトン肉)に含まれるビタミンB群は疲労回復効果が期待でき、豊富に含まれるカルチニンも脂肪燃焼効果だけでなく疲労回復効果に期待される成分です。

散歩などの運動後や、長時間のお出かけの後など愛犬愛猫が疲れていると感じたときに与えると効果的でしょう。

抗酸化作用でアンチエイジング

羊肉(ラム肉、マトン肉)にはビタミンも豊富に含まれています。

中でもビタミンEは若返りのビタミンと呼ばれるほど強い抗酸化作用が期待されます。

鉄が酸化して茶色く錆びたりリンゴが酸化して茶色く変色するように、人間や動物の体も酸化しますが『抗酸化』とは、体の酸化を抑えるという作用です。

人も犬猫も健康を保つにはエイジングケアに有効な抗酸化は欠かせません。

羊肉(ラム肉、マトン肉)はアレルギーを起こさない肉?

最近まで羊肉(ラム肉、マトン肉)は牛肉、豚肉、鶏肉のように全国流通するほど一般的に食される肉ではありませんでした。

このため総合栄養食のドッグフードや手作り食で犬猫に与えられる機会は少なく、犬猫の体内で抗体ができていないことからアレルゲンになりにくいと考えられてきました

しかし、昨今ではその栄養素やダイエットに向いているなどの健康的メリットが注目され、総合栄養食のペットフードや犬猫の手作り食で利用する方も増えてきました。

そのため犬猫が日常的に食べる機会も増え、犬猫の体内に抗体ができて小麦や鶏卵、鶏肉や牛肉同様に犬猫のアレルゲンになりやすいともいわれてきています。

アレルギー対策のドックフードの主原料として使用されていることも多い羊肉(ラム肉、マトン肉)ですが、前述の通りアレルギーを起こさない肉とは一概に言えなくなってきています

アレルギー症状は生まれつきでなくても急に発症することがありますので、どの食材でもいえることですが初めて与える際には少量から始め、食後の様子をしっかりと観察してください。

今までは大丈夫だったとしても、犬猫が耳や目を痒がるなどした場合アレルギーを発症している可能性があります。

ほかにも下痢や嘔吐など消化器症状などの異常がみられたらかかりつけの動物病院へ相談し、獣医師の指示に従いましょう。

与える際の注意点

犬にラムチョップなどの骨は与えても大丈夫?

近年、羊肉(ラム肉、マトン肉)は身近な食材となり、薄切りの肉だけではなく骨付きのラムチョップで食べる機会も増えています。

カロリーなどを考えて、肉はたくさんあげられないけど骨は与えても大丈夫かな?と考える方も多いのではないでしょうか。

永久歯に生え変わって1年以上経った成犬に、きちんとかみ砕いていることを確認できる場合であれば与えても大丈夫といわれています。

しかし、荒くかみ砕いたものを丸飲みしてしまうと喉に詰まらせたり腸閉塞などの危険性もないとは言い切れません。

また、永久歯に生え替わってから1年以内の場合にはまだ歯が弱く、欠けたりしやすいので与えるのは厳禁です。

人が食べ終わった後のものを与えたくなりますが、中毒症状を起こす食材を使った調味料や玉ねぎ、ワイン、ニンニクなどと一緒に調理したものは与えてはいけません。

シンプルな塩味程度で調理したものであれば大丈夫ですが、食べ終わった骨をお湯にさらすなどして塩分を抜いてから与えるとより安全でしょう。

与えすぎは肥満の原因に

様々な肉と比べてヘルシーとされていますが、食材単体で見ると決して低カロリーとはいえません。

カルチニンの効果からダイエット効果が期待されますが、必要以上に食べればカロリーオーバーとなり肥満の原因となります。

また、一度に与えすぎると消化不良を起こし、下痢や嘔吐を引き起こす可能性もあります。

総合栄養食であるドッグフードをしっかり食べている場合は、トッピングやおやつ程度に与えるのが良いでしょう。

加熱してから与えましょう

羊肉(ラム肉、マトン肉)は肉類の中で寄生虫や細菌の数が少ないといわれており、新鮮なラム肉であれば生で与えることも可能といわれています。

しかし、スーパーでは冷凍されたものや解凍品も多く並び、生で与えられるほど新鮮な羊肉(ラム肉、マトン肉)を購入できるのは珍しいと考えます。

流通も増えているので新鮮な羊肉(ラム肉、マトン肉)を購入できる場合もありますが、生である以上細菌や寄生虫が絶対にいないとは断言できません

安全面を考慮して、加熱調理を行ってから与えることをおすすめします。

丸飲み予防に小さめに切って与えましょう

羊肉(ラム肉、マトン肉)の嗜好性から早食いや丸飲みをしてしまう可能性が非常に高いので、のどに詰まらせる危険性を回避するために小さめに切ってから与えるようにしてください。

特に小型犬や猫はその体格の小ささから食道も細くなります。

肉の塊を丸のみして喉に詰まらせるリスクも上がりますので、個体差に合わせてしっかり刻んだものを食べさせてあげましょう。

おすすめレシピ

ラム肉ミネストローネ

フライパンに少量のオリーブオイル(数滴で十分)を入れ、食べやすい大きさに切ったラム肉を炒めます。

ラム肉の色が変わったら細かく切った野菜を追加し、野菜に油がまわり少し火が通ったらお水を入れ沸騰させます。

ブロッコリーとトマトを加え、すべての野菜が柔らかくなったら完成です。※人用にはコンソメなどで調味してください。

ラム肉に緑黄色野菜を合せた栄養満点のスープはたくさんの野菜で食べ応えもあり、ラム肉の脂肪燃焼効果も期待できるのでダイエット中の犬猫におすすめのスープです。

ラム肉の羊飼い風炒め

フライパンに少量のオリーブオイル(数滴で十分)を入れ、小さめに切ったラム肉とパプリカを炒めます。

火が通ったら刻んだトマトを入れ、ある程度水分が飛ぶまで炒め合わせて完成です。

ラム肉の鉄分、たんぱく質にトマトのビタミンCは貧血予防に効果抜群の組み合わせ。

犬猫とシェアできるように玉ねぎや調味料は避けましたが、人が食べる分にはハーブソルトをかけるとおいしくいただけます。

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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