スーパーフードとしてテレビなどで紹介され、近年スーパーなどでも販売されるようになったアマニ油。
健康に良い油として、名前だけでも聞いたことがある方も多いんじゃないでしょうか。
人間に対して様々な良い効果があるアマニ油ですが、犬猫は食べても大丈夫なのでしょうか。
犬や猫はアマニ油を食べても大丈夫!
犬や猫はアマニ油を食べても大丈夫です。犬猫にとっても良い効果があります。
今回は犬猫がアマニ油を食べることによって得られる効果や、アマニ油を与える際の注意点について解説していきます。
アマニ油を食べることによって得られる効果とは?
アマニ油には「オメガ3脂肪酸」が豊富に含まれています。
脂肪酸とは?
脂肪酸とは三大栄養素の1つ「脂質」を構成している主成分で、構造の違いにより「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分類されます。
脂肪酸を構成する炭素と炭素の間に二重結合が1つもないものを飽和脂肪酸、二重結合があるものを不飽和脂肪酸といいます。
さらに不飽和脂肪酸は二重結合が1つのものを「一価不飽和脂肪酸」、2つ以上あるものを「多価不飽和脂肪酸」といいます。
さらに多価不飽和脂肪酸の中でも構造上3つ目の炭素に二重結合があるものを「オメガ3脂肪酸」、6つ目の炭素に二重結合があるものを「オメガ6脂肪酸」といいます。
とても難しい話ですが図にすると以下のようになっています。
このうちオメガ3脂肪酸に分類されるのはDHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)・α-リノレン酸の3つでアマニ油にはα-リノレン酸が豊富に含まれています。
α-リノレン酸は犬猫や人間が生きていく上で欠かせない脂肪酸ですが、体内で生成することが出来ないため食物から摂取する必要がある「必須脂肪酸」に分類されています。
DHAやEPAは重要ではない?
オメガ3脂肪酸のうち必須脂肪酸はα-リノレン酸だけですが、DHAやEPAもからだにとって大切な脂肪酸です。
α-リノレン酸は体内でDHAやEPAに変換され働きます。
そのためα-リノレン酸を摂取することによってDHAやEPAは生成することが可能なので必須脂肪酸には分類されていないというだけで決してDHAやEPAが必要ないというわけではありません。
オメガ3脂肪酸の効果
犬猫がオメガ3脂肪酸を摂取することによって得られる効果は以下のようなものがあります。
- 皮膚や被毛の健康維持
- 脳細胞の活性化
- 炎症の抑制
- 血液をサラサラにする
- 脂質代謝の改善
- 腸の働きを助ける
- ガン予防
このようにたくさんのメリットがあります。
オメガ3脂肪酸の効果はまだ研究が進められているところでこれから更に多くの効果が発見されるかもしれません。
便秘に効果あり?
アマニ油やオリーブオイルなどは「自然の便秘薬」と呼ばれることもあり、便通を良くする効果が期待できます。
愛犬・愛猫が便秘の場合には獣医師と相談し、アマニ油を食事に取り入れることも検討してみてください。
そもそもアマニ油ってなに?
アマニとは「アマ」という花の種子のことで、このアマニを原料とするのがアマニ油です。
アマニ油は熱に弱い性質があるため普通のサラダ油やオリーブオイルのような使い方ではなく、できあがった料理にかける・スープに混ぜる・そのまま飲むなどして食べるのが一般的です。
アマニ油に含まれる代表的な栄養素
あまに油 可食部100gあたり
栄養素 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 897kcal |
たんぱく質 | 0 |
脂質 | 99.5g |
炭水化物 | 0.5g |
n-3系多価不飽和脂肪酸 | 56.63g |
n-6系多価不飽和脂肪酸 | 14.50g |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
ご覧いただけるとおりアマニ油はほとんどが脂質です。しかし一口に脂質とは言っても悪い成分だけではありません。
上記の表の「n-3系多価不飽和脂肪酸」が前述しているオメガ3脂肪酸のことでアマニ油に含まれている脂質の半分以上を占めていることが分かります。
犬や猫にアマニ油を与える際の注意点
犬猫にアマニ油を与える際の注意点を紹介します。
与えすぎには注意
いくら体に良いとはいえ与えすぎには注意が必要です。
アマニ油には血液をサラサラにする効果がありますが、過剰に摂取するとそれが逆効果になり出血などの際に血液凝固を送らせてしまう可能性があります。
また、アマニ油は良質な油ですがカロリーは高いため与えすぎると肥満の原因になってしまうかもしれません。
どれぐらいの量なら与えて大丈夫?
犬猫に与えても良い1日当たりのアマニ油の目安量は以下のようになっています。
超小型犬(5kg以下) | 小さじ1/2 |
小型犬(5~10kg) | 小さじ1/2~1 |
中型犬(10~20kg) | 小さじ1~2 |
大型犬(20~40kg) | 小さじ2~3 |
猫 | 小さじ1/4 |
これはあくまで目安量なので愛犬・愛猫の体調に合わせて与えてあげましょう。
また、ペットフードにアマニ油やオメガ3脂肪酸が含まれている場合もあるので過剰摂取にならないように注意しましょう。
酸化に注意
α-リノレン酸をはじめとするオメガ3脂肪酸は酸化しやすいという特徴を持っています。
酸化してしまうと味や風味が落ちるだけでなく動脈硬化などの原因となる「トランス脂肪酸」が生成されてしまうこともあります。
開封後はできるだけ1ヶ月以内を目安に使い切るようにしましょう。
犬や猫へのアマニ油の与え方
手作りしたご飯にかけたり、スープに混ぜたりなどアマニ油は手作りご飯に活用しやすい食材といえます。
ただし前述したとおり熱には弱いのでお肉やお魚を焼いたりするときに使うのはやめましょう。
以下にアマニ油をプラスすることができるスープのレシピをご紹介します。
基本の茹でささみと基本の鶏ガラスープを使用した簡単レシピ。
豚タンの脂の旨味が溶け出したおいしいスープ。
【まとめ】犬猫はアマニ油を食べても大丈夫
犬猫はアマニ油を食べても大丈夫です。ポイントをおさらいしましょう。
- 必須脂肪酸のα-リノレン酸が豊富に含まれている
- 体調不良やカロリーオーバーの原因になるので与えすぎには注意
- 熱や酸化に弱いので管理や使用方法に気をつける
今回はアマニ油について紹介しました。
アマニ油は使用しやすいのでぜひ手作りご飯に活用してみてください。