犬猫はクレソンを食べても大丈夫?ワサビと同じ辛み成分「シニグリン」や食中毒に注意!

犬猫はクレソンを食べても大丈夫?

クレソンは独特の辛みとほろ苦さが肉料理に合うことから、明治時代に日本に導入され、各地の水辺や湿地帯で栽培されるようになった野菜です。

付け合わせとして使われる事が多いのであまり注目されない野菜ではありますが、古くから薬草として使用されていたほど、意外にも高栄養な野菜です。

しかし、犬や猫が食べても大丈夫とは安易に言い難い食材です。

クレソンについて解説します。

なぜクレソンが犬猫に推奨できないのか

クレソンの辛味成分はワサビと同じ

クレソンの特徴であるピリッとした辛みはワサビと同じ『シニグリン』です。

そのシニグリンが加水分解酵素によって『アリルイソチオシアネート』という辛み成分となります。

クレソンはワサビほど明確な強い辛みはなく、このシニグリンはワサビ以外にもクレソンと同じアブラナ科である大根やキャベツにも含まれている成分で、それらは犬猫が食べても大丈夫な食材です。

直接的に犬猫が中毒症状を引き起こす成分ではないと考えられることや、ガンの予防に有効的であるなどの研究報告もされている面もあるので、インターネット上では犬はクレソンを食べても大丈夫という記事を見かけます。

ただし大量に食べれば摂取する辛み成分も増えてしまい、その刺激が胃腸へ不要なダメージを与えてしまい下痢や嘔吐などの症状を引き起こしてしまう可能性があります。

人間が食べても辛味や苦みを感じる刺激がある食材のため、敏感な犬猫であれば口腔内に感覚麻痺を起こす可能性もあるでしょう。

このような理由から、当サイトでは犬猫にクレソンを食べさせることはあまりおすすめできません。

参考:イソチオシアネート化合物ーアブラナ科野菜に含まれる機能性食品成分ー

甲状腺腫を引き起こす?『ゴイトロゲン』

甲状腺疾患がある場合、キャベツなどのアブラナ科の野菜の摂取を控えるようにという記事をよく目にします。

これはアブラナ科の野菜に含まれるゴイトロゲンという成分が甲状腺へのヨウ素の蓄積を阻害し、甲状腺腫を起こすことが懸念されているからです。

現状として甲状腺疾患をもつ犬猫がクレソンを食べる事でどの程度影響を及ぼすか明確ではありません。

健康な犬猫が少量食べてしまったという程度で甲状腺腫を引き起こす直接的な原因になるとは考えにくいのですが、毎日大量のクレソンを食べるような明らかな過剰摂取をさせないようにしましょう。

肝蛭(かんてつ)による食中毒に注意

クレソンやセリのような水辺で採れる食材に対して、食品安全委員会から下記のように食中毒に関する注意喚起がされています。

肝蛭(かんてつ)は、牛などの糞に含まれた寄生虫の卵が水田、小川などでモノアラガイ類の貝に寄生し、その中で増えて成長し、貝から水中にでてきます。水中を遊泳した寄生虫は水田の稲や水辺の植物(クレソンやセリなど)にくっつきます。この寄生虫のついた植物を食べることにより、牛、豚、山羊、羊、ウサギなどの家畜やヒトを含む全ての哺乳類及び鳥類が肝蛭に感染します。
ヒトに感染する主な原因はクレソン、セリなどについた寄生虫を経口摂取することによるものです。また、牛の肝臓の生食「レバ刺し」による感染も報告されています。レバーの生食は危険ですのでやめましょう。

参考:寄生虫による食中毒にご注意ください(食品安全委員会)

決してクレソンやセリが危険な植物ということではありません

食品安全委員会から寄生虫をやっつける方法として、セリやクレソンなどの水辺に生える野菜はよく洗って食べましょうとの記載があり、きちんと洗浄を行えば付着している肝蛭(かんてつ)の除去は可能であると考えられています。

当サイトでは犬猫がクレソンを食べる事を推奨はしていませんが、飼い主が危険性を把握しておくことで未洗浄のクレソンや自生するクレソンを食べてしまうというようなことを防げるでしょう。

まとめ

犬や猫にクレソンを与える事に対する安全性、危険性、適正量に関しては明確にはわかっていません

現時点ではクレソンによる犬猫の健康被害報告はありませんので、もし目を離していた隙にクレソンを食べてしまったからと言って重大な影響が出るほど危険であるとは考えられません。

しかし未洗浄のクレソンや自生しているクレソンに対して食中毒の報告がされていることや、少量でもワサビと同じ辛み成分がある事からも、当サイトでは食べても大丈夫とは言い難く、あまり推奨はできません。

もしクレソンを食べた後に下痢や嘔吐などの異常があれば食中毒の可能性などを考え、念のため動物病院へ受診することをおすすめします。

参考:食材大全(NHK出版)

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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