犬猫は三つ葉を食べても大丈夫!
三つ葉は日本や東南アジア原産の野菜で、セリ科ミツバ属の多年草です。
1本の茎に3枚の葉がつくことから三つ葉と呼ばれるようになった野菜で、日本各地に自生しているので古くから食用にされてきました。
日本料理には欠かせない、この三つ葉は犬猫が食べても大丈夫な野菜です。
奥ゆかしい三つ葉の香りには鎮静効果が期待され、葉には抗酸化作用が期待される栄養素も含まれています。
三つ葉の種類
三つ葉は『糸三つ葉』『根三つ葉』『切り三つ葉』と大きく3つのものがあります。
どちらの種類も犬猫に有害な成分は含まれていないので食べても大丈夫といえます。
糸三つ葉
ハウスで水耕栽培され、通年スーパーに並ぶのは糸三つ葉です。
ハウス栽培が基本なので旬が無いように感じてしまいますが、三つ葉の旬は3月頃の春から初夏と言われています。
その時期には山などに自生している天然物が出回り、風味が強くしっかりとしています。
根三つ葉
根三つ葉は太い根がつき、茎が白いのが特徴で、その根は細いごぼうにも似た形状をしています。
糸三つ葉との違いはそのしっかりとした茎や根の食感で、風味づけに少し使うという用途よりは、お浸しや和え物など三つ葉そのものを食べる料理が多くあります。
特徴的な根も無駄なく食べられる種類です。
切り三つ葉
切り三つ葉は茎がやや太く、葉セロリに似ています。
根元は切られ、茎から上の部分だけが束ねられて売られていることが多いようです。
また切り三つ葉は関東を中心に出回っており、関西ではあまり見かけない種類です。
秋から早春に需要が多く、品がよいので正月料理の椀物などに使われます。
犬猫に三つ葉を与えるメリット
注目すべき三つ葉の香り成分
三つ葉の代表的な特徴である爽やかな香りには有効成分が含まれているといわれており、食欲増進効果や精神的なリラックス効果でイライラを鎮める作用が期待されています。
三つ葉の香り成分は揮発性が高いので、鮮度が落ちたり加熱しすぎると香りが弱くなってしまいます。
このため三つ葉は新鮮なうちに加熱しすぎないように調理する事がおすすめです。
β‐カロテン
三つ葉にはホウレン草やカボチャに匹敵するほどのβ‐カロテンが含まれています。
β‐カロテンには強い抗酸化作用が含まれており、免疫力をアップさせてくれます。
猫では体内変換は行われませんが、犬は人間と同様に体内でβ‐カロテンからビタミンAに変換され、目を保護する効果や皮膚や粘膜を整える効果も期待されています。
ビタミンK
セリ科の三つ葉にはビタミンの摂取も期待でき、その中でもビタミンKが比較的豊富に含まれています。
ビタミンKは血液と骨には必要不可欠であり、出血を止める働きや骨にカルシウムを定着させる手助けをしてくれるので、骨や歯を丈夫にしたり、骨粗しょう症の予防にも役立つといわれています。
カリウム
三つ葉にはミネラルも豊富に含まれており、そのうちのカリウムは細胞内のナトリウム量を調整し、過剰な塩分を排泄する作用があります。
血圧を下げる効果や利尿作用も期待され、このカリウムの働きは健康維持にとても大切なものです。
犬猫に三つ葉を与える際の注意点
細かく刻んでから与えましょう
私たちは三つ葉を生でも加熱でも食べられますが、犬猫も同様です。
香気成分やビタミンの摂取から考えると生の方がよいとはされていますが、消化の観点からすれば加熱した方が多少やわらかくはなります。
また、細く長い形状の三つ葉は犬猫が食べにくいと感じる事が多いので、生でも加熱でも細かく刻んでから与えると食べやすいうえに消化のサポートもしてあげられます。
犬猫は人間より消化能力が低い動物なので、食物繊維が含まれる食材はできるだけ細かくしてあげると消化不良を引き起こしにくくなります。
アレルギーに注意
三つ葉は特にアレルギーを発症しやすいという食材ではありませんが、何がアレルゲンになるか、またその反応の出やすさは犬猫の個体差によります。
初めて三つ葉を与える際には、ごく少量から始めて、食後に異変がないか注意観察を行いましょう。
食べること以外にも、植物として激性接触皮膚炎や接触蕁麻疹を起こすこともあります。
セリ科の三つ葉やセロリがアレルギー性接触皮膚炎の原因物質となる事もありますので食べる以外にも犬猫が三つ葉に触れる事で発疹などを起こした場合には動物病院を受診しましょう。
まとめ
三つ葉は犬猫が食べても大丈夫な野菜です。
代表的な特徴である爽やかな香りには、食欲増進効果や精神鎮静効果が期待されています。
その香りの有効成分だけではなく、三つ葉は強い抗酸化作用が期待されるβ‐カロテンや、ビタミン、ミネラルも豊富に含まれた栄養的効果も得られる野菜なので、愛犬愛猫への健康効果も期待できます。
ただし、細長い形状や食物繊維は犬猫は食べにくく消化不良を起こす可能性が少なからずあるので、細かく刻んでからトッピングや手作りごはんに使うように注意してください。
参考:食材大全(NHK出版)