「紫芋」は、中が鮮やかな紫色になっているさつまいもです。
さつまいもより甘さが控えめで、食品や料理の色付けのために用いられることが多い野菜です。
紫芋のアイスやようかん、クッキーなどは観光地などのお店で一度は見かけたことがあるのではないでしょうか。
犬猫は紫芋を食べて大丈夫!
犬猫への毒となる成分は含んでいません。
一部のメーカーからは紫芋を使った犬猫用のおやつや手作りフードなども販売されています。
本記事では、
- 紫芋にはなぜ色が付いているの?アントシアニンの効能について
- 紫芋を犬猫に食べさせるメリットや注意点
- 愛犬愛猫用の「紫芋」を使った手作りフードのレシピ
などをお話ししていきます。
紫芋にはなぜ色が付いているの?アントシアニンの効能について
「紫芋」は「さつもいも」にはない色素成分である「アントシアニン」によって中身が紫になっています。
このアントシアニンはポリフェノールの一種で、ブルーベリーやイチゴ、ナスなど青や赤い色の果物・野菜類に多く含まれています。
強い抗酸化作用を持ち、
- 目の疲れを回復し、視覚機能の改善
- 肥満予防効果
- 体の老化防止
- 免疫力の向上
- 肝臓機能の向上
などの健康効果に期待が持てます。
紫芋に含まれる主な栄養素とその健康効果
塊根 皮なし 蒸し 100g当たり
含有量 | |
---|---|
エネルギー | 123kcal |
炭水化物 | 27.5g |
食物繊維 | 2.5g |
カリウム | 370mg |
ビタミンE | 1.3mg |
葉酸 | 22μg |
ビオチン | 6.1μg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
紫芋はアントシアニン以外にも様々な成分を含んでいます。
主な栄養成分から考えられる健康効果を簡単にまとめます。
- 食物繊維:腸内の有害物質の排出を促進します。便秘解消のほか、動脈硬化や糖尿病の予防などにも期待が持てます。
- カリウム:体内のpHバランスを維持します。過剰な塩分を排出し、高血圧を予防する効果があります。
- ビタミンE:強い抗酸化作用を持ち、老化を防止します。これ以外にも抗がん作用などに期待できます。
- 葉酸:「造血ビタミン」とも呼ばれ貧血を予防します。このほか、動脈硬化や生活習慣病の予防効果も持っています。
- ビオチン:皮膚の健康維持のために必須のビタミンです。脱毛防止や爪の強化にも効果的です。
このほか、ヤラピンという成分を含んでいます。
輪切りにした時に染み出てくる白い液体がこのヤラピンで、整腸作用があると言われています。
紫芋には食物繊維が含まれていますので、ヤラピンとの相互作用により便秘改善効果に期待できます。
紫芋を犬猫に食べさせる時の注意点
必ず加熱して与える
犬も猫も、植物は食べられるけど消化があまり得意ではありません。
生の紫芋をそのまま食べさせてしまうと消化不良を起こし、下痢や嘔吐を引き起こしてしまう可能性があります。
犬猫に紫芋を食べさせる時は必ず十分に火を通し、そのあとよく冷ましてから与えましょう。
幸いアントシアニンは熱に強い性質なので、その成分は失われません。
腎臓病や心臓病の犬猫はカリウムに注意
カリウムは健康な犬猫が適量摂取する分には体に良いものですし、多少の過剰摂取であれば体外に排出されます。
しかし、腎臓病や心臓病の犬猫にはカリウムが悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。
愛犬愛猫がこうした病気を患ってしまった場合は、獣医師に相談・指導を受けた上で慎重に食事を選択するようにしましょう。
愛犬愛猫用の紫芋を使った手作りフードのレシピ
「紫芋とカツオのスープ」
材料
- 紫芋
- カツオ
- まいたけ
- ブロッコリー
- にんじん
- 白ごま
- 水
作り方
- カツオは愛犬愛猫に合わせたひと口大に切り、グリルで焼きます。
- 紫芋・まいたけ・ブロッコリー・にんじんは細かく刻みます。
- 刻んだ野菜類を鍋に入れ、ひたひたになる程度に水を注いだら数分煮てよく火を通します。
- 器に移し冷まします。粗熱が取れたらカツオを乗せ、白ごまを振りかけたら完成。
カツオを合わせることで、紫芋から摂取できないビタミンB6やビタミンB12を補うことができます。
また、グリルしたカツオは香りが良く、犬猫の食欲を掻き立てます。
実際に食べさせる量は、愛犬愛猫の体格や状況に合わせて調整してください。
余った場合は塩や醤油などの調味料を合わせることで私達も美味しく食べることができます。
余談:「紫芋」と「紅芋」って何が違うの?
同じ芋類で、どちらも紫色をしていますが違うものです。
その違いを簡単にまとめます。
紫芋:さつまいもの一種。一般的なスーパーや八百屋で広く取り扱っている。甘さは控えめ。
紅芋:ヤムイモの一種。病害虫の蔓延防止のために生の状態で沖縄県外に持ち出すことができない。紅芋自体が甘い。
どちらもアントシアニンにより紫色になっていますが、その含有量は紫芋の方が優れています。
紅芋は沖縄の特産品であることが有名で、芋自体の甘さを活かした紅芋タルトや紅芋アイスが多く作られています。
【まとめ】犬猫は紫芋を食べても大丈夫!
犬猫は紫芋を食べても大丈夫です!
ポリフェノールの一種である「アントシアニン」を含み、目の疲れの回復や免疫力の向上などに期待が持てます。
このほか、食物繊維やヤラピンという成分を含んでいるので、便秘の改善作用などの健康効果も考えられます。
注意点を2つ紹介します。
- 生は消化に悪いので、必ず加熱してから食べさせてください。
- カリウムが豊富なので、腎臓病や心臓病の犬猫に食べさせる時は慎重に選択しましょう。
甘さは控えめですが、アントシアニンの抗酸化作用により様々な効能に期待が持てる紫芋。
料理に用いると見た目も華やぐので、ぜひ愛犬愛猫の食事に取り入れてみてください。