犬猫がオクラを食べても大丈夫!
食感が楽しい緑黄色野菜のオクラ。ネバネバ食材としても有名な野菜のひとつです。栄養価に優れた夏野菜の代表ともいえるオクラには犬猫にとって有害な成分は入っていないので食べても大丈夫です。
生でも加熱したものでも問題ありませんが、子犬猫やシニア犬猫には加熱した方が柔らかく消化しやすくなるので加熱調理をしてから与えてあげてください。
豊富に含まれる食物繊維はもちろん、そのほかにも犬猫にとって良い効果がある栄養素がたくさんあります。
オクラを与えるメリット
ネバネバの成分に含まれる嬉しい効果
オクラのネバネバ成分には腸内を掃除して有害物質を外に出す働きがある食物繊維です。
血糖値の上昇を抑える事も期待されているので、ダイエットに向いた食材として注目されています。
このネバネバはオクラをみじん切りにして細胞壁を壊し、水を加えるとたっぷり引きだせます。刻むことで犬猫の消化もサポートできるので是非試して頂きたい調理方法です。
整腸作用で大腸がん予防
前述したように食物繊維が豊富なオクラは整腸作用が期待されます。オクラにはいくつかの食物繊維が複合されており、整腸作用を促進してコレステロールの排出を促すといわれています。
腸内環境が整って善玉菌が増殖し活性化すれば、有害菌の繁殖を抑える働きもあるようです。また、腸内に便がたまらず綺麗な状態を保つことは大腸がんになるリスクを減らすことに繋がります。
オクラの主な栄養素
ペクチン
ネバネバ成分の一部であるペクチン。水溶性食物繊維であり、整腸効果が期待できます。胃の粘膜を保護する効果もあります。血糖値の上昇を抑える効果も期待されています。
しばしばこのネバネバ成分にムチンが含まれているといわれていますが、ムチンは唾液や鼻水等、動物性の粘質物質を指すので植物の成分には使わない名称です。オクラのネバネバ成分は未だ解明されていません。
参考書籍:NHK食材大全
β‐カロテン
犬は体内でビタミンAに変換され、眼や皮膚、粘膜の健康維持に役立ちます。抗酸化作用も期待でき、活性酸素の除去で免疫力アップに効果的。
猫に関してはこのβ‐カロテン→ビタミンAの変換は行われませんが、β‐カロテン自体の強い抗酸化作用や免疫活動の活性化に役立つと考えられています。
カリウム
カリウムはミネラルの一種で、浸透圧の調整などの働きをします。利尿作用が期待でき、ナトリウムを排出する事で塩分の摂り過ぎを調節する重要な役割を果たします。血圧を下げる効果も期待。
カルシウム
体を支える骨格の強化に活躍する働きがあり、骨や歯の構成に必要不可欠な栄養素です。ほかにも筋肉が正常に収縮するのを保つ、神経を安定させる、血液を固めて止血する、ホルモンを分泌させる、細胞分裂を促す、胃液の分泌を調整する、鉄の代謝を補助するなど実に多様な働きをします。
水分
約90%が水分と言われています。オクラの旬である夏には水分補給が欠かせませんので、暑いのに水を飲みたがらなかったり散歩の後などに効果的な野菜です。
与える際の注意点
与えすぎは便秘の原因に?丸飲み予防に刻んで与えましょう
豊富な食物繊維を含むことで便秘解消や整腸効果が期待できる反面、過剰摂取してしまうと便のカサが増えすぎたり、硬くなってしまって逆に排便が困難になってしまう事があります。適量を守って与えてあげてください。
また、丸のみしてしまいやすいサイズでもあるので与える際には必ずヘタを取り刻んでから与えるといいでしょう。
アレルギーに注意
オクラにはアレルギーが起こりやすい特定原材料には含まれていませんが、絶対にアレルギーを起こさないとは言い切れません。
初めて与える際は必ず少量からはじめて、与えた後は数時間から1日程度は体調の変化がないか確認してあげてください。大丈夫そうであれば少しづつ量を増やしていくことをお勧めします。
オクラの産毛に注意!生で与えるより加熱がおすすめ
オクラの表面についている産毛は手がかぶれたり、胃を不必要に刺激してしまう事もあります。
前述したように子犬猫やシニア犬猫には消化のサポートをするために加熱調理をお勧めしましたが、この産毛の除去のために少量の塩で板ずり(オクラに塩をかけてまな板の上で数回転がす)をしてから塩を洗い流して茹でると更に胃腸に優しくなります。
健康な成犬猫にもできるだけ板ずり、加熱調理、刻んでから与える事で不測の事態は避けられるのでできるだけ下処理や加熱調理したものを与えてあげてください。
持病がある犬猫へは控えてください
健康な犬猫であれば基本的にオクラを与えることは問題ありませんが、腎臓の疾患がある犬猫は避けたほうが良さそうです。
オクラにはミネラルが豊富に含まれており、そのミネラルによって腎臓疾患がある犬猫で問題になる事があります。与えたいと考える場合にはかかりつけの動物病院で相談してからにしましょう。
おすすめレシピ
オクラの肉巻き
カリっと焼き上げた豚肉のおいしい香りで犬猫の興味を引いてくれそうです。
豚肉には犬猫にとって良いタンパク源になります。良質な筋肉や健康な皮膚、被毛を作るために大切な栄養素が豊富に入っています。
オクラの納豆和え
納豆を使用しているので正味重量が40g程度しかないにも関わらずアミノ酸がとても豊富なレシピとなっています。
鰹節の香りと旨味で興味と食欲をそそります。オクラの下処理後は温度を気にせず混ぜてすぐに与えられることも魅力な一品です。
簡単冷や汁
板ずりしてから茹でたオクラを細かく刻み少量の水と合わせて混ぜてネバネバをしっかり引き出しておきます。
きゅうりも同様に刻み、さばの水煮缶、少量のすりごまと刻んでおいたオクラを和えて簡単冷や汁風の完成。水分とエネルギーの補給に単品で与えてもいいですし、ご飯の上にかけて冷や汁ごはんで食事にもぴったりです。
オクラの白和え
板ずりしてから茹でたオクラを細かく刻み、水切りした木綿豆腐、すりごまと鰹節と和えて完成です。
ドライフードのトッピングに向いたレシピです。オクラの食物繊維と豆腐の植物性タンパク質は犬猫にとっても嬉しい栄養。鰹節の香りで食欲を刺激して食いつきを誘います。