パッションフルーツとは
パッションフルーツはブラジル南部を原産とするトケイソウ科トケイソウ属のつる性の多年草で、パイナップルやマンゴーなどと同じ熱帯や亜熱帯が原産の果実類「トロピカルフルーツ」の一種です。
日本で流通しているものは主にニュージーランドやアメリカから輸入されたものですが、国内では鹿児島や沖縄で栽培されており、旬は6~8月の夏頃です。
パッションフルーツは少し珍しい果物なので、名前は知っているけど食べたことがない方も多いのではないでしょうか?
パッションフルーツの「パッション」は、南国の果物なので「情熱」に由来するものかと思いきや、本当の意味は「キリストの受難」であり花の形が十字架に磔にされたキリストに見えたことに由来するそうです。
食べ方はそのまま実を種ごと食べる他、ジャムやゼリーに加工したり、アイスやヨーグルトにかけたりするのが一般的です。
犬猫はパッションフルーツを食ベても大丈夫
可食部には犬猫に対して毒性を持つ成分を含んでいません。
一部のメーカーからはパッションフルーツを原材料に使ったペットフードも販売されています。
本記事では、
- パッションフルーツの味や香り、栄養素
- パッションフルーツを犬猫に食べさせる時のメリットや注意点
- 犬猫へのパッションフルーツの与え方
などについてお話ししていきます。
味と香りは?
パッションフルーツは甘みと酸味が共に濃い果物です。
イメージとしてはパイナップル、マンゴー、キウイ、レモンなどに近いですね。
香りは甘酸っぱく、南国を思わせる爽やかさを持っています。
犬猫は味覚が人間ほど発達していませんが、「甘み」と「酸味」は感じることができるので良い香りと相まって興味を示すかも知れません。
パッションフルーツに含まれる代表的な栄養素
パッションフルーツ 果汁 生 100gあたり
含有量 | |
---|---|
エネルギー | 67kcal |
糖類 | 4.0g |
カリウム | 280mg |
βカロテン | 1100 |
ナイアシン | 2.0mg |
葉酸 | 86μg |
ビタミンB6 | 0.18mg |
ビタミンC | 16mg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
パッションフルーツを犬猫に食べさせるメリット
パッションフルーツの主な栄養素とその効能を簡単にまとめます。
- カリウム:過剰な塩分を排出し、高血圧を予防します。不足すると下痢や嘔吐のほか、心臓病を発症するリスクが高まります。
- βカロテン:体内でビタミンAに変換され、目の粘膜の成分になります。猫は体内で変換することが出来ませんが、βカロテン自体に抗酸化作用があるので、がんなどの抑制効果が期待できます。
- ナイアシン:エネルギーの代謝を促進する補酵素として機能します。皮膚や粘膜の強化、脳の神経の働きのサポートも行います。
- 葉酸:赤血球の合成をサポートしていて、「造血ビタミン」とも呼ばれます。この他、動脈硬化や生活習慣病を予防する効果もあります。
- ビタミンB6:たんぱく質の生成や分解に不可欠な栄養素です。脂質の代謝にも関わっており、脂肪肝の予防効果もあります。
- ビタミンC:コラーゲンの生成に不可欠で、筋肉や皮膚などを強化します。その他、抗ストレスや抗がん作用も持っています。
パッションフルーツにはβカロテンやビタミンCなど酸味ある果物らしい栄養素が豊富に含まれています。
パッションフルーツを犬猫に食べさせる時の注意点
おやつとして少量を与える
犬は元々が肉食であり、猫は今現在も肉食なので植物類の消化があまり得意ではありません。
パッションフルーツをたくさん食べると消化不良となり、下痢や嘔吐を起こしてしまうことも考えられます。
また、パッションフルーツはβカロテンなど健康に良い栄養素を有していますが、過剰摂取は体調不良を招きます。
犬猫に食べさせる時はおやつとして、ほんの少しだけ食べさせるようにしましょう。
種は食べることができるけど、不安なら避ける
パッションフルーツは「果肉部分」と「種」、そしてそれらと一緒に含まれる「果汁」を食べられる果物です。
しかし前項でお話したように犬猫は植物の消化が苦手です。
咀嚼もあまりしない生態なので種を丸飲みすることとなり、うまく消化出来ないケースは考えられます。
まだ身体の発達していない犬猫や、シニアになったことなどが原因で消化機能が弱っている犬猫には種を与えない方がいいでしょう。
また、パッションフルーツは犬猫が必ず食べないといけないものではないので、健康な犬猫でも不安であれば食べさせるのを控えましょう。
皮や葉の誤食に注意
パッションフルーツの食べられない部分、「皮」と「葉」を犬猫が誤食することがないようにしましょう。
「皮」は固いので人間も食べることができず、犬猫が口にすると消化不良による下痢や嘔吐などの体調不良が考えられます。
「葉」の付いたパッションフルーツが手に入る機会は中々ないと思いますが、葉には「青酸配糖体(アミグダリン)」という植物がよく持つ毒が含まれており、犬猫にシアン化水素による中毒症状を引き起こすことがあります。
犬猫へのパッションフルーツの与え方・適量
上部を切って中身だけ食べさせる
包丁やナイフを使いパッションフルーツの上部を切り落とし、スプーンで中身をくり抜いて食べさせてあげましょう。
種を食べさせることが不安な場合は、ザルや茶こしで裏ごしして果汁や果肉のみを与える手段もあります。
可食部分はそのまま与えることも出来ますし、ヨーグルトなどにかけてあげると南国感のあるおしゃれな見た目になります。
また、デザート作りに用いることも可能です。
適量はおやつとしてほんの少しだけ
注意点の箇所でも述べていますが、犬猫に与えるパッションフルーツはほんの少しが適量です。
おやつのタイミングで、愛犬愛猫に合わせた一口程度の少量を食べさせてあげましょう。
【まとめ】犬猫はパッションフルーツを食べても大丈夫!
犬猫はパッションフルーツを食べても大丈夫です。
南国の果物「トロピカルフルーツ」の一種で、甘酸っぱい味が特徴です。βカロテンやビタミンCが豊富で、目や皮膚などへ健康効果が期待できます。
注意点を3つ紹介します。
- 食べさせる時はおやつとして少量のみにし、たくさん与えないでください。
- 種も食べることが出来ますが、消化面で不安がある時は食べさせるのを控えるようにしましょう。
- 可食部以外の皮と葉の誤食は危険です。特に葉には犬猫に中毒を引き起こす成分が含まれています。
甘みと酸味が濃く、南国を思わせる匂いが特徴のパッションフルーツ。
犬猫が興味を持ちましたら、本記事を参考におやつとして食べさせてあげてみてください。