犬猫はじゃがいもを食べても大丈夫?生で食べるのは?与えすぎに注意!栄養や注意点を解説

犬猫はじゃがいもを食べても大丈夫

じゃがいもは、米、麦、とうもろこしに次ぐ世界四大作物です。

世界中で愛され、ほくほくとした触感やほのかな甘みで日本でも煮物や揚げ物で日常的に食卓を支えてくれています。

じゃがいも=炭水化物という認識が強く、その他の栄養素は知らない方も多いのではないでしょうか。

じゃがいもには健康的メリットの高い栄養素がしっかりと含まれており、それは人だけではなく犬猫にも有効です。

芽や緑色の皮には天然毒素が含まれるので注意が必要ですが、じゃがいもの可食部分には犬猫にとって有害な物質は含まれていないので食べても大丈夫な食材です。

生では食べさせないで!必ず加熱してから与えましょう

生のじゃがいもに含まれるでんぷん質はβ‐デンプンという消化がしにくいものですが、加熱するとこのβ‐デンプンがα‐デンプンという消化しやすいでんぷんへ変化します。

人は消化能力が高いので、じゃがいもを大量でなければ生で食べる事もできますが、犬猫は人に比べて消化能力が低いため消化不良を起こす可能性があります

下痢や嘔吐などを引き起こすこともありますので、じゃがいもは必ず加熱して柔らかい状態にしてから与えるようにしましょう。

じゃがいもを与えるメリット

じゃがいもには加熱に強いビタミンCが豊富

じゃがいもといえば炭水化物としての認識が強く、他の栄養素についてあまり知られていませんが、じゃがいもにはビタミンCが豊富に含まれています。

食材(100g当たり)含有量
じゃがいも35mg
にんじん6mg
大根12mg
さつまいも25mg

ビタミンCが多い野菜は数多くありますがビタミンCは水溶性のビタミンなので、茹でたり加熱することで流出してしまう事が多いのです。

その点、じゃがいもはでんぷんがビタミンCを包み込んでいて、加熱でのダメージが少なく効率よく摂取することができます

このビタミンCには強い抗酸化作用があり、免疫力をアップさせる効果が期待されます。

また、コラーゲンの生成に必要な化合物で、毛細血管や歯、軟骨、皮膚などを正常な状態に保つ働きがあります。

抗ストレス作用に期待!

じゃがいもにはアミノ酸の一種であるGABAが含まれています。GABAはじゃがいもの中心部に含まれていることがわかっています。

このGABAには脳に多く存在する抑制性の神経伝達物質で、脳の働きを正常に導いて、精神安定作用があるといわれています。

GABAは前述の通り、動物の脳などの中に存在していますが、年齢と共に減少してしまうともいわれています。

飼い主でも気づかないような愛犬愛猫のストレス軽減に役立つGABAを、じゃがいもを食べて摂取できるのはメリットといえます。

老齢機の犬猫の不安行動や認知症への対策や、犬猫のQOL(クオリティオブライフ、生活の質の向上)をあげる目的としたGABAを含むサプリメントも販売されています

参考:J-STAGE

じゃがいもの栄養

炭水化物

じゃがいもの主たる栄養素である炭水化物は、人と同様に犬猫が活動するのに必要なエネルギーです。

ビタミンC

じゃがいもの栄養面で特徴的なのは抗酸化作用があるビタミンCが豊富な事です。

免疫力アップが期待でき、コラーゲンの生成を助ける効果で犬猫の皮膚の健康維持に役立ちます。

カリウム

じゃがいもにはカリウムも豊富に含まれています。利尿作用が期待でき、体内の塩分を排出する働きをしてくれます。

GABA

じゃがいもにはストレスを解消して、精神を安定させるアミノ酸の一種であるGABAが含まれています。

じゃがいもを与える際の注意

緑色のじゃがいもや芽には毒素が含まれているので危険!

じゃがいもは太陽光線が当たると、芽が出たり、皮が緑色に変わったりすることがあります。

この部分には天然の毒素である『ソラニン』や『チャコニン』が多く含まれています

これらを多く含むじゃがいもを食べていまうと、嘔吐、下痢、腹痛、めまいなどの症状が出る可能性があります。

これは人と同様に犬猫も引き起こす可能性があるので、犬猫へ食べさせる際には皮をきちんと剥き、芽とその周りを取り除いたものを加熱調理してから与えるようにしましょう。

この毒素による危険性を回避するためには、芽が出ていたり緑色の皮のものは買わないようにしましょう。

また、買ったじゃがいもは暗くて涼しい場所に保管して太陽光線を当てないようにしましょう。

参考:ジャガイモによる食中毒を予防するために

炭水化物は糖質。過剰摂取は肥満の原因に。

じゃがいもの主な栄養素である炭水化物は、血液中で糖質となり、脳や体を活性化させます。

人や動物が活動するのに欠かせない炭水化物ではありますが、必要以上に摂取してしまうと余ったエネルギーは内臓脂肪や皮下脂肪として蓄えられ肥満の原因となってしまいます。

炭水化物は1gあたり4㎉と高カロリー。総合栄養食であるペットフードをしっかり食べている場合に、主食ほどの量を与えてしまうのはカロリーオーバーになってしまいます。

おやつやトッピング程度に時々食べさせてあげると良いでしょう。

おすすめレシピ

鮭とじゃがいものおやき

犬猫の大好きな鮭の旨味と香りで食いつきが期待できるレシピです。

アミノ酸が豊富な基本の鮭フレークにじゃがいもでミネラルやビタミンをプラスしています。

鱈とじゃがいもの豆乳煮

鱈とじゃがいもを豆乳でやわらかく煮込んだ食べやすく栄養バランスも良いレシピ。

人用はコンソメやハーブ塩などで味付けしてみてくださいね。

スペイン風オムレツ

①じゃがいもは芽を取り皮も剥いて一口大にカット。ラップをして電子レンジで(3~5分/600w)柔らかくなるまで加熱。

②パプリカ、ミニトマトを食べやすい大きさにカット。卵1個に水大さじ1をいれ溶きほぐしておく。

③フライパンに鶏挽肉を入れ、色が変わってきたらパプリカ、トマト、じゃがいもを入れ炒め合わせる。

④具材に火が通ったら、溶いておいた卵に具を混ぜ、混ぜ合わせたものをフライパンに戻し、蓋をして弱火でしっかり火を通す。

⑤火が通ったらひっくり返して両面焼いて完成。

じゃがいものビタミンCと完全栄養食ともいわれる卵を合わせれば免疫力があがり、風邪の予防に役立ちます。

卵でまとまっているので、手からも与えやすくコミュニケーションがとれるおやつとして最適です。

ただしカロリーはしっかりありますので、食べさせ過ぎないように注意してください。

人用にはケチャップを添えておいしく愛犬愛猫とシェアができます。

まとめ

犬猫はじゃがいもを食べても大丈夫!

じゃがいもは加熱すると消化に優しく、また豊富な炭水化物で体に不可欠なエネルギー源となってくれます。

また、加熱で失われにくいビタミンCが豊富に含まれているので、寒い冬で免疫力が下がりそうな時期には嬉しい野菜です。

炭水化物は体内で糖質に変わるので、食べ過ぎは禁物ですが、ストレス軽減に役立つGABAなど愛犬愛猫に嬉しい栄養素も含まれていますので上手に食事に摂り入れてみてください。

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スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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