ジビエで注目!鹿肉について
「ジビエ」とは、食すための狩りの対象となる野生動物またはその肉を指す言葉。ちなみにフランス語です。
鹿や猪、鴨、兎などがポピュラーでフレンチやイタリアンではおなじみの食材です。
近年の日本では高級店のみならず、ジビエ専門の焼き肉店や居酒屋なども登場し話題を呼んでいます。
そんなジビエの中でも比較的食べやすく、調理もしやすい鹿肉。美味しいことに加え、他の食肉と比べ脂肪が少なくヘルシーな食材なので注目を集めています。
せっかく変わったお肉を購入するのであれば、愛犬愛猫も食べられるのか気になりますよね?
今回は鹿肉について、犬猫が食べても大丈夫なのか?食べることのメリット・デメリットは?気をつけるべき点は?などを解説していきます。
犬や猫は鹿肉を食べても大丈夫!
鹿肉は牛・豚・鶏肉と同様に犬猫が食べても大丈夫な食材です。
高たんぱくで低カロリーでヘルシー。一部のメーカーからは鹿肉を使用したドッグフードも販売されています。
メリットの多い食材ですが、他の肉類と同じように犬猫に与える際は注意も必要です。
鹿肉をおやつやごほうびで与えるのはどうなの?
鹿肉は犬猫にとって嗜好性の高い食材で、特に犬は気に入ってよく食べると思います。
その美味しさから正にごほうびにうってつけ!
手作りフードを与えるのも良いですし、おやつとして与えやすい犬猫用の鹿肉ジャーキーが市販されています。
腎臓病によくない?
鹿肉を含め、お肉はたんぱく質・リンが多くカルシウムの少ない食材です。
たんぱく質もリンも基本的には身体にいいものですが、腎臓機能が低下してたり、既に尿毒病などの病気を抱えている犬猫には悪影響を及ぼすことがあります。
健康な犬猫にたまに与える程度では大きな問題とはなりませんが、既に腎臓に問題のある犬猫に与えるのは控えた方が良いでしょう。
アレルギーは大丈夫?
鹿肉は低アレルゲンで、アレルギー対応食としても使われるお肉です。
また、犬猫がまだ食べたことのないタンパク質は「新奇タンパク質」と呼ばれます。
「新奇タンパク質」に切り替えることで食物アレルギーの可能性を大幅に減らす可能性があります。
鹿肉を犬猫に与えるメリット
一般的な牛肉、豚肉と、ジビエ肉の中でも鹿肉と同様に入手しやすく食べやすい猪肉とを比べた場合のメリットを記述していきます。
鹿肉に含まれる代表的な栄養素
鹿肉・牛肉・豚肉・鶏肉の栄養成分の比較(可食部100gあたり)
鹿肉 | 牛肉 | 猪肉 | 豚肉 | |
---|---|---|---|---|
エネルギー | 119kcal | 293kcal | 249kcal | 146kcal |
たんぱく質 | 22.0g | 13.9g | 16.7g | 16.7g |
脂質 | 3.0g | 24.4g | 18.6g | 7.1g |
鉄分 | 3.9mg | 2.4mg | 2.5mg | 1.1mg |
ビタミンB1 | 0.20mg | 0.07mg | 0.24mg | 0.72mg |
ビタミンB2 | 0.35mg | 0.21mg | 0.29mg | 0.28mg |
ビタミンB6 | 0.60mg | 0.21mg | 0.35mg | 0.33mg |
ビタミンB12 | 1.3μg | 1.2μg | 1.7μg | 0.4μg |
リン | 230mg | 140mg | 170mg | 190mg |
鹿肉:にほんじか 赤肉 生
牛肉:和牛肉 かたロース 赤肉 生
猪肉:いのしし 肉 脂身つき 生
豚肉:大型種肉 かたロース 赤肉 生
参考資料:八訂 食品成分表 2022
高たんぱく、低脂質、低カロリー。鉄分も豊富。アミノ酸も。
上記の栄養素比較表からおわかり頂けるように、牛肉、豚肉、猪肉と比べ低脂質、低カロリーでありながら、高たんぱくで鉄分が豊富な食材で、ビタミンB群も摂取することができます。
たんぱく質や鉄分は犬猫の身体作りの上で重要な役割を持っており、それを低脂質・低カロリーで有している鹿肉は優秀の一言。ダイエットにも向いています。
また、鹿肉に含まれるアミノ酸「アセチルカル二チン」は脳機能の向上、ストレス軽減、疲労回復の効果があります。
たんぱく質
鹿肉のたんぱく質は100gあたり22.0gと、牛肉や豚肉の赤身よりも豊富。
たんぱく質は身体をつくり生命活動を維持するために不可欠の栄養素です。
不足すると、
- 皮膚が荒れる
- ケガの回復が遅くなる
- 体力が低下し、疲労が溜まりやすくなる
- 免疫力の低下
といったことが起こってしまいます。
鉄分
鉄は赤血球のヘモグロビンの構成物質で、酸素を全身に運搬する役割があります。
貧血や冷え性の予防に効果的です。
ビタミンB群
ビタミンB群の主な働きは、エネルギー代謝の補酵素。補酵素は代謝を円滑に行わせる助けとなります。
ビタミンB1は精神安定や疲労回復、ビタミンB2は皮膚の保護や成長促進、ビタミンB6はアミノ酸の生合成を手助けする働きをします。
鹿肉を犬猫に与える際の注意点・デメリット
犬や猫に鹿肉を与える際には、いくつかの注意点やデメリットも考えられます。
生で与えない
他のお肉と同様に生で与えるのは絶対にやめましょう。
ウィルス、食中毒、E型肝炎の危険性があります。
特にジビエである鹿肉は寄生虫の危険性も考えられます。
十分な加熱を行えば感染性は失われるので、いつも異常に念入りに火を通すようにしましょう。
嗜好性の高さに注意
鹿肉は人間が食べても美味しいものですが、犬猫にとっても美味しいごちそうとなり得ます。
しかし、味を好むが故に鹿肉を頻繁に与えていると普段のペットフードを食べなくなる恐れがあります。
また、鹿肉は栄養に優れた食材ではありますが、鹿肉ばかり食べていると栄養が偏ってしまいます。
毎日与えるようなことはせずに、たまにごほうびとして与える程度が良いでしょう。
既に腎臓に問題のある犬猫には与えないように
肉類はリンに対してのカルシウムが少ない食材です。
リンが過剰になると骨や歯が弱くなり、腎疾患を発症します。
健康な犬猫にたまに与える程度では大きな問題とはなりませんが、既に腎臓に問題のある犬猫に与えるのは控えた方が良いでしょう。
初めて与える時は少量から
鹿肉は他のお肉と比べてアレルギー発症の可能性が低い食材ですが、全くないとは言い切れません。
犬猫の個性による好みの差なども考えられますので、はじめのうちは少量から与えすこしずつ量を増やしていくと良いでしょう。
愛犬・愛猫に鹿肉を与えるレシピ
茹で鹿肉
- 食べやすい大きさにカットする
- 沸騰したお湯に鹿肉を入れ、肉の色が変わりしっかり火が通す
- 粗熱が取れるまでよく冷ます
シンプルですが、お肉が柔らかくなります。残ったゆで汁には鹿肉の栄養素が溶け混んでいますので、普段のフードにかけて与えるのも有用です。
お肉と一緒に野菜を茹でてスープにするのも◎
鹿肉ハンバーグ
当サイト掲載のハンバーグのレシピを紹介させていただきます。
こちらは牛肉を使ったレシピですが、鹿肉に置き換えて作ることができます。付け合わせの野菜と一緒に並べれば、見た目も豪華に様々な栄養を摂取可能。
人間用を一緒に作る時はタネを別に分けて味付けしましょう。
【まとめ】犬猫は鹿肉を食べても大丈夫
犬猫は鹿肉を食べても大丈夫です!
栄養価が高く、犬猫にとってとても美味しく感じられるのでごほうびに適しています。
低カロリー低脂質でありながら、高タンパクで鉄分やビタミンB群も含まれています。
アレルギーも起こしづらい食材です。
注意点は
- 生で与えない。
- 腎臓機能に問題のある犬猫には与えない。
- 与え始めるときは少量ずつから様子を見て
など。気をつけながら愛犬愛猫に与えてあげましょう。