愛犬・愛猫に与えるしめじについて
しめじをはじめとするきのこ類といえば秋をイメージする方が多いかもしれません。確かに天然モノの本しめじの旬は9月~10月あたりです。
しかし、現在一般的に流通しているぶなしめじはほとんどが人工栽培で実質旬はなく一年中おいしく食べることができます。
人間にとってしめじなどのきのこ類は栄養豊富で体に良い食材として知られています。犬猫にとってはどうなのでしょうか。
今回は「犬猫はしめじを食べて大丈夫なのか?与える際の注意点などについて解説していきます。
犬や猫はしめじを食べても大丈夫!
犬猫はしめじを食べても大丈夫です。愛犬や愛猫と一緒にしめじを楽しむことはできます。
ですがしめじを犬猫に与える際に注意しなければいけないポイントがあります。
与えても大丈夫な量
しめじには食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類に分けられます。
水溶性食物繊維
不溶性食物繊維は保水性が高く、水分を腸まで運んでくれます。水分を腸に運ぶことで便が固くなるのを防ぎ排便を助けます。
水溶性食物繊維は海藻やオクラなどのネバネバしたものに多く含まれています。
不溶性食物繊維
不溶性食物繊維は体内で水分を吸収することで便の体積を増やし大腸を刺激することで腸のぜん動運動を活発にします。
腸内の有害物質を掃除してくれる働きもあります。不溶性食物繊維は豆類、芋類、きのこ類などに多く含まれています。
しめじに含まれている食物繊維
しめじには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維どちらも含まれていますが不溶性食物繊維が主です。
食物繊維は犬猫の腸内環境を整えてくれますが特に猫は食物繊維の消化が苦手です。食物繊維は主に植物から摂取できるものなので肉食動物の猫は食物繊維を消化する酵素を持っていないのです。
なので与えすぎると消化不良や下痢の原因になるので気をつけましょう。
食べても大丈夫な量は?
目安量ですが犬の場合は一日に必要なカロリーの10%程度、猫の場合は約8gほどに抑えておきましょう。しめじは大体1パック100gで販売されていますので8gというと大体1~2本程度かと思います。
あくまでも犬猫が好んで食べる場合の目安量です。しめじを好まないようでしたら無理に与える必要はありません。
犬が一日に必要なカロリー
犬が一日に必要なカロリーの計算方法をご紹介します。
今回は例としてiPhoneの電卓を使用します。同じようにiPhoneをお使いの方は電卓アプリを開いたら画面を横向きにしてください。赤枠で囲われたボタンを使用します。
①わんちゃんの体重を3乗する
まずわんちゃんの体重を3乗しましょう。今回は体重が8kgの場合を想定して行っていきます。
8の3乗は 8×8×8=512です。
②出てきた数字を0.75乗する
0.75乗といわれてもよくわからないと思いますが大丈夫です。最初に赤枠で囲んでいたボタンを2回押すだけで大丈夫です。
なにやらややこしい数字になりましたが大抵はこのような数字になるので安心してください。
③出てきた数字に70をかける
ではこの数字に70をかけましょう。
この時点で出てきた数字が体重8kgのわんちゃんが安静時に必要な1日分のカロリーです。約333kcalですね。
④さらに各犬に対応した数字をかける
避妊・去勢済みの成犬の場合この数字にさらに1.6をかけます。この数字は妊娠中のわんちゃんや老犬などによって様々なので調べてみてください。
最終的に出た数字がこちらです。こちらが『体重8kg・避妊/去勢済み・成犬』の成長や運動の消費カロリーを考慮した上での一日に必要なカロリーです。約533kcalになりました。
計算して出したとはいえあくまでも目安量です。愛犬の体調などを考慮して与える食事の量は調節してあげてください。
生で食べられる?
一般的にきのこ類を生で食べることはないと思います。その理由は、生のきのこには毒性の成分が含まれているからです。
きのこを生食することによって起こる症例として「シイタケ皮膚炎」があります。シイタケ皮膚炎になると胸や背中に激しいかゆみを伴う線状の発疹が現れます。今でもBBQの時期などに十分に火が通っていないしいたけを食べてシイタケ皮膚炎になる方がいるようです。
しめじも生食すると食中毒になったりアレルギー反応を示すことがあります。犬猫にしめじを生で与えるのはやめましょう。
しめじに含まれる代表的な栄養素
ぶなしめじ 生 可食部100g当たり
栄養素 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 26kcal |
たんぱく質 | 1.6g |
脂質 | 0.2g |
食物繊維総量 | 3.0g |
ビタミンB1 | 0.15mg |
ビタミンB2 | 0.17mg |
ビタミンD | 0.5μg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
食物繊維
前述したとおりしめじを含むきのこ類には食物繊維が豊富に含まれています。
便秘気味の犬猫には食事に食物繊維をプラスするのもいいかもしれませんがあくまでも与えすぎには注意しましょう。
オルニチン
しめじにはオルニチンというアミノ酸が豊富に含まれています。オルニチンには肝臓の機能を高める働きがあります。
肝臓は代謝に関わる臓器です。肝臓が衰えると疲れやすくなったり食欲不振を起こします。
ビタミン
ビタミンB1
ビタミンB1は神経系の働きを正常に保つ上で欠かせない栄養素です。
一般的なペットフードを与えてる場合欠乏することは滅多にありませんが、欠乏すると筋力低下や歩行障害になり最悪の場合死に至ります。
ビタミンB2
ビタミンB2は皮膚と被毛の健康維持や質を高めるために欠かせない栄養素です。
糖質・脂質・タンパク質をエネルギーにする効果もあり、犬猫が活発に活動するために重要な栄養素です。
ビタミンD
ビタミンDはカルシウムやリンを吸収するために必要な栄養素のひとつです。
ビタミンDが欠乏すると、骨粗しょう症やくる病、腎障害などの病気になる可能性があります。
くる病になると骨の成長に異常が見られ、骨が曲がったり関節が膨らんだりします。もしも愛犬や愛猫の足首のあたりの骨が膨らんでいたら動物病院への相談をおすすめします。
ビタミンDは人間や犬の場合、日光を浴びることによって体内で生成することができます。しかし猫の体にはその機能がないので食事からの摂取が必要です。
犬や猫にしめじをあげる際の注意点
しめじは犬や猫が食べても大丈夫な食材ですが、しめじを与える際にはいくつかの注意点があります。
細かくする
犬猫にしめじを与える際は少しでも消化しやすいようにできるだけ細かくしてあげてください。みじん切りもしくはフードプロセッサーなどでペースト状にするのもいいでしょう。
アレルギーは大丈夫?
犬猫はしめじにアレルギーを持っている場合があります。初めて与える場合はごく少量にして様子を見ましょう。
皮膚や口周りの赤みやかゆみ・腫れ等が見られた場合すぐに与えるのを辞め、症状がひどくなる場合は動物病院へ行きましょう。
犬や猫にあげるしめじのレシピ
パーティレシピとして使えるピザレシピ。時々きのこ好きの犬猫がいますので大ヒットするかもしれません。とはいえ食べ慣れないものですから控えめに。低カロリーなのでダイエットフードとしても。
【まとめ】犬猫はしめじを食べても大丈夫
犬猫はしめじを食べても大丈夫ですが以下の点には注意しましょう。
・人間と同様、生では絶対に食べさせない
・食物繊維豊富なので食べ過ぎに注意
・アレルギーに注意
今回はしめじについて紹介しました。しめじは注意点を守れば犬猫が食べても大丈夫な食材で、手作りレシピでも大活躍する食材です。
手作りレシピを作る際は是非活用してみてください。