ツナ缶とシーキチン
ツナ缶とは、鮪や鰹などを原材料とし、塩や油などと共に缶詰に加工したものを言い、これに対し「シーチキン」ははごろもフーズ株式会社が製造販売している缶詰の商品名のひとつです。
ツナやツナ缶は種類全体を指すのに対し、シーチキンはブランド名を指す訳ですね。
安価で食べやすく美味しいツナ缶にお世話になっているご家庭も多いのではないでしょうか?
家で食べようとすると缶を開ける音に犬猫が反応し寄ってくることがあり、食べさせてもいいのか気になりますよね。
犬猫にはツナ缶を食べさせない方がいい!
始めにお話しすると、人間用のツナ缶は犬猫の健康を考えると食べさせない方がいい食材です。
鮪も鰹も犬猫に食べさせて大丈夫な魚ですが、ツナ缶には油と塩分が大量に含まれています。
今回はツナ缶を犬猫に食べさせない方がいい理由、どうしてもツナ缶を食べさせたい場合の代用方法・レシピなどを紹介・解説していきます。
犬猫がツナ缶を少し食べちゃった!大丈夫?
ツナ缶を少し食べたり舐めたりした程度なら大丈夫です。
命の危険や重い中毒症状があるようなものではありません。今後誤食が起きないように気をつけましょう。
ただし、製品によっては玉ねぎなど犬猫に危険なものが含まれている場合がありますので、これらを犬猫が口にしてしまった場合は速やかに獣医師へ連絡を取りましょう。
塩分は多い?腎臓病への影響は?
種類にもよりますがツナ缶は塩分が含まれていて、犬猫にとって過剰です。
塩分の過剰摂取は腎臓への負担となります。詳細は後述します。
水煮缶・ノンオイル・無塩など、食べさせても良い種類はある?
水煮缶・ノンオイル・無塩などの種類ですと、塩分や油分がある程度カットされていますが、複合的な理由により犬猫に食べさせるのはオススメできません。
調味料として玉ねぎエキスや醤油など犬猫の体によくないものが使われている場合があります。
成分表をよく見て有害なものが入っていなければ大丈夫ですが、あえて与える必要もないかと思います。
犬猫にツナ缶を食べさせない方がいい理由・注意点
油による肥満などの悪影響
犬猫にも多少の油は必要ですが、ほんのひと垂らし程度の量で十分です。ツナ缶には犬猫からすると大量の油が使われています。
油の過剰摂取は肥満の原因となります。嘔吐や下痢などの消化器症状を起こす可能性があります。
塩分による腎臓病や高血圧
種類にもよりますが、ツナ缶には100gあたりおおよそ0.5~1.9g程度の塩分が含まれています。
体重5kgの犬猫の塩分摂取量の目安は犬の場合は0.18g、猫の場合は0.33g。ツナ缶の塩分は犬猫には過剰です。
塩分の過剰摂取は犬猫の腎臓に負担を掛けますし、
- 高血圧
- 糖尿病
- 腎臓病
- 心臓病
などの危険な病気を患ってしまう可能性があります。
イエローファットとメチル水銀による影響
「イエローファット(黄色脂肪症)」とは、ビタミンEの不足によって皮下脂肪が酸化し、炎症を起こす病気です。
ツナ缶の原料であるマグロやカツオなどの青魚はイエローファットの原因となる不飽和脂肪酸を含んでいます。
マグロとカツオはこの他にメチル水銀という有害重金属を含んでいます。
メチル水銀を摂り過ぎると中枢神経に障害を与える危険性があります。
これらは常食させない限りそこまで危険なものではありませんが、気に掛けるに超したことはありません。
アレルギーの可能性
これはツナ缶だから特に危ないという話ではありませんが、マグロやカツオなどの魚に対し犬猫がアレルギーを発症してしまう可能性があります。
アレルギーを発症すると、
- 目の痒みや赤み
- 下痢・嘔吐
などの症状が現れます。誤食してしまった場合はこれまで述べてきた点と合わせ複合的に考え様子を見るように。
どうしても食べたがる時は
ツナ缶が犬猫にあまりよくないことをお話してきました。
しかし、毎回物欲しそうに寄ってくるのでなんとかしてあげたいというお気持ちも分かります。
そういったときは
- 犬猫用ツナ缶やウェットフードを食べさせる
- ツナを手作りする
という手段があります。
犬猫用のツナ缶やウェットフードで代用
犬猫用の缶入りペットフードが様々なメーカーから販売されていますのでこれらを活用するのが最も簡単な方法です。
犬猫用のツナ缶もマグロやカツオを加工したものなのでイエローファットが気になるところですが、ビタミンEが添加されているのでそのリスクが抑えられています。
犬猫の興味がツナではなく単に缶に反応していた時は、好みに合わせて他の食材の犬猫用缶詰を食べさせてあげるといいですね。
犬猫用手作りツナのレシピ
まぐろの香りが食欲をそそり、細かくほぐせるので量の調節もしやすいです。
ツナを食べさせてあげたい時は手作りすると安上がりですし、飼い主も一緒に食べることができます。
人間が食べる分は別皿に取って、醤油やマヨネーズで味付けを。
【まとめ】
犬猫にツナ缶は食べさせない方がいい!
- 油による肥満・嘔吐・下痢
- 塩分による腎臓や心臓への負担
- イエローファットやメチル水銀の影響
- アレルギーの可能性
などがその理由です。
食べたら今すぐ危険があるようなものではありませんが、あえて与える必要はないでしょう。
水煮缶やノンオイルのものは油や塩分が低いものの、犬猫によくない成分が入っている可能性もあり積極的に食べさせるべきではありません。
ツナを食べさせるのであれば、
- 犬猫用に市販されているもの
- マグロなどから手作りする
という手段を取るようにしましょう。