愛犬・愛猫に与えるスイカについて
夏といえばスイカというほど昔から愛される定番のフルーツ。夏の暑い日でもスイカの瑞々しい甘い赤い果肉にかぶりつけば水分補給もできて、気分もスッキリ。
犬猫と一緒にスイカを楽しめるのか確認していきましょう。
犬や猫はスイカを食べても大丈夫?
スイカは犬猫にあげても大丈夫です。スイカにはカリウム、リコピン、シトルリン、β-カロテン、ビタミンなどの栄養が豊富です。
水分を取ってくれない時に水分補給にもなります。甘さがあって水よりも多く摂取してくれるかもしれません。
ただしカリウムが多く含まれているので与える量には注意が必要です。
果物をほとんど食べない猫ですが、意外と猫もスイカを食べますので与えてみても良いと思います。
ウリ科のスイカから発見されたスーパーアミノ酸のシトルリン
1930年にスイカの果汁から発見された成分のシトルリンはアミノ酸の一種です。スイカには他の野菜や果物と比べて圧倒的にシトルリンの含有量が多いと言われています。
人用では血流改善、動脈硬化などに向けたサプリとしても使われています。
シトルリンは一酸化窒素を作り出すことができ、血管の機能維持、血行をよくします。これによって動脈硬化の緩和なども期待でき、血流を促進することからもアンモニアを取り除いたり、乳酸の消費を促すことから疲労回復の効果も期待されています。冷え性やむくみ、新陳代謝の改善や疲労回復効果も期待できます。
こうしたことからもスーパーアミノ酸と言われています。
スイカに含まれるその他の栄養素
栄養素 | 含有量(100gあたり) |
---|---|
エネルギー | 41kcal |
たんぱく質 | 0.6g |
脂質 | 0.1g |
炭水化物 | 9.5g |
カリウム | 120mg |
レチノール活性当量 | 69μg |
カリウム
スイカにはカリウムが多く含まれています。カリウムはミネラルの一種で、浸透圧の調整などの働きをします。利尿作用が期待でき、ナトリウムを排出する事で塩分の摂り過ぎを調節する重要な役割を果たします。
腎臓病・心臓病の犬猫はカリウムの過剰摂取に注意
犬猫にカリウムが悪い、腎臓心臓にカリウムが悪いという事ではありません。あくまで過剰摂取にならないように注意が必要です。
体に必要な栄養成分ですが、必要以上に摂ってしまうと余分なカリウムを処理しきれず、体内に蓄積したカリウムが心臓に負担をかけてしまう事が報告されています。
カリウムの過剰摂取が続くなどで摂取する量が体外への排出を上回ってしまうと高カリウム血症の恐れも出てきます。
四肢のしびれ、吐き気や嘔吐、筋力低下、脈拍異常といった体調不良の原因となり、最悪のケースでは死亡の危険性もあるため充分に注意しましょう。
リコピン
リコピンはトマトの1.4倍~1.5倍も含まれると言われており、抗酸化作用や血糖値を下げる効果、老化の防止の効果も期待できます。 ただし、黄色いスイカにはあまり含まれていないそうなのでリコピンに注目するなら赤いスイカがおススメです。
β‐カロテン
β‐カロテンには強い抗酸化作用が期待できます。犬はβ-カロテンを体内でビタミンAに変換し、夜間の視力維持を助けたり皮膚や粘膜の健康維持に役立ちます。
猫に関してはこのβ‐カロテン→ビタミンAの変換は行われませんが、β‐カロテン自体の強い抗酸化作用や免疫活動の活性化に役立つと考えられています。
犬や猫にスイカをあげる際の注意点
犬や猫にスイカをあげる際には、いくつかの注意点があります。
下痢に注意
スイカは水分を多量に含んでいるので食べ過ぎると下痢を引き起こすかもしれません。
しっかり冷やしたスイカがおいしいですが、冷たい食べ物は犬猫の胃腸に負担になるので、常温または冷蔵庫から出して少し温度を落ち着かせてから与えるのがおすすめです。
ウリ科にアレルギーがある犬猫は要注意
果物アレルギーの中でもバラ科、ウリ科は頻度が高い方の果物です。
スイカはウリ科なのでウリ科アレルギーがある犬猫には与えられません。
またブタクサ、オナモミ、ヨモギ、ニワトコ、ニンジンのアレルギーを持つ場合には症状がでることがあります。
下痢や嘔吐などの体調不良、かゆみなどの皮膚症状がある場合には与えることを控えるようにしましょう。場合によってはそのまま体調を崩してしまう犬猫もいます。
皮に近い部分の方がおすすめ
スイカは比較的糖分が少ないフルーツですが、中心部の方が糖が多く含まれているので中心部より皮に近い部分をカットして与えた方がより健康に気遣った与え方になります。
犬は急いで食事をとる子が多い傾向にあるため、喉に詰まらないように小さめにカットしておきましょう。
スイカを使用した人用の製品は与えないように
スイカを使った人用のゼリーやジュースなどは製造過程で大量の砂糖を使用します。
ほんのわずかなスイカジュースであったとしても犬や猫にとっては栄養過多となってしまいます。
スイカの形をしたクッキーやパンなども見かけますが、人用のスイカ加工製品は基本的には与えないようにしてください。
犬や猫にあげるスイカレシピ
犬猫にスイカをあげる際には、切ってあげるだけでなく、ほかの食材とあわせてあげることで、食いつきアップや相乗効果が得られます。以下のレシピを参考になさってください。
スイカヨーグルト
一口大にカットしたスイカに無糖のヨーグルトをかけるだけで簡単にできます。
特に夏場は水分補給におすすめとなります。ヨーグルトが好きな犬猫は多いので、食いつきを誘いヨーグルトで腸内環境を整えるのに役立ちそうです。
スイカの豆乳寒天
スイカに含まれるシトルリンで疲労回復も期待でき、豆乳の植物性タンパク質やイソフラボン、粉寒天の食物繊維で腸内環境改善や血液がサラサラになることも期待できます。
夏バテ解消、水分補給に非常に効果的です。
【まとめ】犬猫はスイカを食べても大丈夫
スイカは水分豊富で利尿効果や疲労回復が期待できる食材であり、嗜好性もよいため、犬や猫にはおすすめの食材です。
ただし過剰に与えてしまうとカリウムにより高カリウム血症起こしてしまったり、下痢や糖分過多になる可能性はありますので、少量をカットしてあげるようにしましょう。
愛犬・愛猫の生活にフルーツを取り入れ、健康的に過ごすようにしましょう!
参考資料