ヤギミルクはその名の通りヤギのミルクのことです。
クセのない良い香りをしており、様々な栄養素を持っています。
犬猫はヤギミルクを飲んでも大丈夫!
ヤギミルクは牛乳に変わるミルクとして近年大変注目を集めていて、牛乳があまり飲めない犬猫用に様々なメーカーが取り扱い始めています。
水で溶かす粉末タイプと、そのまま飲める液体タイプが存在します。
本記事では、
- ヤギミルクと牛乳はどう違うの?
- ヤギミルクを犬猫に飲ませるメリット
- ヤギミルクを犬猫に飲ませる時の注意点
- ヤギミルクを犬猫に飲ませる時の適量
などの内容についてお話します。
ヤギミルクを飲ませると太る?
飲ませすぎは肥満に繋がりますが、適量飲ませる分には脂肪の燃焼効果があると考えられています。
詳細については後ほどお話します。
ヤギミルクは牛乳と比べてどう違うの?
ヤギミルクと牛乳(100g)あたりの主な栄養素
ヤギミルク | 牛乳 |
|
---|---|---|
エネルギー | 57kcal | 61kcal |
たんぱく質 | 2.6g | 3.0g |
カリウム | 220mg | 150mg |
カルシウム | 120mg | 110mg |
リン | 90mg | 93mg |
ビタミンA | 36μg | 38μg |
ビタミンB2 | 0.14mg | 0.15mg |
ナイアシン | 0.9mg | 0.9mg |
ビタミンB6 | 0.04mg | 0.03mg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
ヤギミルクと牛乳の栄養素を比べてみると、若干の差はあるもののそこまで大きな違いはないことがわかります。
どちらともカロリーが低く、カルシウムを中心に様々な栄養素を豊富に含んでいます。
しかし、ヤギと乳牛とそれぞれ違う動物から摂取できるミルクなので、細かい成分には違いがあります。
ヤギミルクが牛乳より優れている主な点についてお話していきます。
下痢を起こしにくい
犬猫に牛乳を飲ませると、お腹を壊してしまうのでよくないという話を知っている方も多いと思います。
ヤギミルクは牛乳に比べ下痢を起こしづらいと言われており、下記がその理由とされています。
- 消化不良から下痢を引き起こす原因とされる脂肪球のサイズが牛乳の1/6と小さい
- 下痢や嘔吐を招く「食物アレルギー」を引き起こしにくい
ちなみに、様々なところで見かける「ラクトース(乳糖)が少ないので下痢を起こしづらい」という話は完全に正しいとは言い切れません。
牛乳の乳糖含有率は約4.9%、ヤギミルクは約4.2%なので確かに少ないとは言えるのですが、「ヤギミルクの方が安全」と言い切れるほどの違いではありません。
食物アレルギーが出にくい
前項で少しお話していますが、ヤギミルクは食物アレルギーを引き起こしにくい飲料です。
犬猫が牛乳を飲んで食物アレルギーとなる原因は、牛乳のたんぱく質に含まれる「αS1カゼイン」であることが研究により判明しているそうです。
ヤギミルクのαS1カゼインは牛乳の約1/10しか含まれていないため、アレルギーを引き起こしにくいのです。
タウリン含有率が約20倍!
ヤギミルクはなんと牛乳の約20倍もタウリンを含んでいます。
タウリンは体調を整えるほか、血圧やコレステロール値のコントロールにも作用します。
成分が母乳に近く、犬猫も飲みやすい
ヤギミルクの成分は人や犬猫の母乳に近いと言われており、小さな子やシニアの子でも非常に飲みやすくなっています。
また、牛乳よりも風味があるので、犬猫の嗜好性にもマッチしています。
その他の犬猫にヤギミルクを飲ませるメリット
水を飲んでくれないときの水分補給に
犬猫の水分補給はお水がいちばんですが、飲んでくれないときはヤギミルクを薄めて飲ませてあげるのもひとつの手です。
前述の通り風味があるので普段なかなかお水を飲まない子も喜んで飲んでくれるかもしれません。
カルシウムやビタミンB2などによる様々な健康効果
ヤギミルクはカルシウム、ビタミンB2、ナイアシン、タウリンなど様々な栄養素を豊富に含んでいます。
これらにより様々な健康効果が考えられます。主な効能を簡単にまとめてみます。
- 骨や歯を強くする
- 精神の安定
- 皮膚の保護や発育促進
- たんぱく質や脂質の代謝促進
中鎖脂肪酸によるダイエットサポート
ヤギミルクには中鎖脂肪酸が多く含まれています。
中鎖脂肪酸とは飽和脂肪酸の一種で他の脂肪酸より5倍早く消化されるので脂肪になりにくい上、体に脂肪を付きにくくする効果を持っているのでダイエットのサポートに効果的です。
また、中鎖脂肪酸にはこのほかにも糖尿病を予防する効果や、運動による疲労を和らげる効果にも期待が持てます。
ヤギミルクを犬猫に飲ませる時の注意点
飲ませすぎないように
犬猫も飲みやすく、栄養に優れるヤギミルクですが飲ませすぎに注意しましょう。
ダイエットサポート効果があると既にお話していますが、飲ませすぎは逆効果となり肥満を招いてしまう可能性があります。
また、飲み過ぎは栄養の過剰摂取にも繋がります。
特に尿路結佐期を患ったことのある犬猫や、腎臓・肝臓に病気がある場合は注意が必要です。
病気の犬猫に飲ませる場合は獣医師に確認を
前述の通り、慢性腎不全など、既になんらかの病気を抱えている犬猫にヤギミルクを飲ませる際は、獣医師に確認を取るようにしてください。
ヤギミルクには糖質、脂質、ビタミン、ミネラル等が含まれていますが、病気によってはこれらの摂取に制限の掛かるケースがあります。
食物アレルギーの可能性はゼロではない
ヤギミルクは食物アレルギーを引き起こしづらいとお話していますが、可能性はゼロではありません。
初めて与える時はほんの少量から与え、様子を見るようにしましょう。
下痢や嘔吐といった症状が現れた際はすぐに与えるのをやめ、ひどい様子であれば動物病院へ連絡を取りましょう。
犬猫にヤギミルクを飲ませる時の適量は?
粉末であれば体重1kgあたり1g程が適量の目安であると考えられます。
ただしこちらはあくまで目安ですので、犬猫の状況に応じて量は調整するようにしてください。
犬猫用に作られているヤギミルク商品はパッケージに給与量目安の記載があるかと思いますので、そちらを参考にしましょう。
【まとめ】犬猫はヤギミルクを飲んでも大丈夫!
犬猫はヤギミルクを飲んでも大丈夫です。
栄養素は牛乳に近く、カルシウムを中心に様々栄養素を含んでいます。
それでいながら牛乳と比べ、「下痢を起こしにくい」「食物アレルギーリスクが低い」「タウリン含有量が約20倍」「成分が母乳に近く犬猫も飲みやすい」などの利点があります。
中鎖脂肪酸が豊富なので、これによるダイエットサポート効果にも期待できます。
本記事で紹介した注意点は3つです。
- 飲ませすぎないようにしましょう。
- 病気の犬猫の飲ませる時は獣医師に相談してください。
- 食物アレルギーのリスクはゼロではありません。
風味があるので犬猫の嗜好性にあっていて、栄養もしっかりとあるヤギミルク。
様々なメーカーから犬猫用のものが販売されていますので、本記事を参考にしつつ食事に取り入れてみてはいかがでしょうか?