犬猫のマスクの誤飲に注意!マスクゴミは社会問題に!誤飲を防ぐためにも正しい処分を

ご存知の通り、2019年12月に中国の武漢市で世界初の新型コロナウイルス感染者が確認され、その後世界的に大流行し「パンデミック」と呼ばれる事態に陥りました。

もちろん日本でも大流行し「オリンピックの延期」「緊急事態宣言発令」など様々な影響がありましたね。

そんな中、屋内での着用が義務化されたマスクは、2023年3月13日より個人の判断に委ねられるようになった今でも感染予防対策に必要不可欠なアイテムです。

マスクの消費量が増えたことにより犬猫の誤飲事故も増えたといいます。

今回は犬猫がマスクを誤飲した際の危険性や対処法などについてご紹介します。

誤飲の危険性

犬猫がマスクを誤飲すると喉に詰まらせて窒息や呼吸困難を引き起こす可能性があります。

さらに、喉を通過したとしても腸管で詰まって腸閉塞を起こすリスクもあります。

腸閉塞の危険性

腸閉塞になると腸管の異物が詰まった部分に血液が流れなくなってしまいます。

そのまま時間が経過すると、血液が流れなくなった部分が壊死して腸に穴が空いてしまう可能性があります。

腸に穴が空くと大腸菌などの細菌が漏れ出し、全身で炎症を引き起こすしてしまうかもしれません。

症状がここまで進行すると最悪の場合死に至る可能性もあります。

誤飲のシチュエーション

犬猫がマスクを誤飲してしまうシチュエーションで多いものをご紹介します。

犬の散歩中

コロナ禍になって以降、マスクのポイ捨ての増加が問題視されており、街中でもマスクのゴミを見かけることが多くなりました。

わざとポイ捨てしたのか、なにかの拍子に落としてしまったものなのかはわかりませんが、それによって犬の散歩中の誤飲が増加してしまったようです。

「目を離している隙に食べてしまった」「マスクを気にしているのは気づいていたがまさか食べるとは思わなかった」ということが多いようです。

確かに皆様の常識なら落ちているマスクを食べるなんて考えられないと思いますが、犬が気になったものを囓ったり口に入れたりすることは珍しくありません。

落ちているマスクは知らない人が着用してたもので、衛生的にもよくないので犬の散歩中には近づけないようにしましょう。

猫が遊ぶ勢い

一般的なマスクは耳にかける部分が紐のようになっていることが多いと思います。

紐は猫にとって最高の遊び道具になってしまうため、遊んでいる勢いで誤飲してしまうことがあるようです。

紐の部分だけを噛みちぎって誤飲してしまうこともあるようですが、マスクを丸ごと誤飲することもあります。

特に不織布マスクの場合、猫の舌のザラザラに引っかかりやすいため、猫が吐くこともできずにそのまま飲み込んでしまうことがあるようです。

紐の部分だけの誤飲でも命に関わる可能性があります。以下の記事も参考にしてみてください。

  • 犬猫の紐や糸の誤飲に注意!消化器官に引っかかり組織が壊死してしまう可能性も

マスクの正しい捨て方

マスクや鼻水が付着したマスクを捨てる際は、早めにゴミ袋を縛った方が良いとされています。

すぐにゴミ袋を縛らない場合は、マスク等のゴミだけを小さめの袋やジップロックなどに入れてしっかり封をして捨てるのが良いでしょう。

また、蓋付きのゴミを使用することで犬猫の誤飲事故が起こる可能性を低くすることができます。

参考:環境省「新型コロナウイルスなどの感染症対策としてのご家庭でのマスク等の捨て方」

マスクはプラスチック?

不織布マスクは一見布でできているような感じがしますが、実はプラスチックを繊維のように細くして作られているものです。

原料がプラスチックなので資源ゴミに捨てるべきだと考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、使用済みのマスクはおむつやおしぼりなどと同じく「衛生用品」に分類されるものなので焼却処理を行う必要があります。

そのため「普通ゴミ」や「燃えるゴミ」として処分して問題ありません。

犬猫以外の誤飲について

マスクゴミ問題は社会問題にまで発展しており、特に「海洋ゴミ」として深刻な問題になっています。

これまでに以下のような事象が報告されています。

  • ブラジルのビーチに打ち上げられたペンギンの死体の胃の中からマスクが発見
  • 岩手県の沿岸に生息しているウミガメの排泄物からマスクが発見
  • イギリスで脚にマスクが絡まって動けなくなったカモメが保護される

このようにマスクゴミは犬猫だけでなく自然の動物にまで危害を及ぼしています。

マスクの誤飲を防ぐために

犬猫のマスクの誤飲を防ぐために日常的に行えることをご紹介します。

置きっぱなしにしない

外出から帰ってきた際などに外したマスクを置きっぱなしにするのはやめましょう。

飼い主様が付けていたマスクからは飼い主様の匂いがするため、落ちているマスクなどより犬猫の興味を引く可能性があります。

不織布マスク以外にも注意

これまでには不織布マスク以外にも、布マスクやウレタンマスクの誤飲報告もあります。

不織布マスクじゃないからと言って安心できるわけではないので注意しましょう。

誤飲してしまった際の対処法

犬猫がマスクを誤飲してしまった、誤飲した可能性があると言った場合はすぐに動物病院へ連れて行きましょう。

素早く対処することによって内視鏡で取り出せる可能性が高くなります。

対処が遅れて腸などの内視鏡での摘出が難しくなると開腹手術が必要になります。

【まとめ】マスクの誤飲は危険!

マスクの誤飲は犬猫にとって非常に危険です。

今回紹介したポイントをおさらいしましょう。

  • コロナ禍になってから発生件数が増加し、動物病院から注意喚起されている
  • 犬は散歩中の拾い食い、猫は紐で遊んでいる際の誤飲が多い
  • 窒息や腸閉塞の危険性があり、最悪の場合死に至る可能性がある

2023年3月13日からマスクの着用は個人の判断が基本になったものの、まだまだ使用する機会は少なくありません。

犬猫を飼っている方は誤飲のないように十分注意しましょう。

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鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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