クロッカスは犬猫にとって危険な植物!炎症を引き起こす成分「イリシジン」に注意

春先に開花し、春を告げる花の一種クロッカス。

背が低く小ぶりな見た目の割に大きな花を咲かせます。

比較的育てやすい植物のため園芸初心者にも人気があります。

そんなクロッカスは犬猫がいる環境でも安心して育てることができるのでしょうか。

クロッカスは犬猫にとって危険な植物!

クロッカスには犬猫にとって有毒な成分が含まれているため、犬猫が誤って食べてしまうと悪い影響を与える可能性があります。

今回はクロッカスに含まれている有毒な成分・食べてしまったときの症状や対処法などについて解説していきたいと思います。

クロッカスの基本情報

学名

Crocus vernus

科・属

アヤメ科・クロッカス属

原産地

地中海沿岸〜小アジア

開花時期

2月~4月

別名

ハナサフラン

花言葉

切望・青春の喜び

クロッカスに含まれる犬猫にとって有毒な成分

クロッカスなどのアヤメ科の植物には「イリシジン」という成分が含まれています。

イリシジンが犬猫に与える影響

イリシジンは皮膚炎を起こす可能性のある成分なので、犬猫が触れるだけでも症状が発症する可能性があります。

食べると口唇炎や胃腸炎になる可能性もあり、下痢・嘔吐を起こすかもしれません。

犬猫が好む可能性がある

アヤメ科の植物の特徴の1つとして、葉が細長く尖っているものが多いです。

このような形状の葉は犬猫が好む傾向にあるため、犬猫がクロッカスを食べてしまう可能性は高いと言えます。

一度食べて吐いても懲りずに何度も食べてしまう子もいるようです。

何度も食べて吐いてを繰り返すと犬猫の内臓や消化器官に負担がかかり、脱水症状にも繋がる可能性もあります。

犬猫が植物を食べる理由

完全肉食動物の猫や肉食寄りの雑食動物の犬にはあまり植物は必要ないように思えます。

しかし、犬猫は嘔吐を繰り返してでも植物を食べる傾向があるのはなぜなのでしょうか。

実はその理由は諸説あり、まだはっきりしていません。

犬猫が植物を食べる理由として考えられている説をいくつかご紹介します。

胃の不調を改善しようとしている

犬猫は胃に不調を感じると植物を食べて胃を刺激し、嘔吐を促そうとすることがあるようです。

嘔吐することで胃の気持ち悪さを改善しようとしていると言われています。

また、猫の場合はグルーミングの際に飲み込んだ自分の毛を吐き出す習慣があります。

手玉を吐き出しやすくするために植物を食べているというのも有力な説です。

栄養補給のため

犬猫は便秘のときやビタミン不足を感じたときに植物を食べることがあるようです。

確かに植物にはビタミンが豊富に含まれており、食物繊維には便秘改善効果があります。

犬猫がそのことを理解しているのかは定かではありませんが、本能的に体調不良の改善方法をわかっているのかもしれません。

ストレス解消

ストレスを感じている際にも植物を食べることがあるようです。

これは植物というよりは何かを食べたり噛んだりすることでストレスを解消しようとしているので、おもちゃやタオルを噛んだりすることでストレス解消効果を得ることができます。

しかし、大切なのは日常的にストレスを溜めないようにしてあげることが大切です。

普段から、遊ぶ時間を作ってあげる・しっかり触れ合ってコミュニケーションをとるなどしてあげましょう。

ただ単に楽しいから

植物を噛みちぎるという行為がただ単に楽しいから行っているという考えもあるようです。

また、人間でいうタバコやコーヒーなどの嗜好品のような存在だという意見もあります。

嗜好品だと言われると摂取する必要が無くても食べているというのは納得できます。

犬猫がクロッカスを食べてしまわないために

クロッカスは日本ではなかなか野生で生えていることはないので、家庭で育てる場合には注意しましょう。

とはいえクロッカスは一年中屋外で育てることのできる植物なので室内飼いの犬猫はほとんど接触の機会がないかと思います。

そういった点では犬猫がいる環境でも育てやすい植物と言えるかもしれません。

ちなみにクロッカスが一年中外で育てられるのは、耐寒性がとても高く冬の寒さ対策が必要ないためです。

むしろ寒さを経験しないと開花しないようなので秋に育て始めるのがおすすめされています。

もしも食べてしまったら

万が一、犬猫がクロッカスを食べてしまったらすぐに獣医師へ相談することをおすすめします。

皮膚炎や口唇炎を起こしている場合、犬猫が掻きむしってボロボロになってしまうことも考えられます。

犬猫が傷ついてしまう前に早めに動物病院を受診しましょう。

【まとめ】クロッカスには犬猫にとって有毒な成分が含まれている

クロッカスは犬猫が誤って食べてしまうと危険な植物です。成分や危険性についておさらいしましょう。

  • 「イリシジン」という皮膚炎・口唇炎・胃腸炎を引き起こす可能性のある成分が含まれている
  • アヤメ科の植物の葉は細長く、犬猫が好んで食べやすい形をしている
  • 一年中屋外で育てることができる植物なので犬猫と接触する機会は比較的少ない

今回は犬猫に対するクロッカスの危険性についてご紹介しました。

クロッカスは犬猫が食べると炎症を引き起こす成分が含まれていますが、犬猫と接触する機会が少ないという点では犬猫がいる環境でも育てやすい植物と言えそうです。

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鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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