ジンチョウゲは、香りのよい花を早春に咲かせる常緑の花木です。
手毬状に咲く花から強い芳香を放つので、初夏のクチナシ、秋のキンモクセイと並ぶ三大芳香花に数えられます。
その香りのよさや花のかわいらしさから庭木にも切り花としても楽しまれる花木です。
学名:Daphne odora
和名:ジンチョウゲ(沈丁花)
科名 / 属名:ジンチョウゲ科 / ジンチョウゲ属
参考:ジンチョウゲの基本情報
ジンチョウゲ(沈丁花)は有毒植物!毒性成分ダフネトキシン
かわいらしい花と香りのよさが人気のジンチョウゲですが、葉や花、実、樹液に至るまで全草に毒性成分が含まれることで知られています。
ジンチョウゲの主な毒性成分であるダフネトキシンの影響で、犬や猫が樹液に触れたり、葉や花などを経口摂取してしまうと痛みや炎症、胃腸障害などの中毒症状を引き起こし、場合によっては重篤な症状となることもあります。
ジンチョウゲで起こる中毒症状例
- 口腔内の痛み
- 口腔内の水疱と浮腫
- 流涎
- 嘔吐
- 腹痛
- 下痢
- 腎不全
ジンチョウゲの中毒症状は犬猫だけではなく、人間にも起こることもあるほど全草に強い毒性を持ちます。
誤食した場合、下痢や嘔吐の他にも腎臓や循環器系に重度の損傷を引き起こし、稀ではありますが命の危険もあります。
剪定した枝などの樹液に触れれば強い皮膚炎を起こし、水ぶくれなどができてしまう事もあるので、切った枝を素手で触らないように注意が必要です。
切った枝を犬猫が触れないように速やかに適切に処分することも重要です。
犬猫に対する予防
ジンチョウゲを犬猫が触れたり誤食することがないようにするためには、環境を整えることが一番の予防策となります。
ジンチョウゲは低木で樹高は1m程度なので、犬猫が簡単に届く植物です。
庭木として育てている場合には、犬猫が近づけないように囲いをするなどの工夫をするといいでしょう。
またお散歩で外出する機会が多い犬の場合は散歩コースに植えられているケースもありますので、日ごろから散歩コースに危険な植物がないか確認しておくと良いでしょう。
切り花として楽しみたいと思う方もいるかと思いますが、大変危険であるためおすすめはできません。
犬猫がジンチョウゲ(沈丁花)に触れる、誤食してしまったら
ジンチョウゲが犬猫に与える影響に関しての情報はあまり多くなく、どの程度の摂取で重篤な症状を引き起こすのか明確な数値はわかりませんでした。
しかし、ジンチョウゲは人間にとっても強い炎症や中毒症状を引き起こすほどの毒性があるので、小さく、解毒機能も弱いといわれている犬猫に与える影響は非常に大きいことが予想されます。
犬猫がジンチョウゲの樹液に触れたり、誤食してしまった場合、痛みを伴う皮膚炎を引き起こし痛みによってパニックを起こす可能性があります。
慌てず落ち着いて状況の確認を行うように心がけ、何をどのくらい食べてしまったのか、時間の経過や症状の確認をし、できるだけ早く動物病院へ相談しましょう。
犬猫の個体差によって、出る症状やその強弱は変わります。
時間が経ってから重篤な症状が現れる事もあるので、自己判断での経過観察は大変危険であると覚えておきましょう。
まとめ
ジンチョウゲは香りのよさから庭木としても切り花としても楽しまれる植物ですが、全草に毒性成分を含んでいます。
犬猫が樹液に触れてしまったり、誤食をしてしまうと皮膚炎や胃腸障害、腎臓や循環器系に重度の損傷を起こすといわれています。
この記事では、犬猫に対するジンチョウゲの危険性や対処法、そして予防策について解説しました。
犬猫にとって危険な植物の知識を正しく持ち、愛犬、愛猫の健康を守っていきましょう。