春から初夏にかけて小さな花をたくさん咲かせるのが特徴的なルピナス。
様々な色の花を咲かせますが、紫色の花が代表的でその姿は藤の花に似ています。
垂れ下がるように咲く藤に対して、ルピナスは上向きに咲くので「ノボリフジ」や「サカサフジ」などの別名があります。
そんなルピナスは犬猫がいる環境でも安心して育てることができるのでしょうか。
ルピナスは犬猫にとって危険な植物!
ルピナスには有毒な成分が含まれているため、犬猫が誤って食べてしまうと危険な場合があります。
今回はルピナスに含まれる成分・食べてしまわないための注意点・食べてしまったときの対処法などについてご紹介したいと思います。
ルピナスの基本情報
学名
Lupinus
科・属
マメ科・ルピナス属
原産地
アメリカ・テキサス州
開花時期
4月~6月
別名
キバナハウチワマメ・ノボリフジ・タチフジ・サカサフジ
花言葉
想像力・いつも幸せ
ルピナスに含まれる有毒な成分
ルピナスには「ルピニン」というアルカロイドが含まれています。
アルカロイドとは
「アルカロイド」とは、動植物に含まれているアルカリ性を示す物質の総称です。
自然界には知られているものだけでも2000種類以上ものアルカロイドが存在しています。
ルピナスに含まれるルピニンは比較的マイナーなアルカロイドですが、中には有名なものもあるのでいくつかご紹介します。
カフェイン
コーヒー・カカオ・お茶などに含まれている最も有名なアルカロイドの一つです。
犬猫は摂取してはいけませんが、人間が摂取すると覚醒作用・解熱鎮痛作用・強心作用・利尿作用があります。
過剰に摂取するとめまい・震え・不眠症・心臓への負担などのリスクがあり、死亡例もあるため注意が必要です。
人間が1日に摂取しても大丈夫なカフェイン量は400mgまでとされており、日本人の4人に1人はカフェインが合わない体質だと言われています。
ニコチン
タバコの葉に含まれることで有名なアルカロイド。
中枢神経にある「ニコチン性アセチルコリン受容体」にニコチンが結合することによって心地よさをもたらし、依存性に繋がります。
誤ってタバコの葉を食べてしまうと、強い血管収縮作用により命に関わる危険性があります。
また、ニコチンが代謝されるときに発がん性物質が発生することがわかっています。
テトロドトキシン
ふぐが持っている猛毒として有名なアルカロイドです。
毒性は非常に高く、ふぐを調理するには「ふぐ調理師」という専用の免許が必要が必要です。
さらに、調理場にはふぐの内臓を捨てる専用の鍵付きのゴミ箱の設置が条例で定められていたりと取り扱いがとてもシビアです。
ルピナスを食べた際の症状
犬猫がルピナスに含まれるルピニンを摂取すると以下のような症状が現れる可能性があります。
- 嘔吐
- 腹痛
- 血圧上昇
- 運動失調
- 呼吸不全
- 心臓麻痺
ルピニンは大量に摂取すると死に至る可能性もあるアルカロイドなので誤食のないように十分注意しましょう。
犬猫がルピナスを食べてしまわないために
ルピナスは寒さに強く、基本的に屋外で育てる植物なので室内飼いの犬猫と接触する機会はあまりないかと思います。
涼しくて乾燥している環境を好むため日本の蒸し暑い夏に弱く、日本では夏を越せないため一年草として扱われます。
基本的には種子を採取しておき、毎年秋に撒いて春に花を咲かせるというのが定番ですが、本来は多年草の植物なので上手に夏越しすると同じ株から毎年花を見ることが出来ます。
夏越しさせるには室内での管理が必要なので犬猫が接触しないように注意しましょう。
種に特に注意!
ルピニンは花が咲き終わると以下の画像のような枝豆状の種子をつけます。
ルピニンはルピナスの中でも種子に多く含まれているため、この状態のルピナスには特に注意してください。
ルピニンによる中毒症状の他にも、丸呑みによる呼吸困難や腸閉塞などのリスクも考えられます。
また、ルピナスの種子を採取する場合は茶色くなるまで待って、皮に包まれている中の種子を取り出しましょう。
もしも食べてしまったら
万が一、犬猫がルピナスを食べてしまったらすぐに獣医師へ相談することをおすすめします。
種子を食べてしまった場合は特にいち早く動物病院へ連れて行きましょう。
動物病院では必要に応じて胃洗浄や催吐処置などの適切な治療を受けることが出来ます。
【まとめ】ルピナスは犬猫にとって危険な植物
ルピナスは犬猫に取って有毒な成分が含まれているため誤食してしまうと危険です。
ルピナスに含まれている成分や危険性についておさらいしましょう。
- ルピナスには「ルピニン」というアルカロイドの一種が含まれている
- 犬猫がルピニンを摂取すると嘔吐・血圧上昇・運動失調・呼吸不全などの症状が現れ、最悪の場合死に至る可能性もある
- ルピニンはルピナスの種子に特に多く含まれているため種子には特に注意が必要
今回は犬猫に対するルピナスの危険性についてご紹介しました。
ルピナスに含まれるルピニンの毒性は犬猫の命を奪ってしまう可能性があるので、できるだけ近づけないようにしましょう。