スイセンは犬猫にとって危険な植物!人間の死亡例もあるほど強力な毒性を持っている

鮮やかな黄色や白の花を咲かせ、古来から日本で愛されてきたスイセン。

生け花や仏花としての用途が多く、12月に開花時期を迎える品種もあることからお正月を彩る花としても有名です。

そんなスイセンは犬猫がいる環境でも安心して育てることができるのでしょうか。

スイセンは犬猫にとって危険な植物!

実はスイセンには毒性があり、犬猫が誤って食べてしまうと悪い影響を与える可能性があります。

今回はスイセンに含まれる毒の成分・症状・食べてしまったときの対処法などについて解説していきたいと思います。

スイセンの基本情報

学名

Narcissus

科・属

ヒガンバナ科・スイセン属

原産地

スペイン・ポルトガル・アフリカ北部・日本

開花時期

11月~4月(品種により異なる)

別名

セッチュウカ(雪中花)・ガカク(雅客)

花言葉

うぬぼれ・自己愛

スイセンに含まれる毒性成分

スイセンには「アルカロイド」と呼ばれる成分が含まれています。

アルカロイドとは

「アルカロイド」は恐らく多くの方が聞き慣れない言葉かと思います。

他サイトを参照するとアルカロイドは以下のように説明されています。

植物界に広く分布し、動物に対して特異な、しかも強い生理作用をもつ塩基性窒素を含んだ有機化合物の総称。植物塩基ともいう。

アルカロイドとは「塩基性を示すような物質」という意で、単一の物質をさす名称ではなく、化学的には非常に広範囲の物質が含まれ、2000種以上のものが知られている。

参照:コトバンク 日本大百科全書(ニッポニカ)「アルカロイド」の意味・わかりやすい解説

この説明でも少し難しい感じがしますが、すごく簡単に言うと自然界で生成される化合物のことです。

説明文中に登場する各単語について興味のある方は簡単な説明を記載しておくので以下を参考にしてください。

  • 塩基性   ・・・一般的には「アルカリ性」とほぼ同じ意味。
  • 有機化合物 ・・・化合物のうち炭素が原子結合の中心となっている物質。
    加熱すると黒く焦げるのが特徴。例えば砂糖は焦げるので有機化合物。塩は焦げないので無機化合物。

有名なアルカロイド

皆様も聞いたことがあるかもしれない名が知れているアルカロイドをいくつかご紹介します。

カフェイン
コーヒー豆やカカオに含まれていることで有名。

ソラニン
じゃがいもの芽の毒として有名。

ニコチン
タバコに含まれることで有名。

テトロドトキシン
ふぐが持つ猛毒として有名。

アルカロイドにはカフェインやニコチンのように人間が少量摂取する分には問題ないものからテトロドトキシンのように少量でも危険性が非常に高いものまで様々です。

スイセンに含まれるアルカロイド

スイセンには以下のようなアルカロイドが含まれています。

リコリン

食後から30分以内に下痢・嘔吐・頭痛などの症状が現れます。

ひどい場合は昏睡や神経麻痺などもあり得ますが初期症状の段階で嘔吐するため重篤化はしにくいと言われています。

ガランタミン

下痢・嘔吐などの消化器異常の他に不整脈が発症することがあります。

心臓に持病を抱えている場合は特に注意が必要です。

タゼチン

下痢・嘔吐・発汗・低体温などの症状が見られます。

スイセンに含まれるアルカロイドはいずれも毒性のある物質のため注意しましょう。

人間も注意が必要

スイセンに含まれるアルカロイドは人間にとっても有毒で実際に小児や高齢者の死亡例もあります

スイセンの葉はニラに、球根は玉ねぎやニンニクによく似ていることから誤食による食中毒がしばしば起こるようです。

かつては道の駅でニラとして販売されていたものが実はスイセンの葉だった、という症例もあるので注意してください。

犬猫がスイセンを食べてしまわないために

スイセンは公園などに生えていることもあるため犬の散歩中には近づけないようにするのが良いです。

フラワーギフトなどでスイセンを貰い、花瓶などに入れて飾る場合は犬猫の手が届かないところで管理するようにしましょう。

犬猫の入らない部屋やトイレに飾るのがおすすめです。

もしも食べてしまったら

万が一犬猫がスイセンを食べてしまったらすぐに口の中に残っている分を取り出してあげましょう。

ただし既に飲み込んでしまったものを素人が無理矢理吐き出させようとするのは危険です。

すぐに獣医師へ相談することをおすすめします。

【まとめ】スイセンは犬猫にとって危険な植物

スイセンは犬猫が誤って食べてしまうと危険な植物です。成分や危険性についておさらいしましょう。

  • スイセンにはアルカロイドと呼ばれる毒性のある成分が含まれている
  • 人間に対しても有毒で、死亡例があるほど毒性が強い
  • 公園などにも生えていることがあるため犬の散歩中などは近づけないようにする

今回は犬猫に対するスイセンの危険性についてご紹介しました。

スイセンには人間でも死亡例があるほど強い毒性があるため犬猫が食べてしまわないようにし、皆様も誤食には十分注意してください。

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鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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