ユッカは犬猫に安心の観葉植物!ペットフードにも使用されるユッカ抽出物の効果とは

まっすぐ伸びた幹から細長く尖った葉を付けるのが特徴的なユッカ。

風水的にも良い意味を持っており、観葉植物として人気の植物です。

そんなユッカは犬猫がいる環境でも安心して育てることができるのでしょうか。

ユッカは犬猫がいても安心な植物!

ユッカには犬猫にとって有毒な成分は含まれていないため比較的安心な植物といえます。

ユッカから抽出した成分はペットフードに使用されることもあります。

今回はユッカに含まれる成分や犬猫がいる環境での正しい育て方についてなどご紹介したいと思います。

ユッカの基本情報

学名

Yucca gloriosa

科・属

リュウゼツラン科・イトラン属

原産地

北アメリカ南部

開花時期

5月~6月

別名

青年の木

花言葉

勇壮・偉大

ユッカはペットフードに使用される

前述したようにユッカから抽出した成分がペットフードに使用されることもあります。

そのような成分は犬猫にどんな効果をもたらすのでしょうか。

ユッカに含まれる成分

ユッカには「サポニン」というポリフェノールの一種が含まれています。

以下のような記事ではサポニンを犬猫にとって良くない成分として紹介していますが、サポニンにもいくつか種類があり、ユッカに含まれるサポニンは犬猫に無害です。

  • キキョウは犬猫にとって危険な植物!人間には薬になる成分サポニンの犬猫への影響とは
  • アイビーは犬猫にとって危険な観葉植物!サポニンによる下痢や嘔吐の可能性あり

上記の記事で紹介しているサポニンを犬猫が摂取すると、下痢・嘔吐・胃腸炎・貧血・意識障害などの症状を発症する可能性があります。

ところがユッカに含まれるサポニンは無害どころか犬猫にとって良い効果をもたらしてくれます。

ユッカを摂取するメリット

犬猫がユッカを摂取すると以下のような効果が見込めます。

  • 抗炎症作用
  • 抗腫瘍作用
  • 抗酸化作用
  • 消臭作用

ユッカに含まれるサポニンは「ステロイドサポニン」と呼ばれ、抗炎症作用や抗腫瘍作用があるのが特徴です。

人間や動物の関節炎に対しての効果についての論文も多く発表されており、犬猫用関節サポートのサプリメントにも使用されています。

また、犬猫の排泄物の匂いを抑える効果もあり、ペットフードにユッカ抽出物が使用されるのは消臭効果が目的の場合が多いようです。

生のユッカは基本的には食べさせないようにする

犬猫にユッカ抽出物が含まれるペットフードを与えるのは問題ありませんが、生のユッカの葉などはできるだけ食べさせないようにしましょう。

完全肉食動物の猫や肉食寄りの雑食動物である犬は、元々植物の消化が苦手なため食べ過ぎると消化不良から下痢や便秘を引き起こす可能性があります。

それに、あまり犬猫がユッカを食べてしまうとせっかくインテリアとして置いているユッカの見た目が悪くなってしまいます。

犬猫はなぜ植物を食べるのか?

「ペットグラス」という犬猫が食べる用の植物が売っているほど犬猫は植物を好んで食べることが多いです。

肉や魚を主食とする犬猫が植物を食べる理由は以下のように言われています。

胃腸の不快感を改善するため

犬猫は胃腸に不快感を感じたときに、植物を食べて胃を刺激して嘔吐を促す傾向があるようです。

また、猫は毛づくろいや体温を下げる目的で自らの身体を舌で舐める「グルーミング」という行為を行います。

その際に飲み込んだ毛を定期的に毛玉として吐き出す習慣がありますが、その際に吐き出しやすくするために植物を食べるとも言われています。

ストレス解消

ストレス解消のために植物を食べるとも言われています。

人間と同じように犬猫にとってもストレスは様々な病気につながる可能性があるため、普段から運動やコミュニケーションなどでストレスを溜めないようにしてあげましょう。

ただ楽しんでいる

植物を噛んだりちぎったりすることを純粋に楽しんでいるだけということもあるようです。

どういった理由にしても犬猫が好んで植物を食べるようならユッカなどの観葉植物ではなく、ペットグラスなどの犬猫用に作られたものを与えてあげましょう。

異常があればすぐに獣医師へ相談

もしも犬猫がユッカを食べたあとに様子がおかしければすぐに獣医師へ相談することをおすすめします。

植物を食べたことによる一時的な嘔吐などはあるかもしれませんが、症状が収まらない場合は重篤化の可能性もあります。

また、丸呑みしてしまっている場合は呼吸困難・窒息・腸閉塞などの可能性もあるので、異変に気づいたらすぐに獣医師へ相談し、必要に応じて動物病院を受診しましょう。

【まとめ】ユッカには犬猫にとって危険な成分は含まれていない

ユッカには犬猫にとって有毒な成分は含まれていないため、万が一食べてしまっても比較的安心な植物です。

今回ご紹介したポイントや注意点をおさらいしましょう。

  • ユッカには抗炎症作用や抗腫瘍作用のある「サポニン」というポリフェノールの一種が含まれている
  • ユッカ抽出物には犬猫の排泄物の匂いを抑える効果があり、ペットフードに使用されていることもある
  • 犬猫が生のユッカを食べると消化不良になってしまう可能性もあるのでできるだけ食べさせないようにする

今回は犬猫を飼っている環境でのユッカについてご紹介しました。

ユッカは比較的安全な観葉植物ですが、毒性のある観葉植物もあるため検討中の方は必ず一度調べてみましょう。

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鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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