犬猫はふぐを食べても大丈夫?ふぐ毒のリスクと安全性の考え方

犬猫にふぐを与えてもよい?

刺身や鍋料理で知られる高級魚「ふぐ」。
しかし、ふぐには強い自然毒が存在するため、犬猫に与えてよいかどうかは慎重に判断する必要があります。

この記事では、ふぐ毒(テトロドトキシン)の公的情報や犬猫に与える場合の安全性の考え方について、整理します。

ふぐ毒(テトロドトキシン)について

テトロドトキシンの特徴

  • 神経毒であり、電位依存性ナトリウムチャネルを阻害する
  • 少量で呼吸麻痺を引き起こす
  • 解毒薬は存在しない(厚労省資料より)
  • 主に肝臓・卵巣・腸管などに高濃度で含まれる

症状(人で確認されているもの)

  • 口唇・舌のしびれ
  • 嘔吐
  • 運動麻痺
  • 呼吸困難
  • 重症例では死亡

発症は通常摂取後20分~3時間以内とされています。

参考:厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル:魚類:フグ毒」
参考:東京都福祉保健局「危険が一杯 ふぐの素人料理」

有資格者により正式に処理をされたふぐなら大丈夫?

ふぐは都道府県条例に基づき、有資格者のみが処理できる魚であり、食用として流通しているものは有毒部位が適切に除去され、可食部位のみが販売されています。

厚生労働省や自治体の定める基準に従って処理された製品は、人が食べる前提で安全管理が行われています。しかし、この安全性はあくまで人の摂取基準に基づくものです。犬猫に対するテトロドトキシンの安全域や給与試験などの公的評価は確認されておらず、与えてよいとする根拠は現時点で確認できていません。ふぐは犬猫にとって栄養的な必要性もないため、犬や猫に積極的に与えることは推奨されません

愛犬・愛猫にふぐを与える前に考えたいこと

「おいしいものは少し分けてあげたい」と考えるのは飼い主として自然なことです。ただし、犬や猫の食事は人と同じ基準では設計されていないことを忘れてはいけません。

公的に犬猫への給与が評価された食材ではない以上、ふぐをあえて選ぶ必要性は高いとはいえません。日常の栄養は総合栄養食で十分に満たされることを考えると、リスクを伴う可能性のある食材は避けるという判断も、ひとつの安全策といえるでしょう。

ふぐに限らず、生魚を与える前に知っておきたいこと

ふぐは刺身で食べられる魚ですが、犬や猫に魚の生食を積極的に与えることはおすすめできません。

厚生労働省は、アニサキスなどの寄生虫が多くの海産魚に存在することを示しています。これはふぐも例外ではありません。

養殖ふぐは人工飼料で管理されるため、天然物に比べて寄生リスクが低い可能性はありますが、飼育環境や管理状況によって異なるため、寄生の可能性が完全にゼロになるわけではありません。また、生魚は鮮度管理が不十分な場合、細菌性食中毒のリスクも否定できません。さらに、一部の魚にはチアミナーゼ(ビタミンB1分解酵素)が含まれることが知られており、長期的な偏食は栄養バランスを崩す可能性があります。

犬猫の食事は総合栄養食を基本とする設計であることを踏まえると、あえて生魚を与える必要はないでしょう。

【まとめ】

ふぐには厚生労働省が示す強い神経毒テトロドトキシンが含まれており、解毒薬は存在しません。食用として流通しているものは、有資格者が条例に基づき有毒部位を除去した可食部位のみであり、人の基準では安全管理が行われています。しかし、その安全性はあくまで人を対象としたもので、現時点で犬や猫に対する給与試験や安全域の公的評価は確認されていません。

ふぐは強い自然毒を持つ魚であり、処理を誤れば重篤な中毒を引き起こす恐れがあります。公的にも毒性の強さが示されている食材である以上、あえて犬や猫に与える必要性は高くありません。安全性を最優先に考えるなら、少しでもリスクが否定できない食品は避けるという判断が、結果として愛犬・愛猫の健康を守ることにつながります。

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鈴木 利奈

鈴木 利奈ペットフードアドバイザー

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WEBサイトのキャットフード勉強会、ドッグフード勉強会の旧管理者。現在は犬猫レシピの記事を執筆・監修しています。ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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