ウサギ肉は現在の日本国内ではあまり食べられていませんが、世界的には多くの地域で食べられているお肉です。
調理方法は国によって様々で、オーブン焼き・ワイン煮込み・リゾット・パエリア・マリネ・串焼きなど、多種多様なレシピが考案されています。
犬猫はウサギ肉を食べても大丈夫
海外産のものを中心に、ウサギ肉を使った犬猫用のフードが生産・販売されています。
本記事では、
- 世界で食べられているウサギ肉
- ウサギ肉ってどんな味?
- ウサギ肉を犬猫に食べさせるメリットや注意点
などの内容についてお話していきます。
世界で食べられているウサギ肉
冒頭でお話しましたが、ウサギ肉はタイ・マレーシア・ヨーロッパ地域・北米・アフリカなど世界中多岐に渡る国で食べられています。
日本のように、ウサギ肉を食べる文化があまり根付いていない国のほうが珍しい存在です。
フランスでは高級食材として扱われていて、飼育されているウサギの肉を『ラパン』、野生のウサギ肉のことを『リエーブル』と呼んでいます。
フランスでは野生動物の肉を食する文化「ジビエ」が根付いていますが、『リエーブル』の方がより高級なものとして取り扱われているようです。
ウサギ肉はどんな味?
『ラパン』なのか『リエーブル』なのかによって味に差が生じる傾向にあります。
- 『ラパン』:脂肪分が少なく、やわらかい肉質をしている。味は淡泊で鶏のささみに近い。
- 『リエーブル』:パサつきがあり固い肉質をしている。野性味ありクセが強い。
人が食べる場合は『ラパン』の方が食べやすく、『リエーブル』は好みが分かれると言えるでしょう。
犬猫はより風味の強い食べ物に食いつく傾向があるので、『リエーブル』を好むかも知れません。
犬猫にウサギ肉を食べさせるメリット
嗜好性が高く犬猫の好みに合っている
既に触れていますが、犬猫にとって食べ物の匂いの強さは食いつきを左右する要因の一つです。
ウサギ肉は一般的に食されているお肉より風味が強く、犬猫の嗜好性に適しています。
また、ウサギは猫にとって野生動物の中でも特に好物であると言われています。
ダイエット中のたんぱく質に
ウサギ肉は100g中、エネルギーが約146kcal、たんぱく質が約20gと低カロリー高たんぱくなお肉です。
たんぱく質は臓器や皮膚など体づくりに必須の栄養素であり、筋肉づくりにも重要です。
筋肉の増加は基礎代謝の増加に繋がるため、痩せやすい体になります。
新奇たんぱく質の可能性が高く、アレルギー対策になる
犬猫がまだ一度も口にしたことのないたんぱく質を総じて「新奇たんぱく質」と呼びます。
食物アレルギーは、食べ物に含まれるたんぱく質に対して免疫が異常反応を見せることで稀に発症します。
犬猫がいままで口にしたことのない「新奇たんぱく質」であれば、免疫が過剰に反応するリスクが低く、チキンやビーフでアレルギーを発症している子でも食べられる可能性があります。
栄養素による疲労回復などの健康効果
ウサギ肉にはたんぱく質のほか、ビタミンやミネラルも豊富です。
ウサギ肉から摂取できる栄養素から考えられる健康効果を簡単にまとめてみます。
- ビタミンB1:糖質の代謝を助けエネルギーを作り出すので、疲労回復効果があります。
- ビタミンB2:新陳代謝を促進し、皮膚や粘膜の成長に役立ちます。
- パンテトン酸:動脈硬化を予防する効果があるほか、ストレスを和らげる効果にも期待できます。
- ナイアシン:炭水化物やたんぱく質の代謝に不可欠な栄養素です。皮膚を乾燥から守る働きがあり、不足すると皮膚炎が起こることがあります。
犬猫にウサギ肉を食べさせる時の注意点
嗜好性の高さに注意
既にお話していますが、ウサギ肉などの野生動物の肉は野生の風味が強く犬猫の嗜好性に合っています。
そのため犬猫がウサギ肉を非常に気に入った場合、普段のフードを食べなくなる可能性があります。
もしウサギ肉を与えるのであれば、
- たまのご褒美でごく少量のみにする
- 普段のフードもきちんと食べるようにしつけをしっかりと行う
などの点に気を付けるようにしましょう。
野生のウサギには病原菌の可能性が
野生のウサギに触れることで、野兎病と呼ばれる病気に感染してしまう恐れがあります。
大変感染しやすく、重症になることも多い病気です。
犬猫が感染すると、「発熱」「食欲不振」「身体の腫れ」などの症状を引き起こし、深刻な場合は「敗血症」となり命の危険も考えられます。
予防のためには下記の点などに気を付けましょう。
- 触れることが感染原因となるため、野山などで野生のウサギや死骸を見つけても犬猫を近寄らせない
- ウサギ肉を購入する時は、衛生面がしっかりクリアされているのか確認する
【まとめ】犬猫はウサギ肉を食べても大丈夫
ウサギ肉は犬猫が食べても大丈夫です。
大きく2種類に分かれ、飼育されたウサギの肉を『ラパン』、野生のウサギの肉は『リエーブル』と呼ばれています。
ウサギ肉は野性味がありながら食べやすいので犬猫の嗜好性に適している上、アレルギーリスクの低い食材です。
たんぱく質やビタミンB群も豊富で、体づくりや疲労回復効果に期待できます。
嗜好性の高さや野生のウサギの病原菌に注意が必要ですが、与えてみるのも選択肢の1つです。