犬猫はココアを飲んではいけない!テオブロミンやカフェインの危険性をご紹介

ホットでもアイスでも美味しく飲むことができ、好んで飲む方も多いココア。

飲み物だけでなくココアパウダーはスイーツ作りにも使用されることがあり、私たちの生活には身近な存在になっています。

そんなココアは犬猫が飲んでも大丈夫なのでしょうか。

犬や猫はココアを飲んではいけない!

ココアには犬猫が中毒症状を引き起こす可能性のある成分が含まれているため、犬や猫はココアを飲んではいけません。

今回はココアに含まれる成分や、犬猫が飲んでしまった場合の対処法などについてご紹介したいと思います。

ココアとカカオは違う?

ココアとカカオは音だけ聞くととても似ているため、発音に揺れがあるだけで同じものを指しているようにも思えます。

カカオは16世紀頃にメソアメリカ(現在のメキシコ~コスタリカ辺りの地域)で発見されました。

その後、ヨーロッパに伝わるときに「カカオ」が訛って「ココア」と呼ばれるようになったと言われています。

語源が同じココアとカカオですが、現在ではきちんと違うものとして扱われています。

ココアの元となるのがカカオ

ココアはカカオを原料として作られています。以下の図をご覧ください。

ココアの製造図

まず、ココアの元となるカカオ豆は焙煎・皮剥された後、細かく砕かれます。

カカオ豆が砕かれると「ココアバター」と呼ばれる脂肪分が出てきてドロドロの液体のようになります。

この状態を「カカオマス」といい、チョコレートはこのカカオマスから作られます。

カカオマスから脂肪分のココアバターを取り除くと「ココアケーキ」という固形のココアが出来上がります。

これを砕くと市販されているココアパウダーに近いものになります。

実際にココアが出来る過程はもっと複雑ですが、ざっくりとした流れはこのようになっています。

ココアはカカオからココアバターを取り除いたもので同じものではありません。

海外でも日本と同じようにココアとカカオは別のものとして言い分けられています。

ココアに含まれる成分

ココアはチョコレートと同じくカカオを主原料としているため、チョコレートと同じ危険な成分が含まれています。

カカオを原料とするものには犬猫にとって危険な成分が大きく二つ含まれているのでご紹介します。

テオブロミン

カカオを原料とするものに含まれる「テオブロミン」は、人間にとっては気分や集中力を高める作用がある成分です。

犬猫はこのテオブロミンを体外へ排出する能力が低いため、中毒症状を引き起こす可能性があります。

犬猫がテオブロミンを摂取した場合の症状は、落ち着きが無くなって興奮状態になる・下痢・嘔吐などがあります。

更に症状が進行すると神経や心臓に負担がかかり、最悪の場合死に至る可能性もあるので注意しましょう。

カフェイン

コーヒーなどに含まれることでお馴染みの「カフェイン」も人間が適量摂取することで良い効果が見込めます。

覚醒作用や呼吸機能・運動機能を高める作用などがあり、集中力を高めたいときに飲むことが多いです。

しかし、身体の小さい犬猫にとっては刺激が強すぎるため、下痢・嘔吐・動機・不整脈・痙攣などの中毒症状が現れる可能性があります。

また、人間の場合でもカフェインの摂りすぎは体に良くありません。

健康な成人の場合、1日の悪影響のない最大カフェイン摂取量は400mgと言われています。

コーヒーや緑茶などをよく飲む方は超えてしまわないように注意してください。

チョコレートよりは危険性は低い

ココアはお湯やミルクで薄めて飲むものなので、危険度はチョコレートに比べると低いと言えます。

しかし、犬猫の中にはココアの味や甘味を好む場合もあるので、目を離しているうちにあっという間にたくさんのココアを飲んでしまう可能性があります。

危険度が低いとは言え、油断はせずに犬猫の誤飲を防ぎましょう。

純ココアと調整ココアについて

市販されているココアには「純ココア」と「調整ココア」があります。

純ココアは前述した課程で作られたココアケーキを砕いたココアパウダーに、添加物などをほとんど加えていないもののことを言います。

それに対し、調整ココアはココアパウダーに砂糖や脱脂粉乳などを加え口当たりを良くしたもののことを言います。

純ココアの方が調整ココアより同重量でのテオブロミンやカフェイン含有量が多いです。

しかし、調整ココアには砂糖摂取による肥満や糖尿病など別のリスクもあるので注意しましょう。

犬猫がココアを飲まないために

皆様がココアを飲む際に煎れたココアに興味を持った犬猫が飲んでしまう可能性があるので、ココアからは目を離さないようにしましょう。

また、ココアパウダーを保存する際には犬猫の手が届かないところで保管しましょう。

アルミの袋に入っているようなものは犬猫が食い破ってしまう可能性があります。

缶や瓶に入っているようなものは比較的安全ですが、何かの拍子に蓋が開いてしまう可能性もあるので扉付きの棚などの中に保管するのが良いでしょう。

もしも飲んでしまったら

万が一、犬猫がココアを飲んでしまった場合はすぐに動物病院へ連絡し獣医師の意見を聞きましょう

その際にいつ・どのぐらい飲んでしまったか説明できるようにしましょう。

【まとめ】犬猫はココアを飲んではいけない

犬猫はココアを飲んではいけません。今回のポイントをおさらいしましょう。

  • チョコレートにも含まれる「テオブロミン」により神経や心臓に負担がかかり最悪の場合死に至る可能性がある
  • コーヒーにも含まれる「カフェイン」により下痢・嘔吐・動機・不整脈・痙攣などの中毒症状が現れる可能性がある
  • もしも飲んでしまったらすぐに獣医師へ連絡し意見を聞く

今回は犬や猫がココアを飲んだ際の危険性についてご紹介しました。

命に関わる危険性もある飲み物なので誤飲がないように十分注意しましょう。

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鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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