アイナメは珊瑚礁やテトラポットの近くなど、浅い岩礁域に生息している魚です。
都心部のスーパーで取り扱っていることはあまりないようですが、海に近い地域では比較的容易に購入できるようです。
刺身や汁物といったシンプルな食べ方のほか、皮目が美味しいのでムニエルなどで皮付きのまま調理するのも人気です。
犬猫はアイナメを食べても大丈夫!
犬猫に毒性のあるものは含んでいません。
一部のメーカーからはアイナメを使った犬猫用のおやつなども販売されています。
本記事では、
- アイナメってどんな魚?
- アイナメを犬猫に食べさせるメリットや注意点
- 犬猫用のアイナメを使った手作りフードのレシピ
などをお話していきます。
アイナメってどんな魚?
アイナメはカサゴ目アイナメ科に属する魚です。
日本各地の岩礁帯やテトラポッド、防波堤などの陰に生息しており、体長30~40cmほどの個体が中心です。
カサゴ目なのでカサゴと同様に背びれにトゲがありますが、アイナメのトゲは柔らかく尻尾まで続いています。
どんな味?
アイナメは高級魚としても知られており、上品で優しい味をしているのが特徴です。
肉は白身でコリコリとして弾力があり、甘みも持ちあわせています。
煮込み料理などを行うと身から脂がしみ出すので、トロトロとした食感が楽しめる魚でもあります。
旬の時期は?
最も脂がのる時期は春から夏にかけてと言われています。
アイナメは1年を通して水揚げされますが、秋の産卵に向けてたくさんエサを食べ栄養を蓄えているのがこの時期なのです。
アイナメとアブラメってどんな関係?
アイナメとアブラメは同じ魚です。
アイナメが正式名称ですが、青森県あたりの地域で「アブラメ」と呼ばれています。
これ以外にも
- 「アブラコ」(北海道)
- 「ネウ」(宮城)
- 「モイオ」(富山)
- 「シンジョ」(新潟、秋田)
- 「ツムギ」(徳島)
- 「シジュウ」(北陸)
など、地域によって様々な名称が付けられています。
アイナメの主な栄養素表
アイナメ(生)100gあたりの主な栄養素
含有量 | |
---|---|
エネルギー | 105kcal |
たんぱく質 | 15.8g |
カリウム | 370mg |
リン | 220mg |
ビタミンD | 9.0μg |
ビタミンE | 1.7mg |
ビタミンB1 | 0.24mg |
ビタミンB2 | 0.26mg |
ナイアシン | 6.1mg |
ビタミンB12 | 2.2μg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
アイナメは白身魚らしく低カロリーでありながらたんぱく質とビタミンB群を豊富に含んでおり、身体作りやダイエット、疲労回復に期待できる食材です。
これ以外にはビタミンDが特に多く含まれており、骨や歯の強度を高める効能に期待できます。
アイナメの持つ栄養素により考えられる健康効果
アイナメに含まれる主な栄養素と、考えられる健康効果を簡単にまとめます。
- たんぱく質:筋肉・臓器・血管など、体の大切な部分を作る主成分です。特に成長期の犬猫には多量のたんぱく質が必要です。
- カリウム:体内のナトリウム濃度を調整します。体のむくみ解消にも。
- リン:カルシウムと共に骨を形成する栄養素です。代謝促進や神経の伝達をサポートする働きも持っています。
- ナイアシン:糖質や脂質の代謝を促す補酵素として機能します。皮膚や粘膜の強化、脳神経の働きをサポートする効果も持っています。
- ビタミンB12:葉酸と力を合わせてDNAの生成を促進します。ヘモグロビンの合成を助けるので、貧血予防効果も期待できます。
犬猫にアイナメを食べさせる時の注意点
アニサキスに注意!不安な場合は加熱を
アイナメは「アニサキス」と「メタセルカリア」の2種類の寄生虫を宿している可能性があります。
メタセルカリアは万が一口にしても無害のことが多く、あまり気にせずとも大丈夫です。
問題はアニサキスです。生きたまま口にすると、
- 激しい頭痛
- 下痢・嘔吐
といった食中毒症状を引き起こしてしまうことがあります。
アニサキスは60℃以上で1分、もしくは70℃以上の加熱処理で死滅します。
このほか、-20℃以下での冷凍処理や、包丁などで身体を細かくきざむことでも対処可能です。
アイナメを犬猫に食べさせる時は、高温での加熱や包丁で叩くなど処理をしてアニサキス対策を行ってください。
生食が不安な場合は加熱して与えるようにしましょう。
骨の処理は必ず行うように
アイナメは細くて長く、そして固い骨を多く持っていますいるため、犬猫が口にすると口や体内を傷つける原因となります。
特に身体の小さな犬猫やシニアの犬猫には危険ですので、しっかりと骨の処理を行い、身と皮部分のみを与えるようにしましょう。
犬猫に食べさせるアイナメを使った手作りレシピ
こちらは真鯛を使ったレシピですが、アイナメでも同様に作ることができます。
皮をパリッと焼くことで香ばしくなり、犬猫の食欲をそそります。
余った分には白ワインや塩などで味付けすると私たちも美味しく食べることができます。
【まとめ】犬猫はアイナメを食べても大丈夫!
犬猫はアイナメを食べても大丈夫です。
上品で優しい味わいを持った白身魚で、身はコリコリとして弾力があり甘みも持ち合わせています。
低カロリーかつたんぱく質・ビタミンB群・ビタミンDなどを豊富に含むので、体作りや疲労回復、骨や歯の強化などに期待できる食材です。
本記事でお話した注意点は2つです。
- 寄生虫アニサキスを宿していることがあるので、加熱などで必ず対処しましょう。
- 固い骨がたくさんあるので、犬猫に食べさせる前に必ず処理をしてください。
都心部で見かけることはあまりありませんが、美味しく栄養素も多く含むアイナメ。
新鮮なものが手に入ったら、愛犬愛猫の食事にとりいれてみてはいかがでしょうか?