犬猫はアマランサスを食べても大丈夫!キヌアとは違う?ミネラル豊富なスーパーフード

南米の山岳地域で古くから栽培され、古代インカ帝国では主食として食べられていたアマランサス。

高い栄養価からスーパーフードとして知られており、ヴィーガンの方にも人気の食材です。

そんなアマランサスは犬猫が食べても大丈夫なのでしょうか。

犬や猫はアマランサスを食べても大丈夫!

犬や猫はアマランサスを食べても大丈夫です。

今回は犬猫にアマランサスを与える際の注意点やポイントについてご紹介したいと思います。

アマランサスとは

アマランサスは「スーパーグレイン(脅威の穀物)」とも言われるほど栄養価の高い食材です。

その栄養価の高さから世界保健機関(WHO)から「未来の食物」と評価されています。

アマランサスは花も有名で、夏から秋に赤い特徴的な花を咲かせます。

アマランサスの花

アマランサスの花

植物園などで見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

キヌアとの違い

アマランサスによく似た食材で「キヌア」があります。

キヌアもアマランサスも見た目がよく似ていて同じヒユ科の植物です。

しかしキヌアはヒユ科アカザ属なのに対してアマランサスはヒユ科ヒユ属に分類されるため植物学上は少し違う植物ということになります。

また、調理の際にキヌアは水を吸って膨らむのに対しアマランサスはあまり水を吸わないという特徴があります。

キヌアについては以下の記事も参考にしてみてください。

  • 犬猫はキヌアを食べても大丈夫!国連にも認められた「完全栄養食」犬猫への影響は?

アマランサスに含まれる代表的な栄養素

アマランサスに含まれる栄養素をキヌア・玄米と比較して見てみましょう。

アマランサス・キヌア・玄米 可食部100gあたりの栄養比較表

栄養素アマランサスキヌア白米
エネルギー343kcal344kcal342kcal
たんぱく質11.3g9.7g5.3g
脂質5.0g2.7g0.8g
利用可能炭水化物57.8g67.1g75.6g
食物繊維総量7.4g6.2g0.5g
カリウム600mg580mg89mg
カルシウム160mg46mg5mg
リン540mg410mg95mg
マグネシウム270mg180mg23mg
9.4mg4.3mg0.8mg
ビタミンE1.3mg2.6mg0.1mg
葉酸130μg190μg12μg

参考資料:八訂 食品成分表 2022

三大栄養素

アマランサス・キヌア・白米のカロリーを比べてみるとほとんど同じであることがわかります。

エネルギーを持つ三大栄養素(たんぱく質・炭水化物・脂質)のうちたんぱく質と脂質の含有量はアマランサスが一番多くなっています

炭水化物の含有量は白米が一番多く、キヌアはこの2つの間を取ったような含有量になっています。

たんぱく質は皮膚・被毛・内臓などの体を作るのに必要な材料であるとともに、犬猫にとって人間以上に大切なエネルギー源です。

炭水化物や脂質も大切なエネルギー源ですがたんぱく質に比べて摂りすぎによる肥満のリスクが高いです。

ミネラル類

カリウム・カルシウム・リン・マグネシウム・鉄などのミネラル含有量はアマランサスが一番多いです。

特に白米と比べてみるとカリウムは約6.7倍、カルシウムは32倍、リンは約5.7倍、マグネシウムは約11.7倍、鉄は11.75倍とアマランサスのミネラル含有量の多さがわかります。

各ミネラルの働きを以下に簡単にまとめます。

カリウム

  • 腎臓や心臓の働きのサポート
  • 神経伝達やエネルギー代謝に関与
  • ナトリウムと共に細胞の浸透圧を調整

カルシウム

  • 丈夫な骨を作る材料となっている
  • 細胞間の情報伝達や神経刺激の伝達に関与

リン

  • カルシウムと共に丈夫な骨を作る
  • 細胞膜を構築する材料となっている
  • 腎臓の働きをサポートする

マグネシウム

  • 体内のあらゆる代謝に関与している
  • 神経伝達や筋肉の収縮に必須の成分
  • 心臓の働きをサポートする
  • カルシウムやリンと共に骨を構成する成分になっている

  • 赤血球中のヘモグロビンやミオグロビンを構成する重要な成分
  • 不足すると貧血や発育不良がみられる

このようにミネラルは体にとって欠かせない栄養素ですが鉄の過剰摂取は嘔吐や下痢を引き起こす可能性があります。

また、カルシウム・リン・マグネシウムはバランス良く摂取しないと尿路結石のリスクがあるなど摂りすぎには注意しなくてはいけません。

犬や猫へのアマランサスの与え方

アマランサスは乾燥した状態で販売されているので10~15分ほど茹でて柔らかくしてから犬猫に与えましょう

茹でたアマランサスはプチプチした食感があり変わった食感を楽しんでくれるかもしれません。

そのままスープに使うのもいいですし普段与えているフードに混ぜたり他の手作りご飯にトッピングしてあげるのも良いでしょう。

スープのレシピは以下のようなものを参考にしてみてください。

豚の肉団子スープ

犬猫が好みやすい豚の肉団子を使った食欲を刺激するスープレシピ。

豚肉と野菜の旨味が溶け込んだスープでおいしく水分補給ができます。

中には普段食べ慣れないアマランサスを不審に思ったりプチプチ食感を好まない犬猫もいるかもしれません。

そんな場合は無理矢理与えずに諦めましょう。

【まとめ】犬猫はアマランサスを食べても大丈夫

犬猫はアマランサスを食べても大丈夫です。今回のポイントをおさらいしましょう。

  • 様々な栄養が含まれているバランスフード
  • ミネラル含有量はキヌアを凌ぐほど含まれているが一部ミネラルは過剰摂取のリスクがあるため摂りすぎ注意
  • 犬猫がアマランサスを好まない場合は無理に与えずに諦める

今回は犬や猫にアマランサスを与える注意点を解説しました。

犬や猫の健康を考える上で、正しい与え方を守り、バランスの良い食事を提供することが大切です。

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鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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