犬猫はびわを食べても大丈夫!
出回る時期が限られており、皮が薄くて傷みやすい事もあり果物の中では高級品なびわ。
そのオレンジ色の果肉には様々な健康効果が期待できる強い抗酸化作用がある栄養素がたっぷり含まれています。
びわの果肉には犬猫に有害な成分は含まれていないので、食べても大丈夫な食材です。
ただし葉や、種には中毒症状を引き起こす自然毒が含まれているので、犬猫に葉を使った加工品(びわ茶等)や種子は食べても大丈夫とは言えません。
びわの葉や種子に含まれる『アミグダリン』に要注意!
びわの葉や種子には『アミグダリン』と呼ばれる自然毒が含まれ、このアミグダリンが体内で分解されると青酸が発生します。
1粒の種子に含まれる量はわずかですが、何粒も大量に食べてしまうと健康を害するほどの中毒症状を引き起こすことがあります。
アミグダリンによる中毒症状は以下の通り
- めまい
- 嘔吐
- 下痢
- 呼吸困難
アミグダリンは以前、ビタミンB17と呼ばれていたことあり、健康に良いとされる情報を目にすることもありましたが、現在ではビタミンの定義には該当しないとされています。
また、びわの種子に抗がん作用が期待されると議論されていましたが、アメリカの国立がん研究所が臨床研究に基づき否定しています。
人用に健康効果を期待して、びわの種子を粉末したものが存在しますが、健康被害の危険性があるので人はもちろん、犬猫にも食べさせないようにしましょう。
びわを家庭栽培している場合には剪定した葉や食べ終わった後の種子を犬猫の届く範囲に放置して誤食してしまわないように注意が必要です。
参考:ビワの種子には、有害な物質が含まれていることがあるって本当ですか?
びわを与えるメリット
強い抗酸化作用に期待!
びわには強い抗酸化作用を持つβカロテンやクリプトキサンチンが豊富に含まれています。
これには高血圧や心筋梗塞などの生活習慣病やがんの予防に効果があると期待されています。
びわは適量であれば子犬猫、シニア犬猫が食べても大丈夫です。
日々の健康維持はもちろん、老齢期の犬猫の老化防止にも役立つ栄養が含まれた果物です。
びわに含まれるポリフェノールでダイエット効果に期待
食べたときにわずかに感じる渋みには、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が含まれています。
このクロロゲン酸には中性脂肪の蓄積による脂肪肝を予防する効果が期待されています。
また、糖尿病の原因となる糖新生を抑える効果があるともいわれています。
ただし、びわには糖分も多く含まれているので、食べ過ぎは逆効果です。
糖尿病や肥満の原因になりかねませんので、おやつ程度に食べる事で健康的にびわの栄養を摂取できます。
びわの栄養
β‐カロテン
与えるメリットでも解説したように、強い抗酸化作用が期待できる栄養素です。
犬の場合、βカロテン→ビタミンAに変換され、目や皮膚の健康維持にも役立つといわれています。
クリプトキサンチン
カロテノイドの一種であるクリプトキサンチンは与えるメリットで解説したように強い抗酸化作用が期待されています。
さらには骨粗しょう症の要予防や血中インスリンを低下させる効果も期待されています。
クロロゲン酸
びわに含まれるクロロゲン酸はポリフェノールの一種。与えるメリットで解説したように、肥満予防や生活習慣病の改善に役立つ効果が期待されています。
カリウム
カリウムはミネラルの一種で、利尿作用や摂り過ぎた塩分の排出に役立ちます。さらに高血圧予防作用も期待されています。
与える際の注意点
びわ茶は飲ませないようにしましょう
びわの果肉は大丈夫ですが、びわの葉を原料にしたびわ茶は犬猫に飲ませてはいけません。
びわ茶だけではなく、びわの葉エキスなどのびわの葉の加工品は複数あります。
上記で解説したように、びわの葉には種子と同様に自然毒であるアミグダリンが含まれています。
人は大量に飲まなければアミグダリンによる中毒症状は起こさないといわれていますが、人より小さな犬猫には、びわ茶やびわの葉エキスなどに含まれる成分量で十分に影響を及ぼす危険性があります。
与えすぎはNG
びわには犬猫にとって健康的メリットがある栄養素が豊富に含まれていますが、8割近くが水分でできています。
犬猫へびわを食べさせ過ぎてしまうと、その水分の多さから消化不良や下痢を引き起こしてしまう事も。
また、びわの皮は消化に悪いので、犬猫には皮を剥いた果肉だけを与えるようにしましょう。
他にも、びわなどの果物に含まれる果糖は健康的メリットがある糖分であるのですが、過剰に摂取してエネルギーとして使われなかった糖分は脂肪として蓄積されてしまいます。
過剰に食べさせて消化不良や肥満の原因を引き起こさないように、おやつ程度に控えて食べさせてあげましょう。
アレルギー
びわは、ウメ、モモ、アンズ、サクランボなどと同じバラ科の植物です。
同じバラ科の植物でアレルギー症状を引き起こしたことがある場合には食べさせないように気をつけましょう。
また、2019年に小学校の給食でびわを食べた子供がアレルギー症状を引き起こし、11人が病院へ搬送されたというニュースがありました。
これは花粉症の人がびわを食べる事で起きた『花粉―食物アレルギー症候群』との報告で、花粉症になってから数年後に果物アレルギーを発症することもあるようです。
花粉症(花粉によるアレルギー)をもつ犬猫の場合、人と同様にびわ等の果物でアレルギー反応を示す場合があるので気をつけてください。
初めて食べさせるものはごく少量から始め、食後の様子をしっかりと観察し、嘔吐や下痢、発疹などの体調不良が出た場合には、すぐに動物病院へ連絡し、獣医師の指示に従いましょう。
まとめ
犬猫はびわを食べても大丈夫!
びわは犬猫にとっても健康的メリットがある抗酸化作用の強い果物です。
体に良い旬の果物を愛犬愛猫と一緒に楽しめるのは嬉しいですが、葉や種子に含まれるアミグダリンには中毒症状引き起こす成分なので、誤飲誤食に十分に気をつけましょう。