グリンピースについて
小さくてコロコロとしたフォルムがかわいいグリンピース。
旬は4~6月で、この時期に収穫されたものは甘さやみずみずしさが強く格別です。
普段からよく食べる方は少ないかも知れませんが、炊き込みご飯、シュウマイ、天津飯、ミックスベジタブルなど、思い出してみると意外と口にする機会のある食材ですよね。
ちなみに、「グリンピース」と「グリーンピース」どちらの表記も間違いではありません。
「グリンピース」と呼ぶ方が少しばかり優勢なようですので、本記事でもそのように呼んでいきます。
犬猫はグリンピースを食べても大丈夫
グリンピースは犬猫に食べさせても大丈夫です。
一部のメーカーからはグリンピースを使ったペットフードやペット用のおやつも販売されています。
本記事では
- さやえんどうとグリンピースの関係
- グリンピースの栄養素やメリットと注意点
- 愛犬・愛猫用のグリンピースを使った手作りフードレシピ
などについてお話していきます。
アレルギーのリスクはある?
グリンピースはアレルギー面で大きな心配のない食材と言えますが、豆アレルギーを発症してしまう子はゼロとは言い切れません。
アレルギー症状などの詳細につきましては後ほどお話します。
ミックスベジタブルはあげてもいいの?
ミックスベジタブルも犬猫に与えて大丈夫です。
グリンピースと一緒に使われているとうもろこしも人参も、犬猫が食べられる野菜です。
グリンピースととうもろこしは若干消化に悪いので、加熱のうえ軽く潰すと消化によくなります。
稀に玉ねぎを使用したミックスベジタブルがありますが、玉ねぎは犬猫に絶対NG。こちらは食べさせてはいけません。
えんどう豆とグリンピースの関係
「グリンピース」「さやえんどう」「スナップエンドウ」は、全て分類上マメ科エンドウ属の仲間です。
ちなみに、枝豆や大豆はダイズ属なので植物学的には違うものです。
- さやえんどう:えんどうを若い内に収穫し、さやごと食べるもの。
- グリンピース:えんどうのさやの中の豆をある程度成長させ、完熟前のやわらかい状態で収穫したもの。
- スナップエンドウ:グリンピースをさやごと食べられるように品種改良したもの。肉厚で甘みが強い。
上記の通り収穫のタイミングや細かい品種の差により名称が違い、細かい部分では栄養差もあり、3種類の中でグリンピースはビタミンB1が特に優秀といわれています。
さやえんどうについてはこちらの記事で詳しくお話しています。
グリンピースを食べることによるメリット
グリンピース100gあたりの主な栄養素
ゆで | 冷凍 ゆで | |
---|---|---|
エネルギー | 99kcal | 82kcal |
たんぱく質 | 5.9g | 4.8g |
食物繊維 | 8.6g | 10.3g |
炭水化物 | 13.9g | 10.7g |
亜鉛 | 1.2mg | 1.0mg |
ビタミンB1 | 0.29mg | 0.27mg |
βカロテン | 440μg | 500μg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
- たんぱく質:豆類であるグリンピースは、植物性たんぱく質が豊富。炭水化物と合わせエネルギー源となります。
- 食物繊維:グリンピースは不溶性食物繊維の割合が高く、便秘解消効果が考えられます。
- 亜鉛:強い抗酸化作用を持つ栄養素。皮膚や毛並みの健康維持にも役立ちます。
- ビタミンB1:糖質の代謝を助け、疲労回復に役立ちます。精神を安定させる効果も。
- βカロテン:体内でビタミンAに変わります。目を守り、免疫力を高める効果があります。
ビタミンB1やたんぱく質をはじめ、グリンピースは様々な栄養素を持っています。
1粒が小さく給与量も調整しやすいので手作りごはんやおやつに取り入れられるといいですね。
犬猫にグリンピースを与える時の注意点
必ず加熱する
生の豆類には「トリプシンインヒビター」という成分が含まれており、これは膵臓から分泌される消化酵素「トリプシン」の働きを妨害します。
妨害が起きるとたんぱく質の分解がうまく出来なくなり、消化不良や下痢を起こしてしまいます。
「トリプシンインヒビター」は熱に弱いため、犬猫にグリンピースを食べさせる際は必ず加熱処理をしましょう。
犬猫には塩分過多になる可能性もあるので塩ゆでは控えた方が無難です。
粒のまま与えない
犬猫はあまり咀嚼しない生態ですので、粒のままだと丸飲みして喉などで詰まってしまう恐れがあります。
また犬猫は植物の消化が苦手なので、薄皮の付いた粒のままでは消化不良を起こしてしまう可能性があります。
犬猫にグリンピースを与える時はなるべくフォークなどで少し潰し、食べやすくしてあげるといいでしょう。
嚥下能力や消化能力の低下してきているシニアの犬猫は特に注意を。
食べ過ぎに注意
グリンピースはコロコロと丸く与えやすいので、つい食べさせ過ぎてしまうことがあるかも知れませんが食べさせ過ぎは厳禁です。
どのような食材でも、食べ過ぎは栄養バランスの乱れや肥満などに繋がります。
グリンピースは食物繊維を多く含みますので、下痢や嘔吐のリスクも高まります。
食物アレルギーに注意
既に少し触れていますが、はじめての食べ物の際は食物アレルギーに注意。
グリンピースが特に危険な訳ではありませんが、可能性はゼロではありません。
まずは1粒程度の少量から様子を見て、下記のような症状が現れれば食べさせるのをやめましょう。
- 目や皮膚の赤み・痒み
- 下痢・嘔吐
ひどい時は動物病院へ連絡し、獣医師の指示に従いましょう。
愛犬愛猫にグリンピースを食べさせる時の適量・レシピ
グリンピースの適量
- 体重10kg程度の犬猫:数粒~10粒程度
- それ以下の体重の犬猫:2~3粒程度
こちらはあくまで目安の量となりますので、愛犬愛猫の体質や飼育状況に合わせて調節してください。
グリンピースを使った愛犬・愛猫用レシピ
豚ひき肉とミックスベジタブルのミートローフ
材料
- 豚ひき肉:100g
- ミックスベジタブル:50g
- 卵:1個
- 片栗粉:適量
作り方
- ミックスベジタブルは軽く茹でるか、レンジで加熱した後にフォークなどで軽く潰します。
- ボウルにひき肉、ミックスベジタブル、卵、片栗粉を入れてよく混ぜ合わせます。
- 成形用の型に2を入れ、180度のオーブンで15分ほど焼きます。
- 冷めたら取りだし、切り分ければ完成。
お肉で犬猫の食欲を刺激しつつ、グリンピース・とうもろこし・にんじんなどの栄養素も摂取できるごちそうレシピです。
分量は体重5kg程度の犬猫1食分の量ですが、実際に作ったり食べさせたりする量は愛犬・愛猫に合わせて調整してください。
人間用は混ぜあせたタネを別のボウルに移し、塩コショウなどで味付けしましょう。
まとめ
グリンピースは犬猫に食べさせても大丈夫です。
ビタミンB1・たんぱく質・食物繊維をはじめとした健康に良い成分を複数持っています。
- 必ず加熱する
- 粒のまま与えない
- 食べ過ぎに気を付ける
- 食物アレルギーを考慮する
などの注意点があります。
一粒が小さく、フードへのトッピングなどに使いやすいグリンピース。
注意点に気を付けつつ、愛犬愛猫の手作りフードに取り入れてみてはいかがでしょう。
参考:KAGOME「スナップエンドウとグリンピース、さやえんどうの違いを紹介」