ハモは沿岸部に生息し細長い体をしており、長さは1mほどのものが多い大型魚類です。
関西ではおなじみですが、それ以外の地域ではあまり出回りません。
京料理には欠かすことが出来ず、お造り・炭火焼き・天ぷら・しゃぶしゃぶ・湯引きなどの調理方法で主に食べられています。
犬猫はハモを食べても大丈夫!
一部のメーカーからはハモを使用したジャーキーやレトルトフードなども販売されています。
こちらの記事では
- 凶暴だけど高級で美味しい魚、ハモについて
- ハモの栄養や犬猫に食べさせるメリット・注意点
- 愛犬愛猫用のハモを使った手作りフードのレシピ
などについてお話していきます。
凶暴だけど高級で美味しい魚、ハモについて
ハモはウナギ目ハモ科に分類される魚で、漢字では「鱧」と書きます。
ウナギやアナゴのように細長い円筒形の身体をしており、茶褐色で腹部が白くウロコがないのが特徴です。
釣り人の間では、釣り上げたときにその大きな口と鋭い歯で噛みついてくる凶暴な魚であることが知られ、その名も「食む(はむ)」が変化したところに由来すると言われています。
ハモってどんな味?
ハモは白身魚らしいさっぱりとした味わいですが、意外と脂がのり濃厚な旨味も併せ持っています。
旬はいつ頃?
ハモは年に二回旬を迎えると言われています。
1度目の旬は6月~7月にかけてです。
気温が高くなりハモの動きが活発になり、産卵に向けて栄養を蓄えるため旨味も強くなっています。
2度目の旬は10月の終わり頃です。
ハモは8月頃に産卵し一度痩せ細ってしまいますが、食欲は旺盛です。
そしてそのままたくさんのものを食べ、また身体に栄養が戻ってくるのが10月の終わり頃なのです。
この頃は松茸も旬を迎えており、ハモと合わせたお吸い物は高級料理として専門店などで取り扱われています。
ハモはなぜ高級?
食べるには職人技である「骨切り」が必要であり、その技術料により高級になっていると言われています。
一般的な魚であればおろした後に骨を取り除けば良いのですが、ハモはその量が多く、取り切るには膨大な時間が掛かってしまいます。
そこで、ハモには小骨を断ち切り食べやすくするために「骨切り」という処理がされるのですが、これが非常に難しく熟練の職人しか上手く行うことができないのです。
ハモを犬猫に食べさせるメリット
ハモ(生・身のみ)100gあたりに含まれる主な栄養素表
含有量
エネルギー 132kcal
たんぱく質 18.9g
脂質 4.3g
カリウム 450mg
カルシウム 79mg
リン 280mg
ビタミンD 5.0μg
参考資料:八訂 食品成分表 2022
ダイエットにぴったり
低脂質・低カロリーでありながらたんぱく質豊富なので、ダイエットに適した食材です。
また、ハモは基本的に骨切りという処理を施し骨ごと食べる魚です。
上記の栄養素表は身のみの場合の栄養量ですが、小骨ごと食べる場合は100gあたり約200mgのカルシウムが摂取できると考えられます。
リンとビタミンDも豊富なので、骨作りに優れた魚とも言えます。
ハモから摂取出来る主な栄養素とその効能を簡単にまとめます。
- たんぱく質:筋肉や血液に含まれるだけでなく、エネルギー源としても利用される必須栄養素です。
- カリウム:ナトリウムの増加を抑制し余分な塩分を体外に排出するので、高血圧予防になる栄養素です。
- カルシウム:ハモは骨ごと食べる魚であり、骨にはカルシウムが豊富に含まれています。歯や骨を作るほか、イライラ解消にも期待出来ます。
- リン:健康な歯や骨を作るにはカルシウムとリンのバランスが大事ですが、ハモはその点に優れています。
- ビタミンD:カルシウムとリンの吸収を促し、骨や歯に沈着させます。
- コラーゲン:肌や骨を支える物質となる他、皮膚や毛の老化を防ぎます。
- コンドロイチン:犬猫の肌の保湿力をよくする働きがあるほか、関節痛を和らげる効果も期待できます。
ハモを犬猫に食べさせる時の注意点
「骨切り」された小さな骨が含まれているので、小さな子やシニアの子は注意
一般の人が購入できるハモには、「骨切り」により断ち切られた骨が含まれています。
小さな子やシニアの子、病気などで食べる能力が低い子は、断ち切られた骨でもうまく飲み込んだり消化したりできないことが考えられます。
ハモは必ず犬猫が食べないといけない食材ではありませんので、もし骨を食べさせることに不安があれば控えた方が良いでしょう。
有毒物質と寄生虫に注意!必ず加熱するように
ハモを犬猫に食べさせる時は必ず加熱しましょう。
血液には「イクシオトキシン」という毒が含まれており、摂取すると下痢や腹痛を引き起こしてしまいます。
また、ハモは海水魚なので体内にアニサキスという寄生虫が潜んでいることがあります。
生きたアニサキスを犬猫が口にすると、激しい腹痛やアレルギー症状を起こすことが考えられます。
この毒素と寄生虫は、しっかりと加熱することでその危険性を失います。
愛犬愛猫用のハモを使った手作りフードのレシピ
『ハモの湯引き』
材料
- 骨切り処理がされているハモ
- 昆布だし
- 水菜
- トマト
作り方
- ハモを愛犬愛猫に合わせた一口大にカットします。
- 鍋に昆布だしを沸かし、皮目を下にしてハモを鍋に入れます。
- トマトと水菜をカットしお皿に並べます。
- ハモに串などを刺し、よく火が通っていることが確認できたら鍋から取り出します。
- 水気を拭き、粗熱が取れたらハモをお皿に並べて完成です。
シンプルなハモの湯引きに野菜を添えた一品です。
ハモと昆布だしの風味が犬猫の食欲をそそります。
【まとめ】犬猫にハモを食べさせても大丈夫!
ハモは犬猫に食べさせても大丈夫な魚です。
濃厚な旨味とさっぱりとした味わいを併せ持つ高級魚であり、ダイエットや骨作りに適した栄養素を持っています。
犬猫に食べさせる時の注意点を2つ紹介します。
- ハモは「骨切り」の行われた身を骨ごと食べる必要があるので、小さな子やシニアの子など骨を食べることに不安がある場合は与えるのを控えましょう。
- 血液に毒素がある点と、寄生虫を身体に宿している可能性がある点から、必ずよく火を通すようにしましょう。
京料理に欠かせないハモ。
関西以外の地域ではあまり購入出来る機会がないかも知れませんが、美味しくて栄養もあるので、骨に注意した上で愛犬愛猫の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか?
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