犬猫はケールを食べても大丈夫!青汁はあげてもいい?苦みの対処や優れた栄養について

青汁でおなじみのケール

あまり馴染みがないかも知れませんが、ケールは「野菜の王様」とも呼ばれるスーパーフード。

苦いけど栄養効果の高いあの「青汁」の材料と聞けばピンと来る方も多いのでは。

そんなケールは犬猫に食べさせることができますが、その「苦み」ゆえにいくつかの注意点も。

こちらの記事では

  • ケールは犬猫に生で食べさせても大丈夫?青汁は?
  • ケールを犬猫に食べさせる健康メリット・注意点
  • 愛犬・愛猫へのケールの与え方・レシピ

などの内容についてお話していきます。

ケールを生で食べさせても大丈夫?

健康上の大きなリスクは低いと言えますが、苦みと消化に優しくないという点から犬猫にケールを生で食べさせることはあまりオススメできません。

詳細は後ほどお話しします。

青汁はあげてもいい?

人間の健康に良いなら愛犬愛猫にも飲ませてあげたいというお気持ちはわかりますが、人間用の青汁もあまりオススメできません。

市販の青汁はあくまで人間に合わせて成分調整がされたものであり、犬猫にどの程度飲ませて大丈夫なのか調節が難しいためです。

なんとなく飲ませると栄養が過剰になることも考えられます。

どのような食品でも言えることですが、摂取のし過ぎ・栄養の偏りは逆に不健康を招いてしまいますので、青汁を与えたい場合は、一部のメーカーから犬猫用の青汁が市販されていますのでそちらを検討してみましょう。

与える前に成分や愛犬愛猫の健康状態などはしっかりと確認することを忘れずに。

ケールを食べることによる健康メリット

ケールに含まれる代表的な栄養素
葉 生 100gあたり

含有量
エネルギー26kcal
食物繊維3.7g
カルシウム220mg
βカロテン2900μg
ビタミンC81mg
ビタミンE2.4mg

参考資料:八訂 食品成分表 2022

  • 食物繊維:整腸作用があり、便秘を改善する効果が期待できます。
  • カルシウム:骨と歯を構成し、丈夫に。精神を安定させイライラを抑える働きもあります。
  • βカロテン:体内でビタミンAに変わり、眼精疲労の予防に。粘膜や皮膚を正常に保つ効果も。
  • ビタミンC:コラーゲンの生成に必要で、筋肉・骨・歯などの強化も。感染症の予防にも。
  • ビタミンE:強い抗酸化作用を持ち、老化・ガン・動脈硬化などの予防効果が期待できます。
  • メラトニン:睡眠を促し、体のリズムを整えます。

上記の通りケールには非常に多くの栄養素が豊富に含まれており、様々な健康効果が期待できます。

ケールを犬猫に食べさせる時の注意点

なるべく加熱する

「苦み」と「消化に優れない」という2点から犬猫にケールを食べさせる際はなるべく加熱することをオススメします。

苦みが減少し、消化しやすくなります。

苦み

ケールには独特の苦みがあり、ほとんどの犬猫はこれを好みません。

苦いモノは本能的に毒だと感じ、回避するようです。

苦いものを無理に食べさせるとストレスとなりますので嫌がる場合は無理矢理与えないようにしましょう。

消化にあまり優れない

犬猫は元々肉食動物なので、ケールのような植物を生で食べ消化吸収するのはあまり得意ではありません。

場合により下痢や嘔吐をしてしまうこともあります。

大量に食べさせない

ケールの栄養素はどれも健康に良いものですが、摂り過ぎは逆効果となってしまいます。

また前項でも触れていますが犬猫は植物の消化が苦手ですので、ケールを食べさせる時は少量に抑えましょう。

食物アレルギーに気を付ける

ケールが特に危険という訳ではありませんが、はじめての食べ物を与える際は食物アレルギーに気を付けましょう。

ほんの少量から与え、

  • 皮膚や目の赤身・かゆみ
  • 下痢・嘔吐
  • 体毛が抜ける

などの異常が現れる場合は食べさせるのをやめましょう。

甲状腺疾患のある犬猫は「ゴイトロゲン」に注意

白菜・大根などと同じアブラナ科に属するケールには「ゴイトロゲン」という甲状腺ホルモンの分泌を妨げる物質が含まれています。

健康な犬猫が適量摂取する分には大きな影響は考えられませんが、甲状腺疾患のある犬猫は控えた方がいいでしょう。

愛犬愛猫へのケールの与え方・レシピ

与え方・適量

既にお話していますが、「苦み」と「消化」の2点からなるべく加熱してから食べさせましょう。

細かくきざんだり、ペースト状や粉末状にしてあげたりするとさらに食べやすくなります。

与える量は10g~20g程度の少量に抑え、食事へのトッピング程度に考えましょう。

人間のサラダのように山盛りで食べさせないように。

犬猫用のケールを使ったレシピ

ケールと豆乳のポタージュ

材料

  • ケール:3枚程度
  • じゃがいも:1個
  • 豆乳:100ml
  • オリーブオイル:こさじ1/2杯

作り方

  1. じゃがいもの皮を剥き薄くスライスし、オリーブオイルをひいた小鍋で炒めます
  2. よく火が通ったら細かくきざんだケールを入れて蓋をし、数分蒸します
  3. 蒸し終わったらミキサーにかけます
  4. 終わったら小鍋で温めておいた豆乳とよく混ぜ合わせれば完成

ケールの栄養を取りつつ、苦みはじゃがいもと豆乳でまろやかに抑えています。

全て与えると犬猫には多いので、愛犬愛猫の体格・体調に合わせて調節しましょう。

余った分にはコンソメや塩コショウで味付けして人間用に。

【まとめ】犬猫はケールを食べても大丈夫

犬猫はケールを食べても大丈夫です。

βカロテンやカルシウムをはじめ栄養素が豊富で、様々な健康効果が期待できます。

  • 「苦み」と「消化不良」の2点から生食はオススメできない。
  • 大量に食べさせてはいけない。
  • 食物アレルギーに気を付ける。
  • 甲状腺疾患のある犬猫に与えてはいけない。

などの注意点があります。

「野菜の王様」と言われることもあり栄養価に優れるケール。苦みなどに気を付けつつ、愛犬・愛猫の食事に取り入れてみてください。

鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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