犬猫はホワイトチョコを食べても大丈夫?チョコレートとは違う?致死量はある?成分や注意点を解説

愛犬・愛猫に与えるホワイトチョコについて

チョコレートと対をなす存在としてバレンタインの時期などによく見かけるホワイトチョコ。

チョコレートは犬猫が食べてはいけない食べ物の1つとして有名ですがホワイトチョコはチョコレートとは含まれている成分が違います。

ホワイトチョコもチョコレートと同じく犬猫が食べてはいけないのでしょうか?

犬や猫はホワイトチョコを食べても大丈夫だが・・・

ホワイトチョコにはチョコレートに含まれる危険な成分である「テオブロミン」が含まれていない点や

「カフェイン」の含有量が非常に少ない点から犬猫が食べても大丈夫な食材と言えますが、あまりおすすめできません

カロリーが高すぎる

ホワイトチョコは100gあたり588kcalと非常にカロリーが高いです。588kcalというと「体重9kgの避妊/去勢済みの成犬」が1日に必要なカロリーとほぼ同じです。

また、ホワイトチョコの脂質は100gあたり37.8g、糖類は100gあたり55.4g含まれています。

高脂質の食品は肥満の他に急性膵炎の危険性があります。また、犬や猫が生きていく上で砂糖は必要ないので糖類も摂取する必要がないものです。

糖類を摂取しすぎると肥満・下痢・嘔吐・糖尿病などの原因になってしまいます。

ホワイトチョコはチョコじゃない?

「ホワイトチョコはカカオが使われていないからチョコじゃない」という方もいらっしゃると思います。本当にそうなのでしょうか。

そもそもカカオとは

チョコレートにカカオが使用されているのはご存じですよね。ではカカオのどの部分がどのように使用されているのかご存じですか?

カカオの実はこんな見た目をしています。

カカオの実

この実を丸ごと使うわけではありません。この実を割ると中には白い果肉に覆われた「カカオ豆」と呼ばれる種子が入っています。

チョコレートを作るにはこのカカオ豆を使うのです。

チョコレートはどうやって出来るのか

チョコレートが出来るまでを図にしたものがこちらです。

カカオの図

まずカカオ豆を砕いて炒ることによってチョコレートの独特な香りや風味を引き出します。それをすり潰したものを「カカオマス」といいます。

カカオマスは全体の半分ほどが脂肪分で出来ています。この脂肪分を圧搾で抽出したものを「ココアバター」といいます。

チョコレートは圧搾する前のカカオマスにココアバター、更に砂糖やミルクなどを使用し作られます。

それに対しホワイトチョコレートはカカオマスを使用せずココアバター、砂糖、乳製品などのみで作られます

ちなみにカカオバターが抽出された後のカカオマスを「ココア」といいます。

スーパーなどで見かけるココアはカカオバターが抽出された後のカカオマスに砂糖や粉乳を加え「調整ココア」として販売されています。

ホワイトチョコはチョコじゃないは嘘!

上記の通り「ホワイトチョコにはカカオが使われていない」は嘘です。カカオの一部であるココアバターが使用されています。

正しくは「ホワイトチョコにはカカオマスが使われていない」です。

「チョコレート」と呼べるための定義は下記の表の通りです。

チョコレートの定義

引用:全国チョコレート業公正取引協議会HP
https://www.chocokoutori.org/cont3/13.html

ホワイトチョコは主にこちらの表の「カカオ分の代わりに乳製品を使用したタイプ」を満たす形になります。

チョコレートの定義も満たしているためホワイトチョコは立派なチョコレートということになります。

ホワイトチョコに含まれる代表的な栄養素

ホワイトチョコレート 可食部100gあたり

栄養素含有量
エネルギー588kcal
たんぱく質7.2g
脂質37.8g
炭水化物55.4g

参考資料:八訂 食品成分表 2022

ホワイトチョコはほとんどが脂肪分(カカオバター)、砂糖、乳製品のみで作られているため脂質や炭水化物以外の栄養はほとんどありません

ビタミンやミネラルがわずかに含まれていますが栄養的な期待が出来るほどではありません。

記事冒頭で「食べても大丈夫ですが、おすすめできません」と紹介したのはこのためです。

もし愛犬や愛猫が誤って食べてしまった場合、直ちに危険な状態になることは少ないかと思いますが沢山食べてしまわないように注意しましょう。

犬や猫にホワイトチョコをあげる前に知っておきたい注意点

犬猫にホワイトチョコを与える前に、以下のことを知っておきましょう。

食べさせる必要は全くない

ホワイトチョコは成分的に犬猫が食べても大丈夫なものというだけで食べさせるメリットは全くないです。

バースデーケーキや特別なおやつなどのデコレーションに使うような場合も、最小限にしてなるべく食べさせないようにしましょう。

強要はしない

いくら甘い美味しいものを食べてほしいからといって、犬猫が食べる必要のないものを無理に与えるのはやめましょう

ホワイトチョコは無理してでも与えるようなものではありませんし、嫌がる場合は飼い主としての信頼も失いかねません。

【まとめ】犬猫はホワイトチョコを食べても大丈夫

犬猫はホワイトチョコを食べても大丈夫ですが以下の点には注意しましょう。

  • 与える必要は全くない
  • 脂質や糖類の量がとても多いので誤って食べてしまった場合はそれ以上食べないように止める
  • 無理して与える必要がないので強要しない

今回はホワイトチョコについて紹介しました。2月のバレンタインや12月のホリデーシーズンによく見かけるホワイトチョコですが

誤食などで愛犬・愛猫の健康を害さないよう、飼い主がしっかり管理しましょう。

鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

記事一覧

ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

関連記事