初夏~晩夏にかけて花を咲かせるヒメジョオン。
公園や川沿いなどで見ることが出来るとても身近な花です。
生命力と繁殖力がとても高く、アスファルトの隙間から生えているところもよく見かけます。
そんなヒメジョオンは犬猫にとって安全な植物なのでしょうか。
ヒメジョオンは犬猫にとって比較的安全!
ヒメジョオンには犬猫にとって有毒な成分は含まれていないため比較的安全な植物です。
しかし、食べても大丈夫とは言ってもむやみに与えてはいけません。
今回は犬猫がヒメジョオンに接触する際の注意点や、よく似た植物であるハルジオンとの違いなどについてご紹介します。
ヒメジョオンの基本情報
学名
Erigeron annuus
科・属
キク科・ムカシヨモギ属
原産地
北アメリカ
開花時期
6月~8月
別名
柳葉姫菊(ヤナギバヒメギク)
花言葉
素朴で清楚・いつも一緒
ハルジオンとの違い
ヒメジョオンに非常によく似た花に「ハルジオン」があります。
一見しただけでは全く同じ花のように見えますが植物学上分類されている別の植物です。
茎の違い
ヒメジョオンとハルジオンの違いで一番わかりやすいとされているのが茎です。
ヒメジョオンの茎は中身が詰まっているのに対し、ハルジオンは中が空洞になっています。
そのため、茎を切ってみるとどっちの植物かが一目瞭然です。
また、切らなくても茎をつまんでみるとハルジオンは空洞のため柔らかくなっています。
花の形
ヒメジョオンとハルジオンはどちらも「舌状花冠」という花びらの付き方で、花の形はよく似ていますが微妙に違いがあります。
ハルジオンの花びらは糸のように細く、ヒメジョオンはハルジオンに比べると太くて数が少ないです。
見比べるとわかる程度の違いなので、見慣れていないとどちらか一方を見ただけではわからないかもしれません。
葉の付き方
葉の付き方にも微妙に違いがあります。
ヒメジョオンは葉の根元が茎に少しだけ触れるように付きますが、ハルジオンの葉は茎を抱くように付きます。
このように茎と葉の触れる面積の違いでも見分けることが出来ます。
開花時期の違い
ヒメジョオンの開花時期は6~8月なのに対してハルジオンの開花時期は4~7月です。
夏になるとどちらも開花しますが、春先に開花しているものを見かけた場合はハルジオンである可能性が高いです。
どちらも安全!
以外と様々な違いのあるヒメジョオンとハルジオンですが、パッと見ただけで見分けるのは難しいかと思います。
しかし、どちらにも有毒な成分は含まれていないため万が一犬猫が食べてしまっても安心です。
できるだけ食べてしまわないようにする
ヒメジョオンには毒性がないので犬猫が食べてしまっても比較的安心ですが、極力与えないようにしましょう。
犬猫がヒメジョオンを食べてしまった際に考えられるリスクについてご紹介します。
消化不良
犬猫は人間や草食動物とは違い、植物を消化吸収するための酵素を持っていません。
適量の植物の摂取は腸内環境改善に繋がりますが、食べ過ぎてしまうと消化不良から下痢や嘔吐を引き起こす可能性があります。
丸呑みの危険性
犬猫は食べ物をよく噛んで飲み込むという習慣はなく、食べ物を丸呑みしてしまいがちです。
ヒメジョオンなどの植物を大きいまま丸呑みしてしまうと、のどに詰めて呼吸困難になる可能性があります。
飲み込めたとしても腸管内に詰まって腸閉塞を引き起こすかもしれません。
衛生的な面
道路や川沿いに生えているヒメジョオンは衛生的にあまりよくありません。
車の排気ガスや他の犬猫の糞尿などがかかっている可能性もあるため、犬の散歩中などに食べようとしていたら止めましょう。
異常があればすぐに獣医師へ相談
万が一、犬猫がヒメジョオンを食べてしまった後に様子がおかしければすぐに獣医師へ相談することをおすすめします。
食べた後に「ゼーゼー」や「ヒューヒュー」と音を立てながら呼吸していたり開口呼吸をしている場合は、呼吸がしにくくなっている可能性があります。
また、食べた後の数日間排便がない場合は消化不良や腸閉塞を起こしている可能性があります。
腸閉塞を起こしている場合は外科治療が必要となるケースもあるので、気づいたらすぐに獣医師へ相談し必要に応じて動物病院を受診しましょう。
【まとめ】ヒメジョオンには犬猫にとって危険な成分は含まれていない
ヒメジョオンには犬猫にとって有毒な成分は含まれていないため、万が一食べてしまっても比較的安心な植物です。
今回ご紹介したポイントや注意点をおさらいしましょう。
- ハルジオンとよく似ているが花びらの形・葉の付き方・茎の中・開花時期などに違いがある
- 有毒な成分は含まれていないため食べてしまっても安心だが消化不良や腸閉塞などのリスクがあるのでできるだけ食べさせない
- もしも食べてしまったあと犬猫の様子がおかしければすぐに獣医師へ相談する
今回は犬猫とヒメジョオンが接触する際の注意点やポイントについてご紹介しました。
街中に生えているヒメジョオンは犬の散歩中やお庭などで見かけることが多いかと思います。
そんな機会には本記事で紹介した注意点を思い出して犬猫の健康を守ってあげましょう。