赤・ピンク・白など鮮やかな花を咲かせるシャクナゲ。
アサガオのようにいくつかの花が固まって咲く姿が特徴的です。
自分には手の届かないほど美しい女性を形容するときに「高嶺の花」と言いますが、この言葉のモデルになったのはシャクナゲと言われています。
シャクナゲはもともとヒマラヤの高山地帯に咲いていた花で、なかなかその姿を拝めなかったことからこう呼ばれるようになりました。
そんなシャクナゲは犬猫にとって安全な植物なのでしょうか。
シャクナゲは犬猫にとって危険な植物!
シャクナゲには有毒な成分が含まれているため犬猫が誤って食べてしまうと危険です。
今回はシャクナゲに含まれる有毒な成分・症状・食べてしまったときの対処法などについて解説していきたいと思います。
シャクナゲの基本情報
学名
Rhododendron subgenus Hymenanthes
科・属
ツツジ科・ツツジ属
原産地
ヨーロッパ・アジア・北アメリカ
開花時期
4月~5月
別名
ロードデンドロン
花言葉
威厳・荘厳
シャクナゲに含まれる有毒な成分
シャクナゲには「グラヤノトキシン」や「ロドトキシン」と呼ばれる毒性のある成分が含まれています。
シャクナゲは犬猫だけでなく、人間に対しても有毒な植物で、厚生労働省からも誤食など無いように注意喚起されています。
症例
( 症例1 )
2008年5月、北海道の一般家庭で知人から譲り受けたハクサンシャクナゲの葉を乾燥させて、自宅で煎じて冷却した煎液を 500mL 摂取、知人からは「血圧を下げる効果がある」との説明を受けていた。飲用30分後にクシャミ・鼻水等の症状が認められ、次第に手足が冷たくなって血圧が下がり、ショック症状を呈して入院した。( 症例2 )
2015年5月、自宅で採取したレンゲツツジの生花にドレッシングをかけ喫食し、1時間後に視覚異常、おう吐の症状を呈し入院した。( 症例3 )
マレーシアから持ち帰った蜂蜜による視覚異常、呼吸困難、歩行困難などの症状で病院に搬送された例がある(2012年に専門誌に投稿された)。
参照:厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル:高等植物:シャクナゲ類」
人間でも呼吸困難や歩行障害などの症状が発症し、入院や病院へ搬送されることもあるようです。
犬猫に食べさせないのはもちろん、飼い主様も誤食には十分注意してください。
犬猫が食べてしまった場合の症状
犬猫がシャクナゲを食べると以下のような症状を引き起こす可能性があります。
- 下痢・嘔吐
- 心不全・不整脈
- 低血圧
- 呼吸困難
- 震え・痙攣
- 意識障害
さらに状態が悪化すると昏睡状態や死に至る可能性もあるので注意しましょう。
犬猫がシャクナゲを食べてしまわないために
犬猫がシャクナゲを食べてしまわないために注意すべきポイントをご紹介します。
ツツジ科の植物に注意!
シャクナゲと同じツツジ科の植物である、ツツジ・サツキ・カルミアなどにも同じように有毒な成分が含まれています。
その中でも特にシャクナゲとレンゲツツジは有毒成分の含有量が多いため注意が必要です。
犬の散歩中に注意
シャクナゲはあまり街中で見かけることはありませんが、ツツジはよく見かける低木です。
もしも犬の散歩コースに生えていたらできるだけ近づけないようにしましょう。
犬によっては全く興味を示さないこともあれば好んで食べようとする子もいるようです。
おうちに飾らない
犬猫がシャクナゲを食べてしまわないようにするためには接触しないようにするのが一番です。
シャクナゲの切り花などをおうちに飾らないようにしましょう。
もしも飾らないといけない機会があれば犬猫の手が届かないところで管理するようにしましょう。
もしも食べてしまったら
前述したようにシャクナゲやレンゲツツジは毒性が強いので食べてしまったらすぐに獣医師へ相談することをおすすめします。
通常のツツジは葉を2~3枚食べた程度では問題ないと言われていますが心配な場合は同じく獣医師へ相談しましょう。
重症化しないためには迅速に適切な処置を行うのが大切です。
ただし飲み込んでしまったものを無理矢理吐かせようとするのはやめましょう。
必ず動物病院で適切な催吐処置などを受けるようにしましょう。
【まとめ】シャクナゲは犬猫にとって危険な植物
シャクナゲには犬猫だけでなく人間にとっても有毒な成分が含まれています。
今回紹介した成分や誤食の危険性についておさらいしましょう。
- シャクナゲには「グラヤノトキシン」や「ロドトキシン」と呼ばれる強い毒性を持つ成分が含まれている
- 人間にとっても有毒で、誤食による入院や病院へ搬送された症例がある
- ツツジ科の植物は毒性を持つものが多く、特にシャクナゲやレンゲツツジは毒性が強いと言われている
今回は犬猫に対するシャクナゲの危険性についてご紹介しました。
シャクナゲは人間でも入院するほど強い毒性を持つ植物です。
犬猫が食べてしまうと最悪の場合死に至る可能性もあるため十分注意しましょう。