犬猫は牛肉を食べても大丈夫
比較的ポピュラーな食材なので始めにお伝えしてしまいますが、犬猫は牛肉を食べても大丈夫です。
牛肉を使ったペットフードは世の中に数多くありますし、市販の牛肉をご家庭で加工して手作りフードを作ってあげている方も数多く居ます。
贅沢して美味しいものを食べようと思えば、まっさきに思い浮かぶのは焼肉やステーキなど牛肉ではないでしょうか。
その美味しさは犬猫も同じように感じています。たまに食べさせてあげると夢中になって食べることもあるでしょう。
今回は牛肉を犬猫に与えるメリットやその栄養価、どの部位が手作りフードに適しているのか?どれくらいの量を与えるべきなのか?注意点や調理方法・レシピを紹介などを解説していきます。
与えるのに適した部位は?
一般的に私たちが普段食べるような下記の部位は犬猫が食べても問題ありません。
- ロース
- ヒレ
- もも
- バラ
- レバー
ただし、カロリーの高い脂身はできるだけ避けたほうがいいでしょう。
バラ肉自体は食べても大丈夫ですが、脂身が多く避けるのが大変なので他の部位を調理したほうが手間が少なくなります。
たんぱく質が豊富で脂質が少ない牛ロースや牛モモなどがおすすめの部位になります。
腎不全の犬猫に与える際は注意
腎不全を発症している犬猫は、それまで問題なく食べていた食事でも大きな負担になってしまう場合があります。
カリウム・リン・たんぱく質を大量に摂取すると腎臓に負担をかけてしまうので、これらを豊富に含む牛肉を与えることは避けた方が良いでしょう。
牛肉アレルギーについて
牛肉に限った話ではありませんが、食べ物を摂取することでアレルギーを発症してしまうことがあります。
牛肉はその中でも発症の可能性が高い食材です。
まずは少量から与え、
- 下痢や嘔吐
- 目の充血
- 皮膚の痒みや赤み
といった症状がでないか観察しましょう。症状が現れてしまった場合は動物病院へ連絡を。
その際、何をいつ・どの程度食べたのかわかるようにしておくと診察がスムーズです。
牛肉に含まれる栄養
牛肉の様々な部位各100gあたりの主な栄養価
ロース | ヒレ | もも | |
---|---|---|---|
エネルギー | 293kcal | 207kcal | 176kcal |
たんぱく質 | 13.9g | 16.6g | 17.9g |
脂質 | 24.4g | 13.8g | 9.7g |
鉄分 | 2.4mg | 2.5mg | 2.8mg |
亜鉛 | 5.6mg | 4.2mg | 4.5mg |
カリウム | 240mg | 340mg | 350mg |
ビタミンB12 | 1.2μg | 1.6μg | 1.3μg |
リン | 140mg | 180mg | 180mg |
ロース:和牛肉 かたロース 赤肉 生
ヒレ:和牛肉 ヒレ 赤肉 生
もも:和牛肉 もも 赤肉 生
参考資料:八訂 食品成分表 2022
牛肉を与えるメリット
たんぱく質による体作り
たんぱく質は身体をつくり生命活動を維持するために不可欠の栄養素です。牛肉にはたんぱく質が豊富に含まれています。
不足すると、
- 皮膚が荒れる
- ケガの回復が遅くなる
- 体力が低下し、疲労が溜まりやすくなる
- 免疫力の低下
といったことが起こってしまいます。
鉄分による貧血対策
鉄は赤血球のヘモグロビンの構成物質で、酸素を全身に運搬する役割があります。
中でも牛肉に含まれるヘム鉄は植物に含まれる非ヘム鉄に比べ吸収率が約7倍もあり、貧血や冷え性の予防に効果的です。
カリウムによる高血圧予防
カリウムは犬や猫をはじめ多くの生物にとって欠かせないミネラルです。
牛肉に多く含まれるカリウムには血圧を低下させる役割があり、高血圧の予防になります。
亜鉛による免疫力アップ
亜鉛はたんぱく質を合成したり、分解するのが主な役割です。
成長促進や傷の治りを早める効果があり、新陳代謝において重要です。
犬猫に牛肉を与える際の注意点
生食は大丈夫?
生の肉や内臓、骨を愛犬愛猫に食べさせる【生食】について、牛肉は部位や鮮度によっては生で与えても問題のない食材ではありますが、様々なメリットとデメリットが考えられ、専門家の間でも賛否がわかれています。
少しでも不安があれば火を通すことをおすすめします。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
味付け肉に注意
スーパーなどで市販されている牛肉には最初から味付けされているものがありますが、犬猫に食べさせるのは絶対にやめましょう。
味付けの調味料に含まれる砂糖・塩・香辛料などは犬猫にとってよくありません。
玉ねぎやにんにくと言った犬猫にとっては中毒物質となってしまうものが使われていることもあります。
与えるお肉は味付け加工されていないものを選びましょう。
牛肉ばかり食べさせないように
- 食物アレルギーは摂取機会が高まるほどそのリスクも上がる
- 牛肉には様々な栄養素があるが、牛肉ばかり食べていると栄養素が偏ってしまう
- 部位によってはカロリーが高いので食べ過ぎは肥満につながる
などといった理由により、牛肉ばかりを与え続けるのはおすすめしません。
はじめは少量から与え、皮膚のかゆみ・下痢・嘔吐といったアレルギー反応が出ないかしっかりと様子をみましょう。
アレルギーが出なかったとしても、あくまで間食・おやつ・普段のペットフードへのトッピングに抑え、食事全体の20%を上限としましょう。
牛肉の与え方について
- 部位や鮮度によっては生で与えることもできるが、不安点もあるため加熱して与えた方がよい
- 身体の小さい犬猫や子ども・シニアの犬猫もは小さく切り分けたものを与える
- 調味料による味付けは行わない
以上のことを気をつけながら愛犬愛猫に牛肉の手作りフードを与えてあげましょう。
おすすめレシピ
牛肉ステーキ
- 牛もも肉やヒレ肉を適量用意する
- フライパンにオリーブオイルorごま油を少量ひき、焦がさないように中火でサッと火を通す
- 犬猫の体型にあったサイズにカットする
とってもシンプルですが、牛肉そのものが犬猫の食欲をそそります。
栄養バランスを気にする場合は、ブロッコリーやにんじん、きのこ類といった野菜も一緒にソテーしたり、カットした生のトマトなどを添えると良いでしょう。
牛肉ハンバーグ
少し手間をかけて豪勢な見た目に。
お肉の中に薬を仕込んで投薬補助を行うこともできます。
ローストビーフ
火を通しているので生食ではありませんが、生食に興味のある飼い主さんが愛犬愛猫に試してみる食事としていかがでしょうか。
【まとめ】
犬猫は牛肉を食べても大丈夫!
- 犬猫の食欲をそそりご褒美となる
- たんぱく質やリン、亜鉛など様々な栄養を摂取出来る
といったメリットがあります。
一般的に私たちが食べている部位は与えても大丈夫ですがたんぱく質が豊富で脂質が少ないロースやモモなどがおすすめです。
食物アレルギーの起きやすい食材でもあるので、
- 与え始めは一口程度で様子見を
- アレルギーが出なかったとしても、与えすぎると後天的に発症する可能性が高まるので少量に抑える
と言ったことに注意しましょう。少量に抑えることは栄養素の偏りやカロリー過多も防ぎます。