カジキについて
剣の様に鋭い上顎を持つ魚、カジキ。
カジキはマグロと見た目や風味が似ており、通年価格が安定し需要も高いので、スーパーなどで見かけることも多いのではないでしょうか。
調理がしやすく他の食材と組み合わせやすい魚なので、ソテーや煮物をはじめとした様々なレシピが考案されています。
犬猫はカジキを食べても大丈夫
カジキは犬猫にも食べさせることができます。
こちらの記事では
- カジキマグロではない?マグロとの違い
- カジキのメリットや注意点
- 愛犬・愛猫にカジキを食べさせる時の適量やレシピ
などについてお話していきます。
おやつに食べさせるのはどうなの?
カジキは犬猫のおやつに適しているものの1つと言えます。
栄養価に優れており、犬猫が好む風味です。
一部のメーカーからは犬猫用の「カジキジャーキー」も市販されていますので、たまに食べさせてあげると喜ぶかも知れませんね。
カジキマグロじゃないの?意外と知らないカジキのこと
カジキとマグロの違い
カジキと聞くと、カジキマグロの略?と思いがちですが、実は「カジキマグロ」という魚は存在しません。
スーパーなどで「カジキマグロ」と書かれていることもあるので、意外と知られていない事実です。
カジキの味や切り身の状態がマグロとよく似ていて、料理屋さんで一緒に並ぶことや代用として使われることがあった為、「カジキマグロ」と呼ばれるようになったのではないかと言われています。
分類も下記のように分かれており、全く違う魚です。
カジキ:カジキ亜科
マグロ:サバ科マグロ属
カジキの種類
カジキ亜科に属する魚は何種類かいますが、スーパーで見かける可能性のある2種類はこちらです。
- メカジキ:比較的よく流通しているカジキ。切り身は薄ピンクくらいの色合い
- マカジキ:あまり流通の無い高級なカジキ。切り身は明るい赤色。
カジキの栄養素や犬猫に食べさせるメリット
生のカジキ100gあたりに含まれる主な栄養素
メカジキ | マカジキ | |
---|---|---|
エネルギー | 139kcal | 107kcal |
たんぱく質 | 15.2g | 18.7g |
カリウム | 440mg | 390mg |
ビタミンD | 8.8μg | 38.0μg |
DHA | 600mg | 310mg |
グルタミン酸 | 2500mg | 3000mg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
カジキが特に多く持つ栄養素
カジキはDHA・グルタミン酸・ビタミンDなどをはじめ様々な栄養素を持っています。
その中でも含有量の多いものを簡単にまとめます。
- DHA:主に魚に含まれる必須脂肪酸。動脈硬化の予防や、脳の働きを活発にする作用。
- グルタミン酸:うま味物質の1つ。美味しさのほか、疲労回復や脳の働きを助ける働き。
- カリウム:過剰なナトリウムの排出を促し、高血圧を予防します。そのほか、筋肉の動きをスムーズにする効果など。
- ビタミンD:成長促進効果のほか、カルシウムの沈着・吸収を助けます。
- たんぱく質:体作りに必須の栄養素。筋肉・臓器・皮膚・毛などの材料になります。精神を安定させる効果も。
カジキを犬猫に食べさせる時の注意点
寄生虫やチアミナーゼに注意
海で暮らす魚には、アニサキスを始めとした寄生虫が潜んでいることがあります。
寄生虫を食べてしまうと、腹痛・下痢・嘔吐・腹膜炎などの症状が起きる可能性がありますので注意が必要です。
また生の魚にはチアミナーゼというビタミンB1欠乏症を引き起こす酵素が含まれ、欠乏症になるとふらつき・麻痺・歩行不全・昏睡といった神経症状を起こすといわれています。
寄生虫もチアミナーゼも加熱することで死滅するので、加熱して食べさせるようにしましょう
生で与える時は鮮度を確認し、少量を
犬猫に与える場合加熱することが推奨されますが、新鮮なものであれば生で食べさせることも可能です。
その場合もやはり前述した寄生虫とチアミナーゼのことを考慮しなくてはなりません。
寄生虫は長時間冷凍されることでも死滅するので、購入した魚が冷凍されていたものなのか確認してみましょう。
家庭用の冷凍庫で処理をする場合は-18度前後と温度が高いので、48時間程度冷凍しその後解凍したものを与えましょう。
寄生虫は体を切断されることでも脅威が無くなるので、包丁で細かく叩く手段もあります。
チアミナーゼは生の場合除去が難しいので、食べさせる量を抑えましょう。
ごくたまに一切れ程度の少量を与えるのであれば、そこまで大きなリスクはないと考えられます。
ただしこれらの対応はあくまでリスクを低下させるだけであり、絶対に安心ということではありませんので理解しておきましょう。
骨はなるべく取り除くように
カジキは魚なのでやはり骨が多いです。
犬猫に食べさせる際は小骨が喉などに刺さってしまわないように、しっかりと取り除くようにしましょう。
アレルギーを考慮する
カジキに限った話ではないですが、初めての食べ物の時は食物アレルギーに注意してください。
まずは少量から食べさせて様子を観察し、下痢・嘔吐・痒みなどがあるようでしたら食べさせるのをやめましょう。
ひどい場合は動物病院へ連絡し、獣医師の指示を仰ぎましょう。
食べさせる時の適量について
いずれの場合も毎日食べさせるようなことはせず、数日おきに1度程度にしましょう。
- 手作りフード:1日の摂取カロリー目安を確認し、その範囲内に収まるように調整しましょう。
- おやつ:1日の給餌量の10%程度が適量の目安となります。オーバーしてしまわないように。
- 生食:1切れのみが望ましいです。
カジキだけを食べさせると栄養が偏ってしまいますので、他の食材とのバランスにも気を付けてください。
愛犬・愛猫用のカジキを使った手作りフードレシピ
当サイト掲載のメカジキを使ったレシピを紹介します。
メカジキにもトマトにもグルタミン酸が豊富に含まれているので、うまみ成分が強く食いつきに期待できるかも知れません。
栄養にも優れた一品です。
【まとめ】
カジキは犬猫が食べても大丈夫です。一部のメーカーからは犬猫用のカジキジャーキーなども販売されています。
切り身が似ているので「カジキマグロ」と呼ばれることもありますが、正しい名前は「カジキ」で、マグロとは違う種類の魚です。
DHA・グルタミン酸・ビタミンDなど栄養素が豊富で、美味しさと健康効果の両方が期待できます。
- なるべく加熱してから食べさせる。
- 生で食べさせる時は新鮮なものを少量だけにし、寄生虫やチアミナーゼに気を付ける。不安なら加熱する。
- 骨をできるだけ取り除く。
- 食物アレルギーに気を付ける。
などの注意点があります。
調理がしやすく、犬猫も好む風味をしている「カジキ」。ぜひ手作りフードやちょっとしたおやつに取り入れてみてください。
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