アニスについて
ほのかな甘さを感じさせる独特の香りをもつ、世界でもっとも歴史の古いスパイスの1つであるアニス。
焼き菓子の風味付けのほか、スープや煮込み料理などに調味料や香辛料として使われ、料理以外では精油や香水の香料としても楽しまれています。
そんなアニスは犬猫に与えることができるのでしょうか。
この記事では犬猫はアニスを食べても大丈夫なのか、アニスの効果効能、注意点などについて解説していきます。
アニスとは何か
アニス(学名:Pimpinella anisum)は、セリ科の植物で、種子が主に使用されます。
前述の通りアニスは調味料や香辛料として広く使われており、その独特の甘い香りと味わいが特徴です。
アニスから抽出される精油(エッセンシャルオイル)は、医薬品や化粧品にも使用されています。
犬猫はアニスを食べても大丈夫
ペットフードの原材料として使用されることもあり、犬猫はアニスを食べても大丈夫です。
人への効果として気管支炎を予防・改善したり腸内環境を整えるなどがありますが、犬猫にとっても消化促進や消臭効果、利尿作用などのメリットがあるといわれています。
しかしメリットがあるからといって大量に摂取してしまうと、犬猫の身体に悪影響を与えてしまう可能性がありますので注意が必要です。
スターアニス(八角)とは全く別物
アニスについて調べてみると、名前の似た「スターアニス(八角)」の写真や情報が使用されていたり、混同されることがあります。
前述の通りアニスはセリ科の植物ですが、スターアニスは マツブサ科の植物で、植物学上の類縁関係にはありません。
どちらも甘い香りが特徴のため仲間のようにも思われますが、全く違う物なので覚えておくと良いでしょう。
アニスの主な栄養素
アニスは種子なので、主成分は炭水化物や食物繊維になります。
植物ですがタンパク質や脂質も含まれ、ペットフードではシードオイルとして抽出した種子の脂質を植物油として使用されることが多いようです。
アニス (種子)100g当たり
栄養素 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 337kcal |
炭水化物 | 50.02g |
食物繊維 | 14.6g |
タンパク質 | 17.6g |
脂質 | 15.9g |
マグネシウム | 170mg |
カルシウム | 646mg |
カリウム | 1,441mg |
リン | 440mg |
犬や猫にアニスを与える際の注意点
犬や猫にアニスをあげる際には、いくつかの注意点があります。
与えすぎに注意
ペットフードにアニスが使われる場合、ペットフードメーカーがしっかりと成分や配合量等を計算し安全を確認した上で製造・販売されていますが、手作りごはんなどに使用する場合は与えすぎに注意しましょう。
アニスに含まれる「アネトール」という精油成分は消化促進効果などのメリットもある一方、長期使用、多量使用で肝毒性、皮膚刺激性があるとも言われています。
ペットフードに使用されている、身体にいいから、等の理由で安易に大量に与えることのないように注意しましょう。
アレルギーについて
アニスがアレルギーを引き起こすことは稀ですが、絶対にないとは言えません。
セリ科の植物にアレルギー症状を起こす犬猫もいますので、初めて与える場合にはごく少量に留め、食後の様子に異変がないか観察しましょう。
異変がある場合には動物病院へ相談することをおすすめします。
精油(エッセンシャルオイル)の使用に注意
アニスは犬猫が食べても大丈夫といわれていますが、アニスの精油は別です。
アニスの精油は私達人間にとっても皮膚に対して刺激が強い事で知られ、犬猫のデリケートな皮膚に付着すると痛みを伴う皮膚炎を引き起こす可能性があります。
また、精油は一滴のオイルを抽出するのに大量の原料を使います。
アニスの濃縮バージョンともいえるアニス精油を少しでも舐めたり吸引することで、健康被害を起こす可能性も十分にあります。
アニスを使用した精油やアロマオイルを犬猫の手が届く、口にできる状況で使用や保管することは大変危険ですので十分に注意しましょう。
【まとめ】犬猫はアニスを食べても大丈夫
ペットフードの原材料として使用されることもあり、犬猫はアニスを食べても大丈夫です。
人への効果として気管支炎を予防・改善したり腸内環境を整えるなどがありますが、犬猫にとっても消化促進や消臭効果、利尿作用などのメリットがあるようです。
しかしメリットがあるからといって大量に摂取してしまうと、犬猫の身体に悪影響を与えてしまう可能性がありますので注意が必要です。
特にアニスが含まれる精油やアロマオイルの取り扱い、保管には十分に気をつけましょう。