犬猫の肥満について
私たち人間にはもちろん、犬猫にとっても身近でありよくない身体の変化である肥満。
犬猫の場合はコロコロと丸いフォルムが愛らしく感じられるので、身体によくないと思いつつもついそのままにしてしまっているご家庭もあるかと思います。
しかし、やはり肥満は万病の元になり、犬猫の健康を害してしまうものです。
こちらの記事ではそんな犬猫の肥満について、どの程度からが肥満なのか?そもそも何が良くないのか?食事や運動で予防・改善する方法、ダイエットに適した食事など、解説していきます。
犬猫の肥満の目安
見た目のみで判断しようとすると、犬猫には品種はもとより個体差によっても様々な体型があるため、「太っているように見えて標準体型だった」「痩せているように見えて肥満体型だった」という誤解が生じる恐れがあります。
また、「毎日見ているため、犬猫の体型の変化にあまり気付かなかった」「太ったとは思ったけどそこまでだとは思わなかった」ということもあります。
理想体重を10~15%超えていたら肥満であると言えるので体重で判断するのが良さそうに思えますが、理想体重の厳密な算出方法がなく、獣医師に診断してもらう必要が出てきます。
判断方法は以下の3つのポイントです。
①背中に触れたとき背骨が確認できるか
②脇腹をなでると肋骨を感じられるか
③上から見たときに腰のくびれがあるか参考:講談社 須崎恭彦 著 『愛犬のための 症状・目的別 栄養事典』
ボディコンディションスコア(BCS)とは
ボディコンディションスコア (BCS) は世界小動物獣医師会(WSAVA)が発表している指標で、上記にあげたポイントのように見た目と触れた状態から、 体型を9または5段階で評価するものです。
わかりにくい場合はかかりつけの獣医師に判断してもらうと良いでしょう。
画像引用:環境省自然環境局パンフレット「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~」4.体調管理について
犬猫の肥満により考えられる悪影響
犬猫が肥満体型になってしまうことにより以下のような悪影響が考えられます。
- 肥えた身体全体に血液を送るために心臓の動きが活発となり、老化が進む
- 肥えた身体を支えるために足腰に負担がかかり、変形性関節症になりやすい
- 糖尿病に罹りやすくなる
- 食欲増進・飲み水の要求数の増加
- 老廃物を体内にため込みやすくなる
- 高血圧になる
食欲増進は一見いいことのようですが、肥満体型でさらに食べてしまうとより体重が増加します。
また、食欲が増しているのに食事を我慢しなければならないことがどれだけ辛いかはこれを読んでいる方にもおわかり頂けるでしょう。
これら以外にも、病気を悪化させたり、病気に罹りやすくなるリスク、身体を動かすのが億劫になりさらに太る悪循環、身体を動かさない事により元気がなくなる・ストレスを発散できない可能性など様が考えられます。
なぜ太るのか?犬猫の肥満の予防策
食事量の調整
人間と同じですが大前提として、摂取カロリー>消費カロリーとなると太ってしまいます。つまり食べ過ぎと運動不足です。
これ以外にも遺伝子的に太りやすい、年齢による代謝の低下、避妊・去勢によるホルモンバランスの変化などが要因となる場合もありますが、基本要因は先にあげた2つです。
犬猫が食べ過ぎてしまわないようにまずは1日にどれくらいにカロリーが必要なのか計算してみましょう。
これらの記事で犬猫それぞれの1日に必要なカロリーの算出方法についてまとめておりますのでご参考ください。
1日に必要なカロリー量が分かったらそれに収まるように犬猫の食事量を調整しましょう。
普段の食事とおやつを適正な量に抑えることが肥満予防の第一歩です。
普段のフードは適正量くらいなのに太ってしまった…という場合はおやつの与えすぎの場合が多いです。
犬猫はおやつを催促することも多く与えると大喜びするので、ついたくさん与えたり何度も与えてしまいがちです。
気持ちはよくわかりますが、人間にとってはほんの少しと感じられても、犬猫にとっては過度な分量となっていることがあります。
愛犬愛猫の食事の善し悪しは飼い主さんのコントロール次第です。犬猫を健康に保つという意識をいま一度考えてみましょう。
運動量を増やす
食事以外に運動量を増やすことももちろん有効です。
犬の場合は散歩の回数を増やしてあげたり、公園などで一緒に遊ぶ機会を増やす。
猫の場合は家の中にキャットタワーや段差のある家具などを用意し、垂直運動を増やしてあげましょう。
こういった運動はストレス解消にも繋がるので、犬猫が健やかに過ごすためにもその機会を増やしてあげましょう!
もし肥満になってしまったら…
まずは普段の食事の見直しから始めましょう。
前項でお伝えしたように1日に必要なカロリーの中に普段の食事がしっかり収まっているか確認します。
間違えて多く与えていないか、飼い主さんの知らない所でなにか食べている可能性はないか、家族間で食事量の認識や調整がしっかり共有出来ているのかなどチェックしてみましょう。
食べ過ぎが判明した場合食事量を減らす必要が出てきますが、急激に減らしてしまうと
- ストレスが溜まる
- 健康を損ねる
- 空腹を感じることによる胃酸嘔吐
といった影響が犬猫にでてしまうことが考えられます。
主治医の先生と相談しながら段階的にフードの量を減らしていくとよいでしょう。
ダイエット用の市販フードに変更したり、栄養バランスを考えながら低カロリーで満足感のある食事を自作するという方法もあります。
平行して運動量も増やして上げると効果的です。
ダイエットにおすすめの食材
ダイエットに適した食材と、その食材についての記事をこちらでもご覧いただけます。
以下に簡単ですが紹介致します。
豆腐
低カロリーかつかさ増しが可能、整腸効果も期待できます。
鶏ささみ
脂肪がほぼなく、たんぱく質が豊富。
キャベツ
食物繊維が豊富かつ、カロリーに対してカサの多い食材です。
バナナ
栄養価が高く食物繊維も豊富。切り分けることで少量だけ与えやすい食材です。
ダイエットにおすすめのレシピ
当サイトに掲載しているレシピをいくつかご紹介させていただきます。
小松菜と桜えびの白和え
桜えびで食欲を刺激しつつ、豆腐によるかさ増しと食べやすさのあるレシピです。
ささみとキャベツの胡麻和えサラダ
ささみで食欲をそそりつつ、たんぱくしつ、食物繊維とダイエットに必要な栄養素を摂取させることができます。
アイスバナナ
栄養価が高く、満足感があり便秘改善効果も期待できるバナナのレシピ。ダイエット時のおやつにぴったりで作るのも簡単。与える量は控えめに。
まとめ
肥満の主な原因は食べ過ぎと運動不足です。
犬猫が肥満かどうかは見た目と触った時の状態で複合的にチェックを。
犬猫の1日に必要なカロリーを計算し、与えすぎないように飼い主さんが意識をもつことで予防しましょう。
肥満になってしまった時は獣医師さんと相談しながら少しずつ食事量を減らすようにしましょう。
ダイエットフードに切り替えたり、低カロリーで満足感のある食事を自作してあげることも有効です。